


近畿日本鉄道(通称・近鉄)は最も身近な私鉄だ。日本最長営業距離を誇る私鉄の王様として君臨し、大阪・奈良・京都・三重・愛知の2府3県を結ぶ路線網は関西に住む者にとってはどこかの場面で必ずといっていいほど利用することがある。
また名古屋へ行くときも都心(大阪難波)から直接ゆったりとした特急車両で到達時間は新幹線にはるかに劣るモノの運賃も安く、敢えて出張などで時間に制約がなければこちらを利用することもある。
わたし自身、以前は近鉄沿線に住んでいたので小学生の頃の遠足とか日常生活でもしょっちゅう乗車する機会があった。
しかし様々に張り巡らされた近鉄線は一方で身近にありながらも乗車したことがない路線もある。
例えば、大和西大寺駅-橿原神宮前間の橿原線である。
もちろん支線系統もまだ未踏破路線も残っていて「全線乗り鉄」を完達するにはもう少し時間がかかりそうだ。
さて、今日は朝から所用で近鉄京都線の奈良・京都府県境の強烈な難読駅《新祝園》まで行く機会があった。
この《新祝園駅》、JR線《祝園駅》と直結しているが何故か「新」が冠せられる駅だ。
わたしの知識不足かも知れないが、直結している駅で「新」が付くのは珍しいと思う。
新大阪にしても新横浜にしても在来駅とは別の場所に造られた文字通り「新駅」なのに何故祝園だけ直結しているのに「新」が付いているのか、分からない。


↑左 : 近鉄京都線《新祝園駅》
↑右 : JR学研都市線《祝園駅》
列車の発着本数は圧倒的に近鉄の勝利!、JR学研都市線もここまで来ると乗客数も相当細くなるので列車運転本数も少なく30分に1本の超ローカル線だ。

↑ 《祝園駅》を発車して終点・木津駅を目指す、学研都市線・快速電車。
祝園・新祝園駅で同行する者と待ち合わせする時間に少しばかりスマートフォンで乗り換え案内のアプリを開けて新祝園→橿原神宮の列車ダイヤを検索してみた。
S/Phoneはこういったネット検索がP/Cと同じ感覚で出来てすごく便利な代物だ。
・・・なるほどちょうど所用が終わる頃の電車に乗ると大和西大寺駅から橿原神宮まで特急に乗車できることが分かった、となると大阪阿部野橋まで近鉄南大阪線に乗り継いでオフィスに戻ることができる。
よっしゃぁ~、ちょっと30分ほど所要時間はかかるが橿原線に乗車してみるか!と考えてしまった。


↑左 : S/Phoneの「乗り換え案内」アプリで検索した結果。
↑右 : 大和西大寺→橿原神宮前→大阪阿部野橋までの特急券
仕事中(拘束時間帯)の「乗り鉄」って何だか後ろめたい気がする。オフィスの誰かがこれを見れば「なにやってんの?」って呆れられるかも知れないが昼休みの30分間を利用して、って勝手な理屈を考えて敢行してしまった。




↑ いずれも大和西大寺駅にて撮影。 奈良線、京都線、橿原線が交差する大和西大寺駅は近鉄線でも屈指の要所だ。ひっきりなしに各線の電車が発着し、平日の日中の時間帯にもかかわらず乗降客はかなり多い。
西大寺駅で「甲子園・三ノ宮」の表示を見るのはとても新鮮だ。阪神なんば線が開通して奈良-三ノ宮間の直通電車も数多く運転されている。


↑左 : 橿原神宮前→大阪阿部野橋間の特急・ACE16400系の車内。 南海にしても近鉄にしても「有料特急列車」には貴重品である「喫煙車

↑右 : 雨に煙る「二上山」。大和の国の神秘的な山々は今日のような雨天が似合う?
橿原線の特急が2分程延着したので標準軌の特急ACE22000系、南大阪線の狭軌ACE16400系の写真撮影が出来なかったのでお借りした画像を↓。
橿原神宮前駅で既に乗り継ぎの阿部野橋行き特急が到着していたので構内を走り抜けざるを得なかった!! よって写真撮影は×だったのが残念!


今日の橿原線乗車によって近鉄の特急路線は全て制覇した。あと残るのは全て支線で道明寺線と田原本線、鈴鹿線、特殊狭軌線(八王子線・内部線)となったが、これら支線群を制覇するのは難しそうだ。