処女作から秀逸な児童文学作家 | 八百屋ではたらくアーティストひじき

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ローレン・ウォーク
『その年、私は嘘をおぼえた』

訳  中井 はるの/中井川 玲子

さえら書房 2018年

 

世の中には、とんでもない才能を持った
人というのがたくさんいる。
私の好きな児童文学の世界にも、きらめく
ばかりの才能を秘めた作家さんがごろごろと
現れている。

 

作者のローレンウォークさんの初めての
児童文学作品。いきなりニューベリー賞を

受賞したそうな。アメリカでその年に
出版された中で最もすぐれた児童文学
作品の著者に与えられる権威のある賞である

 

権威性なんぞクソくらえではあるが、こと
児童文学の世界では様々な賞の受賞作品は
どれもこれも秀逸で図抜けて面白いもの
ばかり。大いに参考にして読み漁って

楽しんでいる。

 

何が凄いのか?

処女作* で、この完成度。隙や綻びも
なく、構成も描写も素晴らしい。

文学の経験が無い(?)ところから
こんなん生み出せるのが驚き。デビュー作で
てっぺんとっちゃった訳です。とんでもない。
人生の経験と才能か。

 

※著者の初めての児童文学だそうですが
他のジャンルでの出版はあるのかも

 

 

肝心の内容は?

第二次世界大戦下のアメリカ。田舎の農場
で家族と暮らす少女。矯正不能という
レッテルを貼られて引っ越してきた年上
の少女と出会い、周囲の人間まで悪の奔流
に巻き込まれていく。

 

主人公の健気さと助演の謎の青年の交流が
心を打つ。純度の高い、うすら寒くなるよう

な悪の描写がリアル。物語の大きな波の力が

怒涛のクライマックスに連れ去る。

無言で交わされる青年の人物や心理描写に

目を見張るものがある。切なく苦く暖かい

後味がいつまでも残った。

 

 

ローレン・ウォーク
『その年、私は嘘をおぼえた』

訳  中井 はるの/中井川 玲子

さえら書房 2018年

 

面白さ ★★★★★

おススメ度 ★★★★★

 

 

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