「華氏119」 | 土方美雄の日々これ・・・

「華氏119」

マイケル・ムーアの作品は、いつも、非常にわかりやすい。それは、その手法がドキュメンタリーというより、白黒をハッキリさせた、プロパガンダに近いからだ。

本作でも、ムーアは、トランプをヒトラーと、意図的に比較しつつ、トランプの手法がヒトラーと同じであると、指弾する。

しかし、今回、ムーアは返す刀で、そのトランプの独走を許したのが、民衆に寄り添うことがなかった、民主党の責任だということもまた、ハッキリ明示し、オバマやクリントン夫妻の裏切りを、断罪する。貧しい労働者や、女性、被差別者、行き場を失った若者等々の側に立つことも、同時に、明確に表明する。民衆が社会の現実や政治家に絶望したからこそ、トランプという怪物が台頭し、アメリカの民主主義を完全に葬り去ろうとしているのだということを・・。

ムーアの手法は、確かにあざといが、安倍政権を完全に敵に回して、日本で、こういう映画をつくれる人が、果たして、何人、いるだろうか???

渋谷の映画館で観たが、とにかく、凄い人気で、パンフレットも売り切れていた。