重くて、重いが、面白い本 | 土方美雄の日々これ・・・

重くて、重いが、面白い本

そうでなくとも体調がイマイチなのに、風邪が悪化して、益々、体調が悪い。喉は痛いし、大量の鼻水が出て、頻繁に鼻をかむので、鼻は真っ赤。そうでなくとも、小汚いジジイなのに、他人にはあまり見せられない姿である。

私は本をたいてい、2冊か3冊、並行して読むのだが、その中の1冊は、外出先や、ちょっと疲れた時に読む、比較的軽い小説本かエッセー。ところが、運悪く、昨日から読み始めちゃったのは、塩野七生の最後の長編と銘打った「ギリシア人の物語 Ⅲ 新しき力」(新潮社、3200円+税)。決して、軽くない内容だし、おまけに464頁もあるので、文字通り、全然、軽くなく、重い(本の重さが・・ねッ)。

大王と呼ばれたアレクサンドロスの物語である。私は塩野七生の本は、ほぼすべて、読んでいるが、それは彼女の思想や政治主張などに共鳴しているのではなく、むしろ逆。でも、物語として、読む価値があると思っているのだ。

というようなことを、以前、とあるメーリングリストに書いたら、とある高名な評論家に、塩野七生の本を愛読する人がいるようなメーリングリストには参加出来ないので、脱退しますと、本当に、脱退されてしまったが、何と、器量の狭い・・。

いやいや、そんなことを書こうと思っていたのではなく、この本は本当に、重くて、持ち運び出来ないので、何か、軽い(重さが・・ねッ)本を、外出用に買わねば・・と思っている。

ところで、この塩野七生の最後の長編は、重くて、重いが、大変、面白い。こういうテーマを、自ら、最後の長編として選べる彼女の力業には、つくづく、感服する。まだまだ、何冊も、本を書くことが、十分、出来そうな「体力」である。