パレットギャラリー「若手作家展」&会田誠2回目 | 土方美雄の日々これ・・・

パレットギャラリー「若手作家展」&会田誠2回目

昨日は、六本木に行く途中、地下鉄の麻布十番駅で下車し、パティオ10番前の「パレットギャラリー麻布十番」で、その日から始まった「コレクター山本冬彦と御子柴大三が選ぶ若手作家展」へ。

コレクターであるという山本&御子柴両氏については、まったく、知らないが、彼らが選んだ17人の若手アーティストの中に、銅版画家のこばやしまなさんが選ばれ、2点の作品を出展されていたからだ。

昼食をまだ食べていなかったので、ギャラリーに行く前に、どこかで昼食を・・と思ったのだが、さすが麻布十番だけあって、私がいつも入るような、立ち食いソバとか、牛丼の店はなく、昼食そのものを断念。

ギャラリーにはこばやしさんもいたので、こばやしさんや、ギャラリーの人とも、少し、立ち話。ついでに、出展作品2点の内、1点を購入。その「驚愕の事実」という作品は、銅版画だけでなく、額装も気に入った。

その後、ギャラリーの人に道を聞いて、歩いて、六本木ヒルズへ。ここで、とある人とお会いすることになっていたからだ。所用が終わり、森美術館の会田誠展へ。私は森美術館の年間パスポートを持っているので、何回入っても、料金は同一なのだ。

行くのはこれが2回目だが、その展示作品の一部が「猥褻画」と問題になり、森美術館側が「芸術の自由」を楯に、批判者の非公開要求を突っぱねたこともあって、その後の人の入りは、どうだろうか???と思って・・。結論的にいえば、「猥褻画」批判は、皮肉なことに、逆に追い風になったようで、同展は平日の午後だというのに、若い女性を中心に、凄い人出。「注意書き」を付し、カーテンで仕切って、特に批判が集中しそうな作品ばかりを集めたコーナー(批判後にこうしたコーナーを設けたわけではなく、会期のはじめからそうした形で公開していた)でも、若い女性たちは、眉をひそめることもなく、冷静に作品を鑑賞しているようだった。

まぁ、「天才」というか、「奇才」の、当の会田誠本人にとっては、批判が出ることはあらかじめ、織り込み済みのことであろうが、「芸術」と「猥褻」の境界線など、実際には、限りなく曖昧模糊としたものであるので、こうした作品を、人一倍、不快と思う人への配慮をどうするかは、難しいところ。その点、批判は批判として受け止めながらも、毅然とした態度を貫いた、森美術館の姿勢は立派と、私はそう思う。

図録はもう持っているので、復刻版の「ミュータント花子」を購入。「猥褻」であるかどうかと、問われれば、確かにこれは、「猥褻」そのもの。子供に読ませることが出来るのかと問われれば、確かに、私も、出来れば自分の子供には、読ませたくはないかも・・です。でも・・。

結局のところ、会田誠という人の人間性というか、「偽悪性」の背後にある、この人の真摯さを私は知っているし、同館に押しかけたファンの多くも、また、そうだと思う。そこが、評価の分かれ目になる。