Xメン ファイナル・ディシジョン | 土方美雄の日々これ・・・

Xメン ファイナル・ディシジョン

大好きな「Xメン」シリーズの最終章である本作は、監督が1、2作のブライアン・シンガーからブレット・ラトナーに代わり、その点が唯一の心配点だった。ブレット・ラトナーは「ラッシュアワー」や「レッド・ドラゴン」等の監督だが、「ヒット・メイカー」ではあっても、それほどの個性を感じさせる作品が、私の観た彼の映画の中には皆無だったからだ。

結論的にいうと、ブライアン・シンガーが1、2作で強調した、超能力者の苦悩や悲しみという「Xメン」の基本コンセプトは本作にも継承され、少なくとも「ターミネーター3」のような駄作にはなっていない。

物語はヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンと、ハル・ベリー演じるストーム、それに前作で死んだ筈のファムケ・ヤンセンのジーン・グレイを軸に展開、この3人を含む主要Xメンメンバーの内、3人までが命を落とすという衝撃的なストーリィになっている。ミュータントをただの人間に戻す薬「キュア」をめぐる争奪戦と、その渦中で、ただの人間に戻るか、ミュータントのままでいるかをめぐる、それぞれのメンバーの葛藤と選択が全編を貫くテーマとなるが、それよりむしろ、特撮面でのスケール感やハイ・テンポ感が目立つ作品といえる。

上記登場人物に加え、XメンのリーダーであるプロフェッサーX役のパトリック・スチュアートや、ローグ役のアナ・パキン、宿敵マグニートを演じるイアン・マッケラン等々、贅沢過ぎるほど豪華な顔ぶれでの「Xメン」は、もう二度と観ることが出来ないのかと思うと、とても悲しい。中でも、「スタートレック ザ・ネクスト・ジェネレーション」のピカード艦長役を長くつとめたパトリック・スチュアートは、私の大好きな役者であるだけに・・。

最後に蛇足ですが、エンディングのあとに、もうひとつのエンディングがあります。すぐに席を立った人はお気の毒。