書 その3538 「空腹と」の書 |  Hero-on's Style

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 こんにちは。

 

 

 

 

空腹と

ちょっとの孤独に

耐えたあと

夫の持ち来る

スープをなじる

 

 

 

 

俵万智「三十一文字のパレット(3)」より

 

 

 

 

 

 この短歌はですね、最初、

やはり、違和感が

 あったんですよ、はい。

 

これは、俵万智さんの

 解説が本当にありがたかった。

 

一部省略しながら、万智

 さんの言葉を引用します。

 

 

    

 

歌集の前後の歌から、作者は癌におかされ、死を目前にしていることがわかる。(中略)

 

「なじる」とは、相手を非難する言葉だが、この歌では、なじることのできる相手がいることの幸福感のほうが、強く出ている。

 

おなかが空いていたのに、誰も気づいてくれない状況は、病人にとっては、不安なものだろう。けれどそれは、「ちょっとの」孤独だ。

 

「ちょっとの」には、そのあとで必ず

気づいてくれる夫がいる。そのこと

 への安堵が見え隠れする。

 

どうしてもっと早く気づいてくれなかった

の? このスープ熱すぎるわ…そんなことを

言いながら、そんなことを言える「今」を、作者はを心ゆくまで味わっているのだろう。

 

だからこの「なじる」は、かぎりなく

「甘える」に近い言葉なのだ。

 

 

 

 最初に抱いた「違和感」を、

 僕は反省しました。

 

 夫婦、さまざま。

 

 その夫婦にしかわからないことが、

 少なからずあるよなぁって。

 

 そして、思わず、目頭が熱くなりました…

 

(ノД`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひーろん。 \(☆´∀`)/      ひ