先日、タイ人の患者さんにトムヤムクンを作って頂きました。
15年ぶり?のトムヤムクン、ほんとうに美味しい〜〜‼︎‼︎
初めて食べたのは19歳の時。
家族がロンドンに住んでいた時、遊びに行った時にタイ料理を食べました。
辛さと共に酸っぱさが同居しており、細胞のひとつひとつから汗が吹き出す様な感覚でした。
また、しっかりとした塩味が食欲をそそります。
え?
今日はひいろの食レポの回なの??
いえいえ、中国医学から見た食事の意味をお伝えしたいと思います。
東南アジアの食事に共通していることのようですが、酸味と鹹味(しおからい)です。
師匠から聞いた話ですが、フィリピンの食事は非常に酸味と鹹味(しおからい)が強いらしいです。
その酸っぱさときたら、強烈とのこと。
これらの味に夏の食事の秘密があるのです。
トムヤムクンは辛味も強かったですが、辛味は「発散」する性質があり、体内の寒湿を排出します。
四川料理も非常に辛いですが、唐辛子の辛さと花山椒のしびれるような「麻(ビリビリするようなしびれる感じ)」があります。
唐辛子も花山椒、共に体内の湿気を乾燥させ、寒気を発散させる作用があります。
トムヤムクンの話に戻ります。
「酸味の収斂」、「鹹味(しおからい)の下降」を通して、生命エネルギーの大元である「陽気」を収斂し、陽気が昇散するのを避けます。
暑い時にただ辛い物を食べるだけでは陽気を過剰に発散してしまうので、酸味と鹹味は収斂を助けるための配合と言えるでしょう。
その土地の気候と身体に合った食べ物の関係に脱帽です。
そう言えば、初めて食べたトムヤムクンにはレモングラスが入っていたのを記憶しています。
レモングラスは漢方薬の一種で、香茅といいます。
その効能は
祛風通络、温中止痛、下痢を止める効果があります。
感冒の頭痛、身体の痛み、風寒湿痹、お腹が冷えて痛む、下痢、跌打損傷の際に用いる。
味辛、性温。
帰肺、膀胱、胃経。
治風寒湿全身疼痛:香茅0.5kg。煎水洗澡(風寒湿全身の疼痛を治す。香茅0.5kg。煮出して身体を洗う)(『四川中薬志』1960年)「百度より」
とあります。
レモングラスは身体を温め、冷えを除去する効果があるのです。
暑いところでは逆に身体を冷やし過ぎてしまう生活になりがちです。
そのため、昔の人は冷やし過ぎないように食べ物で身体を養う方法を見つけ出したのでしょう。
食いしん坊にとっては楽しい研究でした。
暑い季節は身体を冷やさないことが元気に過ごすための秘訣です。
サプリメントを飲んだり、漢方薬を飲んだりするのも時には大切です。
その前に、まずは生命力の邪魔をするのを止めることが健康促進の第一段階と言えるでしょう。
そうすることで、治療効果も上がり、治療をした後の良い状態が続きやすくなるのです。
治療だけして、ビール、アイス、冷たいサラダと果物を食べていては全て台無しになってしまい、もったいないですよね😅
トムヤムクンから夏の養生のポイントまで触れましたが、とりあえず今日はこのくらいで。
次回こそは梅雨の過ごし方をお伝えしたいと思います(たぶん)
それでは、再見🙏