数年前に聞いた話。ある中央省庁に職場の多くの人が認める立派な人が居ました。その人が部長か局長か分かりませんが、ある程度まで中央省庁で出世をしたそうです。その人事に対する、その人をよく知る人たちの反応は、あんな立派な人がよくあそこまで出世したものだ、という反応だったそうです。
 財務省による森友学園の土地取得に関する文書破棄、文書改ざん騒ぎ、文部科学省の加計学園獣医学部新設に絡む騒ぎなどを見ていると、確かに、両省庁のトップである事務次官に立派な人が付いているとは思えません。
 話は変わりますが、アサヒビールを現在の姿まで立て直した功労者である樋口廣太郎さんは、ご自身が社長在任中から、次期社長を役員の投票で選ぶルールを作ったそうです。
 世間では、よく、上司の能力を部下は三日で見抜く、上司は部下の能力がわかるまで3年かかると言います。これは至言だと思います。
 中央省庁の人事に話を戻すと、例えば、事務次官人事であれば、その1階級か2階級下の人達の選挙で選んだらどうでしょうか。それは難しいとしても、少なくとも候補に上がった数人から誰を選ぶかは、部下の選挙結果を参考にしたらいいと思います。
 度々、例に挙げますが、ジャイアンツの原監督が監督復帰1年目でいきなりリーグ優勝を果たしました。スポーツチームは監督次第、企業は社長次第、中央省庁は事務次官次第だと思います。