奥三河(愛知県東栄町)の廃校休校巡り(2015/06/14) | haiko-riderのブログ

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2010年春から現在まで、趣味で廃校休校巡りをしてます。
これまでに訪れた校舎や思い出を記事にしてます。
無分別な廃墟探索とは全く異なりますので、誤解無きように。




奥三河(おくみかわ)は、旧三河国北東部の山間部の総称です。
愛知県東部に位置し、静岡県・長野県と境を接しています。

奥三河に含まれる市町村は、新城市、設楽町、東栄町、豊根村です。

今回は、その中で東栄町の廃校休校巡りです。


東栄町(とうえいちょう)は2回目の訪問です。

前回(2013年9月)は、当町西部を中心に月小学校、粟代小学校、

小林小学校の3校を訪ねました。

http://ameblo.jp/hiho-haiko/entry-11613789019.html


東栄町は、町域の91%が山林・原野で占められており、

標高700~1,000mの山々が連なっています。

明治以降、馬、養蚕、木材の産地として時代の要請に応えてきた当町ですが、
特に木材は優良な三河杉の産地としてその名を馳せ、明治以降100年にわたって

町の繁栄を支えてきました。
しかし近年の木材市況は財価の低迷が続き、主産業であることに変わりはありませんが、
林業界に以前のような輝きは見られません。

また、「花祭りの里」として知られています。


奈根小学校2

愛知県豊川市から、JR飯田線と並んで走る国道151号を

利用して奥三河へ入ります。

まず、東栄町の南端にある学校を訪ねます。

市原トンネルの手前の高台に2階建ての鉄筋校舎があります。


奈根小学校3

正面玄関前に軽トラが停まっています。


奈根小学校11

建設会社の現場事務所として利用されているようです。

緑十字の安全旗が掲げてありました。


奈根小学校4

玄関の表札の横には、工事関係の掲示があります。


奈根小学校9

校庭は一段下にありますが、人影はありませんでした。


奈根小学校10

往時に体育の授業で使用していた一輪車でしょう。

合わせても20台に満たない数です。


奈根小学校5

かつて飼育していた鶏?の名前が残っています。

二羽ともオスだったのでしょうか。。。


奈根小学校8
お馴染みの二宮尊徳像です。

奥三河地方には、ほとんどの学校跡で残っています。


奈根小学校7
校歌を刻んだ石碑

みどりの山、川のせせらぎ、さえずる小鳥は

地元の豊かな自然を詠ったものです。


奈根小学校6

学校跡記念碑


奈根小学校1

奈根(なね)小学校(2010年閉校)

現在は、建設会社の事務所として使用されていますが、

往時のままの校舎が残っています。

入り口の黒板には、生徒たちの閉校になった学校に向けた思いが

書かれています。

立派な記念碑よりも、胸に伝わってくるものがあります。


東薗目小学校14

静岡県に入り県道1号を浦河地区まで進み、国道473号にて

再び愛知県内に入ります。

県境を越えてから、ほどなく県道504号を東薗目川に沿って北上します。

狭く曲がりくねった道の先に次の目的地があります。

「志多ら」の看板が目印です。


東薗目小学校1

坂道を上っていくと、閉校を表す案内が見えました。


東薗目小学校13

広場にトラックや乗用車が数台、奥に神社と講堂らしき建物があります。


東薗目小学校4

鳥居には熊野神社とありました。


東薗目小学校6

プレハブ風の建物が旧講堂です。

鬱蒼とした樹木に覆われて湿度が高いためか

壁には苔やカビが蔓延っています。


東薗目小学校2

4tトラックの奥に、平屋の木造校舎があります。


東薗目小学校3

トラックは、この場所を拠点に活動している「志多ら(しだら)」が

太鼓を運搬するために使用しているものです。

「志多ら」は、プロの創作和太鼓集団で、2002年、第一回東京国際和太鼓コンテスト

(組太鼓部門一般の部)において最優秀賞を受賞しています。

近隣地方都市の豊橋市を中心に名古屋、浜松、東京、アメリカなど国内外で

公演を実施しています。

小生の地元大阪でも、吹田市で公演されたそうです。

メンバーの方の話では、海外でのイベントに招待されロンドンやニューヨークにも行ったが、

観客が総立ちで拍手喝采するほど、和太鼓の人気が非常に高いそうです。

奥三河の深山から、海外の大都市まで和太鼓が響き渡っているようです。。。


東薗目小学校9


東薗目小学校8
「志多ら」のメンバーに許可を頂いて

教室の中を撮影しましたが、

色々な種類の和太鼓が所狭しと並んでいます。


東薗目小学校10
かつて教室だったことを窺わせる標語も掲示してありました。


東薗目小学校12

広場の隅には、錆びた遊具が草木に覆われています。


東薗目小学校5

苔むした石に校章が微かに見えます。

かなり年季が入っています。


東薗目小学校11

小学校跡記念碑

辺りは山林に囲まれ、湿気が多く白いカビが付着しています。



東薗目(ひがしそのめ)小学校(1990年閉校)
閉校後は、「志多ら」の活動拠点として使用されています。

8名ほどのメンバーが自活しながら稽古しているそうです。

狭く継ぎ接ぎだらけのアスファルトの悪路を経て辿り着きましたが、

かなり不便な場所です。

入り口付近の鋭いカーブは狭くて、4tトラックでギリギリ入って来れる道幅だそうです。

今後の一層のご活躍を願っています。





県道504号から臨む東薗目川の清流



イヌワシでしょうか。

ちょうどよい止まり木を見付けたようです。

羽を休めているところを後ろから撮りました。


東部小学校1
国道473号に戻り、東栄町中心部へ進みます。

西薗目を過ぎ、下田地区に入り、沿道から山側に入っていくと

次の目的地があります。

石積みの立派な門柱です。


東部小学校3
百葉箱の隣にある、大小のカラフルなタイヤを積み重ねた

巨大なモニュメントが目を引きます。

単なる遊具なのか、卒業記念のトーテムポールなのか不明です。

上部は木の枝を突き抜けています。


東部小学校2

山を背にして、講堂と奥に2階建ての木造校舎が並んでいます。

手前に小さなログハウスが見えます。


ログハウスの壁に案内が貼ってあります。

間伐材を有効活用に取り組んでいるNPO法人「てほへ」の案内です。


東部小学校6
講堂の全景です。


東部小学校5

校舎の全景です。

森の学校に相応しい美しい木造校舎です。

校庭につながる土手には、綺麗に手入れされた植栽が

並んでいます。


東部小学校4

広場の奥に体育館が見えます。


東部小学校13

東部小学校11
講堂の一部は、カフェや図書室になっているようです。


東部小学校8


東部小学校9

一本の丸木をチェーンソーで彫っていくそうですが、

非常に精緻にできていて素晴らしい作品ですね。


東部小学校7

運動用具の倉庫のシャッターには、

各年度の卒業生の記念作品がカラフルに

描かれています。


学校跡記念碑と二宮尊徳像です。


東部小学校(2010年閉校)

綺麗に整備された校舎と校庭は、現役で使用されていると

思えるほどです。


足込小学校8

国道473号をさらに進み、県道74号に入り北上します。

途中の分岐点で、県道430号に折れて谷へ下りた場所に

平屋の木造校舎があります。


足込小学校2

板張りの壁に、往時の標語が掛かっています。

昭和63年度(1988年)の卒業記念作品ですが、

卒業生は3名だったようです。


足込小学校3

玄関横の入り口には、「夢創房」とありますが

木工品を創っているのでしょうか。

人の姿はありませんでした。


足込小学校7
正面玄関には、ボーイスカウトが記念に残した、

カラフルなトールペイントが飾ってありました。


足込小学校4
反対側から撮った校舎の全景


足込小学校6

「洗心」の文字が刻まれた石碑は、

昭和61年度(1986年)の卒業記念とあります。

当時も卒業生は3名だったようです。



校舎の脇に小さな渓流が谷底へと続いています。

錆びた水車は、止まったままでした。


足込小学校5
黒御影の小学校跡記念碑

奥三河ではこのタイプが多いようです。




足込小学校9
足込(あしこめ)小学校(1990年閉校)

深い山に囲まれた小さな集落にある学校です。

校舎の前は、崩落防止のコンクリートで法面が固められています。

表側は少しスペースはありますが、裏側は急な崖のため

防護フェンスで仕切られております。

集落の奥に続く県道430号は、数km先で行き止まりとなっています。


御園小学校1

県道74号をさらに北上し、足込地区から御園地区に入ります。

次の目的地は、ここから脇道を入ったところにあります。

「花まつりの館」の立て看板が目印です。

奥三河の御園は、花祭(国指定 重要無形民族文化財)などの

伝統芸能の里としても有名です。
この花祭は、遠く平安・鎌倉時代から700年余りも脈々と受け継がれており、

雪の舞う・冬の夜(11月第2土曜日)赤々と燃えさかる篝火の中、

夜を徹して20時間も舞い続けられるそうです。



やや黒くすすけた鉄筋校舎が、展示館となっています。


御園小学校4

小学校跡記念碑が目の前にありました。

判り易い。


御園小学校3

玄関前にユニークなトーテムポールが池に立っています。

手前のは、1984年度の卒業記念作品です。


御園小学校5

女生徒がバレーボールを胸に抱えて、空を見上げています。

服装から、昭和40年代前後の記念作品ではないでしょうか。


御園小学校7


御園小学校6

数々の記念オブジェ以上に、目を引いたのは

可憐な睡蓮の花です。

丸い葉に切込みが入っているのが

蓮と異なる特徴です。


御園小学校10

御園(みその)小学校(1990年閉校)

裏に進んで、校庭から撮った校舎の全景です。

表より綺麗に見えます。


御園小学校8

満開のツツジも、睡蓮に負けず咲き誇っています。


御園小学校15

日時計もあります。

これも卒業記念作品でしょうか。


校庭奥の草木に立つ二宮尊徳像


御園小学校9
校庭の向こう側に、珍しい屋根の体育館が見えます。


御園小学校11
ここは、震災地・福島の子供たちに元気になってもらおうと

支援団体が企画したサマーキャンプの会場のひとつに

なったそうです。(2013年8月5日~19日)


御園小学校13

天体観測ができるドーム屋根が特徴です。

UFOの基地みたいで興味深いですが、

学校の施設にこのような天体観測所が設置されているのは

大変珍しいと思われます。

標高650mに位置する御園では、全国屈指の澄み切った夜空を眺めることが

できるそうです。

山の向かいの「スターフォレスト御園」ができるまでは

ここから星空を観測していたそうです。


御園小学校12

体育館の奥に、平屋の建物がありましたが、

講堂と思われます。

増設により、屋根瓦や外壁の色や窓の構造が異なっています。