ひぐまブログ-リクルート事件・江副浩正の真実  Amazon→リクルート事件・江副浩正の真実


著者:江副浩正
発行中央公論新社(2009年10月)


わたしが小学校高学年くらいのときにいわゆるリクルート事件が起きたわけですが、
その当時何の事件なのかさっぱりわからず、江副氏を悪そうに映し出すテレビを観ていた
記憶があります。

本書を読んでも、江副氏本人が書いているからなのかもしれませんが、
挙句に首相が退陣するほどの大きな事件になるべきものだったのかな、と疑問です。
退陣はしたけれども起訴されなかったわけですし。
「値上がり確実な未公開株」っていうのも結果論のような気がしますし。


やはり検察官の取調べは、自分の考えたストーリーありきみたいな感じで、
検察のメンツみたいなものが事件を必要以上に大きくしていったようにも思えてきます。
検察官と著者との間で「嘘をついたな、土下座しろ」みたいなやり取りもあったようで。

担当検察官は著者への取調べの際に「自民党2名、野党1名をあげたい」と明言していたようですが、
その数字の根拠は「バランス」だったとか。
本来であれば利益供与を受けたとされるすべての人を起訴してやる、
くらいの意気込みがあってしかるべきだと思うんですが。

結局は自民党・藤波氏、公明党・池田氏が有罪となるわけで、自民党2名には至らないものの
この2人がスケープゴートにされ、その他濡れ手に粟の人々は事なきを得る。
「今日のとこはこれぐらいにしといたろか」といったところなのでしょうか。

マスコミも含めて中途半端な正義っていうのも問題ありだと思いますね。
起訴まではいかなくとも政治生命は絶ってやったということで満足しているのかもしれませんが、
やるならとことんやれよって。
そりゃ、誰かしら有罪に持ち込めば検察のメンツは保たれるし、
事件となれば新聞は売れるし選挙となればもっと売れるし。
これってマッチポンプ?

今までスキャンダルやら何やらで政権がいろいろ変わってきて、
そのたびに時間と労力と税金が使われているわけですし・・・

鳩山政権も早くもいろんな火種を抱えていますけれども、
ちょっとのことには目をつぶってドーンと構えて
任期までやらしてみたったらええんとちゃいますか?
選んだ国民にも責任があるわけですし。
もっと大事な問題がたくさんあるわけですし。