今週は勉強ウィークでした。


水曜はNYから来日している財務面のO師匠と屋形船にて勉強会


木曜は僕の「志を以って万物の源となす」という思想的骨格を作ってしまったS師匠と横浜・中華街で勉強会で


間逆の価値観を持つお二人からいろいろ学んできました。


今回はO氏の教えに少し触れたいと思います。


O氏とはもう10年のお付き合いになるのですが、


世界経済の動きをほぼ当て続けているのがこの方です。


そしてモノの考え方が常識的ではないのですがとても当たり前かつ適正で


核心をついていて会社経営をする上で知っておくべきことを


歴史上の事実などもふまえて議論させていただいております。


NY郊外のご自宅にもお伺いしたことがあるのですが、


ウォーレン・バフェットとはまではいきませんが、


1000億円以上を動かしている方の自宅とは思えない質素倹約で堅実な生活をされている方でもあります。


僕がちょっとした距離でタクシーを乗らないのも


「お金を払って、なんで不健康になってるんだ!疲れたからタクシーに乗るという人間は、自分にだらしなくて、そんな人間はロクなもんじゃない」


というO氏の教えから来ています。


話は戻って、


僕がこの人を師匠にしようとおもったのはO氏にヤマダイ食品の財務諸表を検証してもらったのがきっかけです。


O氏が財務系の本を出版するから匿名で財務データを本に載せさせてくれ!という依頼をいただきました。


その代わりタダで財務諸表を診断してくれる・・・という条件付きでした。


NYの敏腕ファンドマネージャーがタダで診断してくる!?という条件にのって


当時の直近5期分の財務諸表を開示させていただきました。


その提出した決算書たちは全ての期で黒字決算・成長維持していましたし


僕も財務には強い自信があったので「それなりに評価されるだろうな」と心の中で思っていました。


数日後、O氏から診断結果がきたのですが、それを読んで笑ってしまいました。


「この会社は2年以内で資金不足で調整がとまり、非常に厳しい状態に陥る」というものだったんです。


この出来事は2003年だったと思います。


「この人、何言ってんの?僕は意図があってやってるんだから、そんなはずない」


と思わず言ってしまったのを覚えています。


そして2年後、僕が間違っていたことを思い知らされたのは言うまでもありません(苦笑)


そこで改めてO氏の著書を読み返し、


そこに書かれていた、あの時の自分にとっては屈辱的な策を実施し、


結果として会社の経営が安定を手にいれました。


2007~2008年にかけてこれまたうちが厳しかった年にもO氏の教えを実践して


難局を乗り切ることができたのも事実です。


今では、そんなこともあったような・・・という強い体質になってきていまして、


2003年には想像すらできなかった自分とヤマダイ食品を手にいれることができた、、、恩人でもあります。


勝手に弟子になってからは少しでもO氏の見識を手に入れようと


お会いする度に質問攻めをしまくっています。


O氏はNY在住のファンドマネージャーでして、


このブログの読者の皆さんはご存知の通り、


ここ10年くらいの世界経済の動きをほぼ当て続けている方です。


サブプライムローン問題や欧州のソブリンリスクについても早くから指摘されていました。


今回は屋形船という少々苦手がロケーションではあったのですが


これだけ世界経済が荒れてきているだけに渋々ながら勉強会に参加させていただきました。


「お前はバカだな」と言われる覚悟でアレコレ質問攻撃を浴びせて


「なるほど・・・」をたくさんゲットしてきました。


例えば「ギリシャ債務問題でドイツとフランスがどうしてあれだけ揉めているのですか?」


という質問にも明確に「ギリシャ国債がデフォルトして困るのがフランス。ドイツはそうでもない。それだけのことだよ」


と答えてくれました。


よくわからなかったので「どうしてですか?」と質問すると


「バカだな、、、ギリシャやスペイン、イタリアの国債をフランスの大手銀行たちが大量保有してる。


その保有している国債がデフォルトになってしまってはフランスの大手銀行がリーマンと同じ運命になる。


そうなっては大変だからフランス政府は躍起になって何とかしようとしているんだ」と。


為替についても


「世の中が円高が続くムードになってきたので、そろそろ円安にふれますか?」


と言う質問にも予想外の答えが返ってきました。


そしてO氏が5年以上前から


世界経済は「ホップ、ステップ、ジャンプ」という具合に調整(崩壊)すると主張されており、


そのホップがサブプライム問題などの世界金融危機(これはすでに起こりました)、


その次のステップがいまの欧州ソブリン危機(これはただ今現在進行中で2013年くらいに収束?)、


とホップ・ステップが予測通りになっていて


5年前は「まさか、そんなことありえるんですか?」と若干冷やかし気味にO氏の主張をきいていた僕ですが、


さすがにここまでくるとジャンプもあり得ないことではない気がしていますので


「ジャンプに対しての見識は変わりませんか?」という質問をしました。


答えは「まあ、そうだろうな」という軽い感じでしたが、


これは日本が相当厳しい環境に置かれてしまうことになってしまうだけに、、、


事業を継続させるためにはもちろんですが、


従業員を全員守るためにも、かなりちゃんと備えないと・・・と改めて思いました。


2005年にO氏が想定していた


ホップの舞台はアメリカ、


ステップの舞台は欧州、


そしてジャンプの舞台は日本・中国なんです。。。


まだ刺激的すぎてここでは書けませんが、


社内総会などではこの話を5年前から当時は嘘みたいな今の現状も話をしてますし、


日本・中国の2013~2015年の想定される状況も話していますから、


気を引き締めて粛々と準備を行っていこうと思います。



そして最後まで読んでくださった方だけに


O氏からの教えをひとつ伝授させていただきます。


それは僕がO氏に


「O先生、10年間ほぼ勝ってますよね。だからO先生っていう勝ち馬に僕は乗るようにしてます」


と話した時に教わったことです。


「なるほど、勝ち馬に乗るっていうのは大事なことだね。ただし、勝ち馬も勝率が10割ってわけじゃない。


たまには負けることもある。だから勝ち馬に乗るよりいいのは、負け馬に向かうことだ。


僕もどうしようか迷うときはある。その時には必ず電話する相手がいる。そいつのもっともらしい意見をきいて、


僕はその逆を選ぶ。いわゆる『曲がり屋に向かう』ということだな。勝ち馬に乗るよりこっちの方が勝率はいい!


だって間違うヤツはいっつも間違うから。たとえばD証券のMさんとか、、、(笑)」


投資の格言に「曲がり屋に向かえ」という言葉がありますが、


これは経営でも何でも言えることかもしれません。


いつも負ける人を見つけておく・・・というのも投資や事業をする上でとても大切なことですよね。


さすがにそれがどの会社のどの経営者なのかはここでは書けませんので


またお会いした時にこっそりきいてください。



それでは、皆さん、素敵な三連休をお過ごしください。