必殺仕事人Ⅴ 激闘編 巳之助
演-伊庭 剛
外道仕事人配下の仕事人。
町中で襲った弐に、逆に手傷を負わされた際の「上方の仕事人に逆らわん方がええで」という台詞は、どう聞いても負け惜しみです。
結局、弐に仕置されてしまいました。
得物の剃刀が、なんとも心許ない。
オープニングのナレーションに注目してみましょう。
寂しさに宿を立ちいで眺むれば
空に真っ赤な雲の色
この世は真っ赤な嘘ばかり
嘘と悪とで押しつぶされた
お前に代わって悪人どもを
真っ赤な血潮で染め上げましょう
仕事が済んだその上は
これやこの行くも帰るも別れては
知るも知らぬもお前と私
仕事人の掟でござんす (声:芥川隆行)
文字数の多い部類に入るナレーションですよね。
それもそのはずで、文中にはアレンジを加えた和歌が二つも盛り込まれているのですね。
激闘編 寂しさに 宿を立ちいで 眺むれば 空に真っ赤な 雲の色
和歌 寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮れ
この和歌は小倉百人一首の中の物で、作者は蝉丸。
激闘編 これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも お前と私
和歌 これやこの 行くも帰るも わかれては 知るも知らぬも 逢坂の関
この和歌も小倉百人一首からで、良暹(りようぜん)法師の作です。