『必殺2 ブラウン館の怪物たち』
おりく 演-山田五十鈴
本編では、山田五十鈴演じるおりくは、猿谷町の元締に先手を打つために途中で江戸に戻り、終盤でワンシーンのみ登場でした。
脚本の決定稿では、ブラウン館での死闘に参戦し最後まで出演している。
このあたりはスケジュールの都合でしょうね。
裏社会の知古も多く、主水をして元締と呼ばせた仕事人で、2人の相互信頼も厚いようです。
温厚な人柄で弟子や取引先も多く、郭(くるわ)で女郎に三味線を教えることもある。
せんとりつの小唄の師匠である勇次とともに、中村家に堂々と出入りできる仕事人ですね。
っていうか、この2人以外に、中村家に出入りした仕事人って……同じ八丁堀同心の渡辺小五郎だけ?
三味線の天神(糸巻き部分)を、相手の首や肩口に引っ掛けて引き寄せ、喉笛をスパッと切り裂く。
この部分で敵の攻撃を受けたり、いなしたりもする。
前作「仕切人」の頃より、バラエティ番組の構成を参照した、演出・作劇手法が顕著になりましたよね。
一部視聴者や古参の現場スタッフ、放送関係者の間からは、否定的な声が上がるようになったそうです。
それはテレビシリーズの視聴率や、本作の劇場版作品「ブラウン館の怪物たち」の興行収益の面にも如実に現れるようになった。
本作も初動の観客動員数は好調だったものの、映画タイトルにも反映された、当時のテレビの人気番組の要素を多分に取り込んだ奇想天外なストーリー展開が不評。
結果的には、前作の「必殺!」を下回る興行収益に終ったそうです。