『必殺5 黄金の血』
飾り職人の秀 演-三田村邦彦
殺しは美しい所作を思わせる。
身軽なため、仕事の時は先陣を切ることが多い。
無口で仕事一筋に見える秀だが、最低限のご近所付き合いはこなし、職人仲間や友人も意外と多いのです。
注目すべきは結構派手な女性関係でしょうか。
主水たちと出会う前には、年上の愛人がいたが死別している。
その後も拉致されたり暴行された娘などに過度に感情移入したり、探索中の女と後先考えず肉体関係を持ったり、幼馴染の女性が次々と現れたり……。
果ては、異国人や標的である悪女に気に入られたりと、恋模様は多色刷り。
女性問題で仲間を危機にさらすことがあり、そのたびに主水たちをやきもきさせていました。
一時、秀は仕事人の足を洗っていたが、愛人の死をきっかけに仕事に復帰。
「仕事をしたあとはスカッとして何も残らねぇ」というように、裏稼業は鬱屈した気持ちの拡散方法と考えていた。
が、主水たちに出会い、仕事人の本質に触れるにつれ、その考え方も徐々に変化していくのですね。
秀の仕事スタイルは、ひたすら躍動の一言に尽きるでしょう。
戸板や障子を突き破り、颯爽と殺しの場に躍り出て、標的と格闘する姿は番組初期から後期まで一貫しています。
ただ殺しの衣装は、次第に洗練され、華麗なものにかわっていく。
秀の代表的な殺しアクションとして、背後から忍び寄り、あるいは殴ったり蹴ったりして相手の戦意を喪失させた上で、首筋の急所を差して息の根を止める。