必殺仕事人2007 中村主水
演-藤田まこと
劇場版第6作『必殺! 主水死す』において、主水は敵との死闘の果てに爆死してしまいます。
しかし、その約10年後に製作・放送された本作では、何事もなかったように普通に登場しており、その経緯は説明されていません。
前回、紹介した〈主水、大奥に参上!〉では、「舞台でも映像でも、中村主水を演じるのは今回の明治座が最後。絶対に他ではやりません……」と語っていました。
藤田まことが演じる主水を見ることは二度とない、と心の底から思っていましたからね。
いずれ、藤田まこともお亡くなりになられる時が訪れて、そうなったら必殺シリーズの特集でも組まれて……。
その程度のことだと思っていました。
この『2007』の放送は、まさかまさかの出来事でした。
ファンにとっては中村主水の復活は嬉しいかぎりで、どれだけこの日を待ち望んでいたことか。
しかも、パチンコの制作発表や、DVD発売記念や、そういった単なるイベントに登場ではなくて、新たな必殺シリーズの中で、主水の活躍を見られるわけです。
もはや引退を翻した経緯など、どうでもいいわけですよ。
『2007』放送前には、「主水は映画で勝手に殺されてしまい、だからテレビでは(以前のようにまた)登場させる」という主旨のスタッフコメントもあったようです。
必殺シリーズにおいては、亡くなったはずの人間が、別のシリーズやスペシャル番組で復活することはままありますよね。
南町奉行所の定町廻り同心をお役御免となり、作中では書庫番に配置換えとなっていました。
仕事人としても半ば引退したような状態でしたが、仲間が仕事について声を掛けなかったのが、いささか不満な様子。