「大老殺し 下田港の殺し技 珍プレー好プレー」 中村主水 | 聖 神吾 hijiri-shingoのブログ

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ミステリー作家です。
本来であれば、作家活動の記事をアップするところなのですが、そう毎日毎日ネタもなくて……。
半分、趣味の内容になっています。

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「大老殺し

  下田港の殺し技 珍プレー好プレー」

中村主水 演-藤田まこと
 
引退と復帰を繰り返している主水ですが、その復帰の理由は様々。
 
元締に説得された、気にかけていた女の最期の頼みを聞いた、昔の仲間と出会って自分から誘った、仲間を売った裏切り者を始末するため、などがある。
 
何度、足を洗おうが主水は裏の世界では有名人で、周辺には常に同業者たちの影が見え隠れし、主水の復帰をうながす。
 
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引退の理由は仲間の死が最多。
 
ほかには仲間の家族の死、仲間に探索の手が伸びるなどがあり、いずれの時も主水は仲間を失う悲しさや後味の悪さを味わっています。
 
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仕留人時代までは、ある意味「正義感」のみで仕置きをしていました。
 
が、仲間の死を何度も撃したことで、正義感や個人の感情などに捉われては、「仕事」は成り立たないことを悟っていくようになるのです。
 
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その後は、プライベートや仲間・他人の事情とは距離を置き、舞い込んだ依頼は標的を誤らないように裏付けを取り、私情を交えず遂行します。
 
誰の恨みも買っていない善良な人を金目当てで殺す、いわゆる『外道仕事』はやらないことを基本方針に、裏稼業を続けていきます。
 
ただし、ベテラン格になって以降も、自身の知人・友人、幼い子供が悪党の犠牲になった場合は感情を露にすることもありました。
 
また身内を巻き込まないよう、彼なりに最低限の努をしている姿も見られましたね。
 
 
「俺は誰も信用しねえ」と、よく主水が口にする言葉ですが、実際は仲間を逃すために左遷を覚悟したり、仲間の死を忘れずにいたりと、かなりの仲間思い。
 
主水がもっとも嫌うのは、「地獄への道連れである仲間」を危機に陥れる身勝手な行為。
 
これを守れなかった仲間が、よく主水に殴られていましたね。
 
主水は極めて利己主義あるいはドライに見えて、実は誰よりも仲間のことを思い、そして家族愛も強いのです。