『必殺仕掛人 梅安蟻地獄』 音羽屋 半右衛門 | 聖 神吾 hijiri-shingoのブログ

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ミステリー作家です。
本来であれば、作家活動の記事をアップするところなのですが、そう毎日毎日ネタもなくて……。
半分、趣味の内容になっています。

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『必殺仕掛人 梅安蟻地獄』
音羽屋 半右衛門 演-山村 聡
 
元々は池波正太郎原作の『仕掛人・藤枝梅安』シリーズ以外の作品で元締として登場し、仕掛人の好評で梅安シリーズに逆輸入された人物です。
 
表稼業は口入屋「音羽屋」の主人で、温厚実直な性格の上に、一種のダンディズムすら感じさせますね。
 
裏では江戸の暗黒街にその名をとどろかせ大元締で、配下の仕掛人に対して仕事の幹旋をしています。
 
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若い頃から裏稼業に手を染めていたが、ある時、依頼人の裏切りにあい、奉行所に捕らわれた経歴がある。
 
過酷な拷問に耐えて仕事の仔細を隠し通した彼は、証拠不十分の末に島送りになったのです。
 
この為、理不尽な権力のありようと島者への差別意識には、今も強い嫌悪感を抱いています。
 
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闇の稼業ながら殺しは正道で、得た金は世の為人の為に使うそうですよ。


「ワシはね、この世の中に生きていても仕方がねえ、生かしておいては世の中のためにならないでないと殺しませんよ」の信念の通り、誰彼かまわず殺す外道仕事は行わない。

 
依頼人が私利私欲のために、半右衛門たちを利用したと判明した場合は、仕掛料を返却した上で、自ら依頼人を殺すこともあるのです。
 
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原作のテレビ化にあたって、スタッフは殺し屋のキャラを「ホームドラマのできる安心感のある俳優」で固めることにしたそうです。
 
テレビというメディアが日常性のあるものであり、それを感じさせる俳優が、裏表の顔を使い分けるといった面白さを狙ったのです。
 
音羽屋半右衛門に優しい山村聡を起用したのは、まさにその方針あってこそでしょう。
 
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劇場版の2作目なのですが、ここにファン待望のテレビシリーズのオリジナルキャスト、緒形拳、林与一、山村聡の「必殺カルテット」が実現しました。