今回は秋学期に受けた社会言語学の授業の話。

大騒ぎした授業の組換えの翌日、私はISSで紹介された授業に行きました。
授業の名前は Japanese language in Society
日本語に関する社会言語学...という感じの授業ですね。
日本における方言や、日本手話、日本における在日の方の生活、日本における英語教育などなど...
言語学とひとくくりにしてしまうことはできないほど、テーマが多岐にわたっていました。

教授はアメリカの大学を卒業後、日本でALTや、英語教育の指導主事(?)をなさった方で、日本語がとても堪能な方でした。が、もちろん授業はすべて英語です。

とても優しい方で、授業2回分遅れてクラスに入った私を温かく迎え入れてくださいました。
前の授業がトラウマとなっていたこともあり、私は完全に委縮していたのですが、本当に温かく、「あー、この先生のもとでなら、のびのびと勉強することができる。頑張ろう!」と心から思ったことを覚えています。留学に来てから、孤独感と居場所のなさにまいっていた私でしたが、やっと自分の居場所と思えるところを見つけたような気がしました。

では、具体的な内容について...
授業はまず、あらかじめオンラインでアップロードされた論文を読み、それに付随して教授が作ったQuestionに答えていくことが宿題として課され、そのうえで同じ内容について授業で教授がパワーポイントを使って解説します。
論文は、もちろん回によってばらばらですが、だいたい10ページから30ページくらいかな...
質問も12から15問くらい。
それを月曜日と水曜日の授業までにやっていきます。
私は読むのが遅いので、最初のうちは、水曜日の授業のための宿題をやるのに火曜日丸一日使ったりしていました。
でも慣れてくると、すこーしずつペースが上がってきたような、きてないような...
最初の頃に比べれば、少しは楽に読めるようになったんじゃないかなーなんて思ってます。

大学での「宿題」というのが、まず新鮮なことでしたが、先生は、宿題として出さないとみんな読んでこないから...とおっしゃっていました。
確かに。
私も日本では、教科書を読まずに授業に行くということは結構やってました(笑)
アメリカの学生は勉強して、日本の学生は勉強しない、という話をよく聞きますが、まず「宿題」という制度がその状況を作ってるのかもしれませんね。
宿題だったら、やっていかなきゃいけないもんね。

それが毎回の宿題として...
そのほかに2回のミニ・プロジェクト、1回のプレゼン、中間・期末試験がありました。
ミニ・プロジェクトは数人の人にインタビューして、その結果をレポートにまとめるというもの。
最初の課題は日本人にインタビューすれば良かったので、そんなに大変ではなかったものの、2回目は日本人以外にもインタビューしなければならず...
超人見知り人間の私としては、非常に大変な課題でした。
が、何とかインタビューする人を見つけ、課題をこなすことができました。

インタビューを終えて寮の自室に戻った時、
思わず「よくやった。よく頑張った。」と声に出したことを覚えてます(笑)

そんなこんなで、心臓がひっくり返りそうなくらい緊張したプレゼンも何とかこなし...
2回の試験も、これでいいのか?という感じの出来でしたが...
とりあえずは満足のいく成績をいただくことができました。

やっぱり日本のことを勉強するというのは面白いことだなー、と感じました。
自然と興味が持てるから勉強にも身が入るし、分からないことがあれば日本語の文献も使えるし。
授業なにとるにしても怖くて、選べない...
という私みたいな方がいる、かどうかはわかりませんがもしいたら、日本に関する授業をとることはおすすめです!

とはいえ、私がこの授業に身をいれることができたのは、
ひとえに温かい先生と温かいクラスのおかげだったと思います。
このクラスは私を排除しない、ちゃんと認めてくれる
そう思えただけで、毎回の課題や試練のインタビュー&プレゼンもこなすことができたと思ってます。
あらためて教授には感謝してます。

さて...
明日から新学期です。
今現在...
ほんとうに緊張してます

新しい環境って本当にダメなんだよね...
秋学期も完全に慣れるまで1か月くらいかかったし...
今期はもうちょっとスムーズに授業に入れるといいなー

というわけで、
これからどのくらいのペースで留学日記を書けるかどうかはわかりませんが、とりあえず頑張ります。

あー、胃が痛い...
今回は、担当アドバイザーさんとの話の話。

授業登録を変えたいとISSオフィスに駆け込んだ翌日、私は担当のアドバイザーの方と直接お話しをしました。前日に私の話を聞いてくれたスタッフの方々が、概要を伝えておいてくださったようで、アドバイザーさんも私の授業登録を一緒に考えてくださいました。

前日、決めた授業は2科目10単位。
留学生のビザの要件として、フルタイムの学生は1学期間に12単位の授業を登録しなければなりません。そのため、もう一つ授業を登録する必要があったわけです。
その後、しばらくアドバイザーの方と色々と授業や生活について話し合ったわけですが...

最終的に、彼女は私に授業を10単位にすることを提案しました。

本来の留学生の要件は12単位。しかし、特別の事情がある学生に関しては、大学の該当スタッフの方の申告書類があれば、12単位以下の登録も認められるようです。

彼女は私に、私がまずすべきことは、こちらの生活に慣れることであり、そのためには、授業数を減らすことも一つの選択である、ということを言いました。
授業を二つにすれば、その分空いた時間が増え、その時間で十分に予習復習ができる、彼女はそう言って、担当の方に書類を書いてくれるようお願いしてくださいました。

私も最初は、その提案を受け入れるかどうか迷いました。
他の人が頑張っているときに、自分だけ楽するのがいやだった。
ですが、最終的に私も授業数を減らすことに決めました。
今自分がやるべきことは、とにかく自分の精神状態を安定させること。
自分が納得のいくレベルで授業についていくことができたら、心理的ストレスはかなり軽減されます。一学期目は、こちらの生活に慣れることを一番の目標に、少ない授業数からスタートすることに決めました。

その結果、私の授業は2科目10単位。
秋学期が終わった今、この選択は最良のものだったと思います。
のびのびと授業に取り組むことができ、納得のいく成績をとることができました。

誰かに相談することの大切さを身に染みて感じた一連の出来事でした。

つけたし...
アドバイザーの方はさらに、私の状態を見て、まずはホームシックを治すためにカウンセリングに通うことを薦めました。一緒にカウンセリングのオフィスに行ってくださり、最初のカウンセリングの予約を取ってくれました。
何から何まで面倒を見てくれたアドバイザーの方には、本当に頭が上がりません。
あと5か月間、これからも何かとご迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします!

授業登録の話、終わりー!
前回に引き続き、ISSに駆け込んだところから...

文字通り、駆け込みました。なぜかというと、ワシントン大学では授業開始1週間後の登録変更には20ドルかかるから。(でも、授業なんて一週間一通り受けてみないと分からないんだから、もうちょっと期限伸ばしてほしいなー、なんて思ったりして...笑)

もう自分ではどうすることもできなくて、とにかく誰かに助けてほしかった。
そこで留学生のアドバイザーの方に会うために、オフィスに行きました。
...しかし、アドバイザーさん、その時風邪でお休み。
オフィスにいた別の方に、明日になったら会えるよ、と言われたのですが、
授業変更の期限が迫っていること、どうにかして授業を変えたい、ということを単語を並べただけで伝えると、さらに日本語が分かるというスタッフの方も連れてきて、彼女も交えて話を聞いてくださいました。

今思えば恥ずかしいですが、私はこのとき泣きながら現状を話していました。
リーディングをこなせない悔しさ、心を傷つけられた出来事、それまでの一週間の苦しさを思い出すだけで自然と涙が出ました。
話を聞いてくれた方も、私のただならない状態を見て...かどうかは分かりませんが、色々なところに電話をかけて、私の新しい時間割を組むために奔走してくださいました。

その結果、私の新しい時間割は
韓国史...80分×週3回、5単位
日本語に関する社会言語学...110分×週2回、5単位

そしてその後のことは、翌日担当のアドバイザーさんと話して決めることにしました。

次の日の話に移る前に...
このとき私の相談にのってくれたスタッフの方には心から感謝しています。
授業についていけないなんて、自分勝手な相談をしているのは重々承知していました。
しかしスタッフの方たちは、私の話を聞いてくださり、教授に直接電話をかけて、私を受け入れてくれるようお願いまでしてくださいました。その後、教授から聞いた話では、授業が始まったのちも、私の様子を教授に確認してくれていたようです。

留学生が最後に頼れるのはこういった留学生のためのオフィスだと思います。
私にとって、ISSに駆け込んだのは最後の賭けともいえる行動でした。
授業についていけないと泣きつくなんて、普段日本にいたら決してしないことです。
それでも9か月間、文字通り、生き抜くためにはこうするしかない、と思い切って私はISSに行きました。
誰かに外国語で助けを求めるのは非常に怖いことだと思います。現に私も今だって十分怖いです。
ですが、その怖さを一瞬だけ乗り越えれば、良い結果を得られると思います。
他の大学も同じでしょうが、ワシントン大学のISSのオフィスの方は非常に親切で素敵な方々です。
ちょっと感情的になりましたが、これが私の経験から言えることだと思います。

長くなっちゃった...
次の日の話はまた今度(笑)