「真夜中のテレフォン

             君からのテレフォン



                     真夜中のテレフォン/THE BLUE HEARTS」



河ちゃん・・・。




何かいきなりクラシック彼女から電話がかかって来た。


この人からの電話っていつもロクなことじゃないんだよね、ホント。


「はい」と電話をとる僕


「あ、昨日ロック彼氏と電話してたら、あいつマジックマッシュルーム


 やってるって言ってたんだけどホント!?」


・・・。


・・・。


あぁ、昨日のアレかぁ。


(詳しくはおとといの日記を参照)


冗談でロック彼氏にMMでラリって壁に頭ぶつけた”って言えって


アドバイスしたら、ホントにクラシック彼女に言ったのかよ!!


しかも電話で。。。


「ねぇ、本当にアイツMMやってんの、ねぇ!!」


おいおい、クラシック彼女 泣きかけてんぞ


こういう時って、どうフォローすればいいんだい、


これを見ているそこのキミ、教えてちょーだい。


「うん、やってないんじゃないの?」と僕。


「何で私が聞いたのに逆に聞き返してんのよ!!」


やべ、怒ってる


「やってないよ、断じてやってないから、ウン」と僕。


「だって、もう・・・アンタの言うことって何か信じらんないもん!!」


「じゃあ、最初から俺に電話すんな――い!!」


「ごめん、言い過ぎたゴメン。じゃあ、やってないのね?」


「やってないって、冗談でしょうよ」


「よかった・・・。


 とか言いながら、実はアンタがやってたりしてね(笑)」


その言葉が妙にカチンときたので


「そうなんだよ、毎日MMでノリノリだぜ、


 キャッホー!!


と言ったら、いきなりクラシック彼女が電話を切った。


ツーツー。


と悲しい音が流れた。





アパートの自分の部屋にいると、隣のロック彼氏の部屋から


いきなりドン!!という大きな音が聞こえてきた。


やれやれ、またロック彼氏の野郎がロックをかけ始めたかと思ったけど


「ドン!!」という音一発限りでそのあと音沙汰がない。


いつもうるさい音で音楽をかけているロック彼氏に対してのテロかと思ったけど


やるならもっと徹底的にやってもらいたいもんだねぇ、


部屋がぶっ飛ぶくらいに。


もしかしたら、マジックマッシュルームをやって発狂したのかもしれない。


発狂して暴れているのではないか!?


かの筋肉少女帯のヴォーカリストの大槻ケンジ先生は


むかしMMでえらい目にあったそうな。


大槻さんがエッセイの中であれほどMMを危惧していたにもかかわらず


ロック彼氏はそれに手を出したのだ。


ここは、友人として助けてやらねば!


すぐさま部屋を出て、隣のロック彼氏の部屋のインターホンを押す。


「はぁい」と間抜けな声がして、ロック彼氏がドアを開けた。


「大丈夫か!?」と僕。


「何が?」


「さっき、ものすごいデカイ音がしたからお前がマジックマッシュルーム


 ラリってるのかと思ったんだよ!!」


「ん?アハハハハ!!MMって、アハハハ!!」


「ホントにやってんのか!?」


「いやいや、あの音はね。俺が壁に頭ぶつけたの」


ロック彼氏が指差したところの壁がほんのちょっとんでいた。


「音楽聴いてて、それにつられてエアギターしてたらバランスくずして・・・


 ちょっと、酔ってるし・・・俺」


「はぁ?音楽きいてた?ヘッドホンしてたのまさか」


「うん、たまにはヘッドホンもいいかなって、でもやっぱナシで聞くのがいいわ


 ヘッドホンだと何かウズウズしてエアギターやっちゃう(笑)」


「・・・ふー、どんだけーだわホント。


 まぁ、ラリったとかじゃなくてよかったよ。でも、このヘコみはどうする?


 つーか、他の人が見たときにどう説明する?彼女とかに」


「流石にさ、エアギターやっててフラついて頭ぶつけたとは、言えない。


 恥ずかしいよね」


「あれでいいんじゃない?MMでラリってそうなったて言えば」


「アハハハハ、そうだな そう言うわ!!」


ロック彼氏の笑い顔を拝みたくもないのに拝んだ後


僕は彼の部屋を後にして、隣の自分の部屋へと戻った。


すると、しばらくして隣の部屋から音楽が流れてきた。


どうやら、もうロック彼氏はヘッドホンをしてないらしい。


うるさかったけど、何だかコッチのほうが僕にとっては心地がよかった。





ダイヤモンドの行商人がやってきて、

このダイヤモンドは永遠の輝きをどうのこうのって言うとるけど

せいぜい百年しか生きられん人間に、

永遠の輝きを売りつけてどうするんじゃ。

俺らが欲しいのは今だけです。

                        甲本ヒロト」

この言葉を聞いたときに、1時間くらい泣いてしまった。。。

どうやらクラシック彼女の誕生日が近づいてきたようで

ロック彼氏がなにやら嘆いている。

「一体、何をプレゼントしたらいいんか・・・」とロック彼氏。

「ネックレスとか?」と僕。

「うん、何かネックレスとか宝石とかそういうのが欲しい雰囲気をかもし出してるからね」

「宝石・・・そりゃあ、大変だねぇ」

「何で女子は宝石欲しがんのかなぁ、ホント」

その嘆くロック彼氏を見たときに僕は、この前ネットで見つけて感動した

ヒロトの言葉を思い出した。

(記事の一番上に書いてある奴「ダイヤモンドの行商人~」)

そして、ロック彼氏にその言葉を授けた。

「うわっ、何か響くわ・・・その言葉」とロック彼氏。

「この言葉をさ、クラシック彼女に言ったら?

 そしたら、宝石なんて欲しがらないんじゃない?」と僕。

「そうするわ」

という話をロック彼氏としたのが4,5日前で。

昨日、大学であったロック彼氏が僕に

「あの言葉をさ、クラシック彼女に言ったんだよね」と言った。

「あぁ、ダイヤモンドの行商人がって奴か。そんで?」

「そしたらさ、“誰?”って彼女が言って、俺はヒロトの言葉って言ったら

 “知らない”って一蹴りされた」



6



「・・・・・・・」


「何かね、彼女には響かんかったみたいだわ、あの言葉


 クラシック彼女ずっと興味なさそうだったもん」


・・・。


・・・。


・・・。


クラシック彼女には、クラシック関係の言葉しか耳に入らないのだろうか。


恐るべし、クラシック彼女。





「今日走ってゆく 今走ってゆく


 明日とかわからないし 別にいい


                      紙飛行機/ザ・クロマニヨンズ」



カッコよすぎる、クロマニヨンズ!!




僕はよくロック彼氏とカラオケに行く。


野郎ふたりでカラオケというのもどうかと思うんだけど。


この前、ロック彼氏とカラオケに行ったときに、最後にロック彼氏が


クロマニヨンズの「紙飛行機」という曲を歌った。


これが、かなりいい曲で感動してしまった。


(ロック彼氏が上手かったという訳では断じてない)


「これいい曲だなぁ」と僕は言った。


「うんうん」とロック彼氏が答えた。


「“スーイ スーイ スラララ スーイ スララ”ってとこがいい!!」


「うん、ヘタなキレイ事を歌ってる歌よりは、


スーイスララを100回聴きたい!!」


「そう、まさにそれ!!」


「“明日とかわからないし 別にいい”ってのも最高!!」


「この部分は、泣けてくるわマジで」


「俺さぁ、この曲を聴いた時から“明日は別にいい


 って気持ちで生きようと思った!!」


「そういう風に生きるっていいよなぁ」


そんな会話をしながらカラオケ屋を後にする。


その帰り道に。


「あぁ、そうだ飲みにでも行く?」とロック彼氏に尋ねてみたら


「あ、ダメ。明日は朝一で講義だから、休むとヤバイ


 今日は早く寝るわ」と答えた。


「ふーん」と言った後、しばらくして。


「さっき、明日とか別にいいって言ってなかった?」と聞いた。


「え?うーん・・・それはそれ、これはこれ


とロック彼氏は言い切った。


・・・。


・・・。


それはそれ、これはこれってすっごい便利な言い訳じゃないか!?


なんだかなー。


何がそれで何がこれなんだよ、と思いながら


僕とロック彼氏は夜道をトボトボとアパートまで歩いた。








けっこう前になるけど、クラシック彼女に「クラシック100」というCDを借りた。


というか無理やり借りさせられた。


「ロック彼氏に貸しても、聴かないだろうから」とクラシック彼女は言った。


そりゃそーだ。


ヒマな時に、ディスク1を聴いた。


そして、この前 クラシック彼女にロック彼氏の部屋であった時に


「ねぇ、あのCD聴いてみた?」と聞かれたので。


「ディスク1だけ」と答えた。


「どの曲がよかった!?」とクラシック彼女は興味津々といった感じで尋ねた。


「あの平原綾香が歌ったヤツあるじゃん?」


「あぁ、木星!!あれって、クラシックの原曲に歌詞をつけたんだよ!!」


「うん、なんだかその原曲聴いたら・・・カラオケみたいだなーって」


そう言った瞬間クラシック彼女は急に怒り出して



5

「はぁ!?


 確かに、あのCDの木星は原曲で歌は入ってないけど


 カラオケじゃない!!カラオケってゆうな!!謝れ!!」


あまりに怖かったので、すなおに


「ごめんなさい・・・」と謝ったら。


「ごめんなさいで済むか!!」


とクラシック彼女は言って、僕の頭を叩いた。