非常に久々に銚子に行ってきました。
かなり前に銚子電鉄が経営危機打開策でぬれせんべいを売り始めたと話題になった頃に行ったことがあったのですが、いつだったけと過去の記録を調べてみたら、なんと2006年12月!という訳で約18年ぶりの来訪となりました。
うちの方から行く場合は余程のことがない限り総武線で千葉経由で行くものだと思っていましたが、時間によっては常磐線→成田線(我孫子支線)経由の方が早いこともあるようで、検索したらそのルートが出てきたのでそうやって向かいました。


ただ、我孫子から先は単線なので時間がかかるし、おまけに台風でもないのに爆風が吹き荒れていたせいで成田線に入ってすぐの東我孫子で一時運転見合わせになってしまいました。
幸いすぐに再開するも、単線なので反対側の電車が遅れていれば交換待ちでさらに時間がかかるしで、成田には10分近く遅れての到着となってしまいました。
そして、成田から銚子行きの接続待ち時間が元々4分しかなかったけど遅れてしまったので、これは乗り換えられないで1時間後の次の電車を待つコースになるかと思ったら、色々な意味で終わっているJR東日本千葉支社でもさすがに1時間に1本の電車で接続しないのはまずいと分かってくれているようで、きちんと接続待ちをしてくれて無事に銚子行きに乗り換えられました。


また、成田から銚子も単線だし、一見すると近そうに見えて60km以上もあるので、ここからさらに1時間半近くかかります。

この時充当された車両はクハが空気式ドアの209系2000番台になっている編成でした。空気式ドアの209系は当初全廃予定でしたが、京浜東北線から千葉地区への転用時に先頭車が不足することから18両だけ残り、4両固定編成車の一部がこれになっています。


そして定刻では9:56到着予定だったところ10時過ぎに銚子に到着。
ちょうど東京行きの特急「しおさい」が到着していましたが、ダイヤ改正で「成田エクスプレス」で使われているE259系に置き換えられたばかりで、本来は空港に行く車両がここにいるのは今だと何とも不思議な光景ですが、だんだんと溶け込んでいくことでしょう。


また駅改札前には、これまで活躍していた255系の引退記念のバルーンが置かれていました。
この後は銚子電鉄に乗る予定だけど、次の電車まで1時間あるので駅周辺を散策し、駅北側にある利根川の方へと歩いてみました。駅前の樹木なんかを見る限りだと南国ムードなのですが、今回は寒くてその見た目とのギャップが激しかったのは言うまでもありません。

利根川河口は川幅が非常に広いし漁港があったりしてまるっきり海の雰囲気だし、こんな天候なので川なのに大シケな状態でとても水辺には近づけませんでした。


また、ここは「銚子駅前シンボルロード」という道で、国際信号旗の読みに関する説明と国際信号旗で「CHOSHI SYMBOLROAD」を示した表示があったりしました。


河口付近を見た後は駅に戻りましたが、途中に稲荷神社のような小さな神社があってそこが何と猫のたまり場でした。
但し何匹かいるも1匹しか撮れませんでしたが。


また、「ビジネスホテル近江屋駐車場」と書かれたところに重厚な屋根で玄関周りの窓がステンドグラスになっている非常に渋い建物を発見し、これがそのビジネスホテルなら泊まりたいと思ってしまいましたが、ホテルは大通りに面した側にあったのでこれは違いましたね。
このほか大通り沿いに太平洋沿岸自転車道起点の碑も立っていました。太平洋沿岸自転車道はここを起点とし和歌山市の加太港まで続く1487kmの自転車道とのことです。


駅に戻ってからは観光案内所で銚子銘菓「木の葉パン」の宇宙人型のもの、その名も「宇宙の旅人」を買いました。
木の葉パンは、パンというか柔らかいクッキーのようなケーキのようなものです。そして銚子はたびたびUFOが目撃されたと言われたりUFO召喚イベントなるものが行われるなど宇宙人に縁のある場所というのもあってこういうのを作ったらしいですね。

そして銚子電鉄に乗車。
日中はだいたい1時間に1本なので、1編成の電車が銚子~外川を行ったり来たりしているだけで、今回は青系ツートンカラーの3000形が充当されていました。


これは旧京王5000系で、京王で引退後に伊予鉄道に譲渡され、伊予鉄道で引退となった後に銚子電鉄に譲渡された車両です。銚子電鉄で今現在運行中の車両の中では一番新しいのですが、車内の銘板を見たら「日本車輌 昭和38年」となっていたので既に製造から60年を超えていますし、調べてみたら旧京王5000系の中でも一番最初に製造された車両の一つであることが分かりました。
しかもこれは旧5070系(後に5100系に改番)で、初期製造の12編成は2700系を付随車化したときに発生した機器を流用していたので京王時代は吊り掛け式だったものです。伊予鉄譲渡時に台車とモーターが小田急2200系列か東武2000系の発生品に交換されてカルダン化されるも制御装置は2700系時代のまま(東洋電機ES-556B)だそうなので、なんと70年ものの機器を使っていることになりますね。
なお、この車両の台車とモーターは東武2000系の発生品で、2000系といえばカルダン車だと静かな車両の多かった東武でありながらモーターの唸りが特徴的な車両でしたが、日比谷線直通時代は全電動車と高加速を売りにしていたけど、低速だからか、600Vになっているせいか、電制がないせいか(2700系由来の制御装置に電制が組み合わせられないとのことで、伊予鉄では最初からカルダンだった旧5000系も含めて全車電制なしだったとのこと)、制御装置との組み合わせのせいかは分かりませんが、往年のような迫力あるモーターの唸りはあまり感じられませんでした。


まずは一日乗車券を買って終点の外川まで乗車。


銚子電鉄の各駅はネーミングライツで駅名がおかしなことになっていて、笠上黒生駅なんかは「髪毛黒生」という副名称がついて育毛剤がスポンサーになっていたりもします。


外川駅は100年前の創業当時の駅舎がそのまま使われているというレトロ感溢れる雰囲気が最高ですし、18年前に訪れたときは現役だった旧型電車の800形が保存されていたりもします。


ただ、この800形は以前は車内の公開も行なっていたけど老朽化を理由に公開が中止されてしまいました。
銚子電鉄では事故車両の復旧にクラウドファンディングを活用して見事に復旧させたということもあったので、これもクラファンを利用することで再び公開できるような状態に再整備するのも可能ではないかと期待しています。


ついでに保存車両の横に放置されているおそらく年代物の朽ち果てかけた郵便バイク(多分以前は保存展示していたのでしょう)もレストアして隣に並べてもらいたいものです。


その後は銚子行きの電車に乗って仲ノ町で下車。
銚子電鉄の車庫と工場がある駅で、側線には使用していない車両が並んでいますが、奥に間もなく運行開始予定の22000形が留置されていました。
南海から譲渡された車両で、関西→関東への譲渡というパターンも異色ですが、銚子電鉄では久々に「中古の中古」ではない車両になります。塗装は南海の旧塗装になって車番も南海での登場時の車番に改番されるなど、レトロ感満載なところがいいですね。具体的な運行開始日は公開されていないけど、報道公開なども済んでいるだけに近日中に運行開始するのではないでしょうか。


また、車庫内には小型の電気機関車「デキ3」が置かれていて、以前来たときはボロボロだったけど今ではきれいな状態になっています。


そして、22000形への置き換えに伴って先日営業運転を終了した2000形(旧京王2010系)の1編成はそのまま置かれているけど方向幕が抜かれたりと廃車に向けた動きが出ているようです。


一方、営業運転からは引退したけど事業用車として残されている丸ノ内線カラーの1000形(旧営団2000形)は、一応走行可能ではあるけどボロボロで無残な姿になっていました。
事業用車扱いで残しているということは直ちに廃車解体するつもりはないと思われ、いつか修復して再び綺麗な状態で走らせてもらいたいものです。
なお、日によって車庫見学が可能ですが、今は22000形の整備などでいっぱいいっぱいな状態なのか3月31日までは見学の受け入れを中止しているそうで、4月以降は土日に限り受け入れを再開するそうです。

仲ノ町車庫を見終えた後は外川行きの電車に乗って犬吠で下車。
犬吠駅は南欧調のユニークな外観(犬吠埼と友好関係のユーラシア大陸最西端のロカ岬があるポルトガル風に造られたとのこと)が特徴です。


昼食の時間になったので駅前にある魚料理+回転寿司の島武という店に入りました。
寿司はここの名物というか銚子名物の伊達巻など数品だけ回っていてあとは個々に注文する形になり、取り敢えずその伊達巻を食べてみました。
他の寿司も美味しくいただきました。


食後は歩いて数分の場所にある犬吠埼に向かいました。
途中には高浜虚子など複数の歌人の句碑があり、こういう風光明媚な場所だけに歌人がよく訪れたのだろうと実感しましたね。
犬吠埼では最初に下にある資料室を見学。灯台のレンズなどが色々展示されていました。また、今年はちょうど150周年というメモリアルイヤーに当たるそうです。
資料室を見終えた後は灯台の上に行きましたが、何とか1周してみたけどあまりに強風ということもあって飛ばされる恐怖を味わいながらの見学になってしまいました。


犬吠埼を見終えた後は海を眺めながら駅に戻り、駅舎内にある「銚電写真館 中井精也ギャラリー」を見学。
今昔の銚子電鉄の写真の数々や模型など小さな展示室ながら見応えがありましたね。


そして次の電車まで時間があったので、線路の向こう側にある金色のお堂が特徴的な満願寺も参拝。
犬吠埼のそばということもあって、初日の出を拝める寺としても紹介されていました。
そして外川行きの電車で隣の外川で下車。


駅のそばに猫がいて、これが人懐っこい猫で擦り寄って来るし、撮り終えた後もしばらく猫に追い回されましたね。さすがに連れて帰ることはできませんので、寄ってきて追い回してもくれたのは有難かったけど泣く泣くお別れしましたが。


外川駅からは外川漁港に向かって下り坂になっていて住宅地が広がっていますが、住宅地の隙間から海が見えるという風景には癒されました。
また、坂を上がって駅の方に戻ると線路沿いにおそらく市営住宅の類と思われる2階建ての長屋が連なる古い団地があったのですが、昔の都営住宅を思い出しましたね。


また、外川駅の線路沿いだけど駅舎から反対側に石造りの蔵のような建物があって貸店舗の看板が立っていました。こういう建物を店舗に活用するのは面白いかと思いますが、借り手は見つかるのでしょうか。
この近くで家の窓際だけど猫がいるのを発見。


駅に戻ってからはもう一度801号車を撮ってから、銚子電鉄オリジナルキャラクターシールの「銚電マンシール」のガチャガチャをやってみました。


これは明らかにビックリマンのパクリですし、私が子供の頃にビックリマンの偽物のロッチ「ドッキリマンシール」なるものがあって問題になったこともあったので、時代が時代なら偽物だとか猛批判されるかと思いますが、こういうパロディセンスは個人的に好きです。
そしてこの右上のピンク髪の女性キャラの「ソデヤマ観音」がうちの会社の同じような格好をするのが好きなG氏に見えてしまったので、もしそれが出たらプレゼントしようかとも思ったのですが、出てきたのは「ぬれ煎法師」というキャラでした。
ちなみにソデヤマ観音のモデルは実在の社員らしいですが、本物の写真を見たけどうちの会社のピンク髪の悪の女王もとい観音様とは全くの別物でしたね。


そして銚子行きの電車で銚子駅で下車し、小休止してから成田線の電車で帰路につきました。
帰りもやはり爆風のせいで電車が遅れ、途中で大幅に遅れていた鹿島線からの接続待ちが生じましたし、帰りも我孫子経由にしたらやはり反対側の電車が遅れたことによる交換待ちが生じましたが、何とか無事に帰宅できました。
次はいつ銚子を訪れるか分かりませんが、今回行かなかった場所も沢山あるだけにそう遠くないうちにまた訪れたいと思っています。

今回の日記、その他写真は、こちらにもアップしております。
(1)http://blog.livedoor.jp/silkroad_vx/archives/23850336.html
(2)http://blog.livedoor.jp/silkroad_vx/archives/23850418.html

 

 

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