歯科医師削減の閣議決定がなされた
「コンビニより多い歯科医院」などと表現されたこともありましたが、現在では歯医者さんがコンビニよりも多いことは事実で飽和状態にあります。
しかし都道府県別に見ると、歯科医院が集中しているのは東京をはじめとする都心部。こうした背景を考えると、一概に「歯医者は飽和状態」とは言えず、議論の余地もありそうです。
しかし、事実として歯科医師の削減目標が閣議決定されるに至りました。
参照:公益社団法人日本歯科医師会「歯科医師需給問題の経緯と今後への見解」
18年2月に行われた歯科医師国家試験の合格率は64.5%
かつて、日本が高度成長期と呼ばれた60~70年代は、虫歯の洪水と言われたほど患者が歯医者さんに押し寄せました。
ところが、口腔衛生の意識が向上し、歯科医師の診療を受ける子供は減っているのに、歯科医師の数は増え続けたため2006年に文部科学大臣と厚生労働大臣が「歯科医師の養成数の削減等に関する確認書」を取り交わし、歯学部の定員を削減するよう各大学に要請するとともに「歯科医師国家試験の合格基準を引き上げる」つまり合格率を低くすることにしたのです。
歯科医師国家試験の合格基準が引き上げられた結果、合格率は64.5%、それ以来、歯学部は大変な状況に追い込まれています。
大学の偏差値はピンキリ
歯科医師国家試験の合格基準が引き上げられた結果、いくつかの伝統校を除き歯学部の偏差値は真ん中の50を切っているところが多く、中には30台という信じられない数字の大学もあります。
偏差値だけで実力を判断できませんが、歯科医師国家試験を突破できるだけの基礎的な学力すら足りない学生も多いのではないでしょうか。
だからこそ、医師の資格に着目すべき。
歯学部の偏差値や合格率の低さは、患者側からしても心配です。
国試に合格することで一定以上の知識や技術が担保されるとはいえ、高い技術を持った治療を提供してもらえるのか不安になるのも当然のことかもしれません。
そこで、注意したいのが医師の資格です。例えば、厚生労働省認定臨床研修指導医といった資格や、日本口腔インプラント学会、ICOIやISOIといった国際口腔インプラント学会の指導医・認定医などです。
こうした資格は、指導を行うために必要な能力を有し、7年以上の臨床経験のある医師などの厳しい定義によって定められ、指導を行う役割を担っています。
ただのインテリと経験豊富なベテランどっちを選びますか?
歯科医師になってからも技術を磨き続け、高いモラルを保った歯科医療を提供しているかどうか。納得のいく歯科治療を受けるために特に大事なのは「治療に対する説明をしっかりしてくれる」歯医者さんを選ぶことです。
経験豊富なベテランというだけでなく、長期間経過を観察してくれるような視界を選びましょう。
ちなみに、専門医や認定医といった資格は、学会ごとに異なりますが、多くの学会では「指導医」が最高位の資格とされています。そうした指導医資格保有者のみを集めたサイトを作成しているので、ぜひ参考にしてください。