コロナ禍で、見学が中止されていた「和田岬砲台」(兵庫県神戸市兵庫区)の見学が再開されていたので、先日、「三菱重工」のHPからネット予約申込をして、5/9(木)に訪城しました。かれこれ3年近くも待っていたので非常にワクワクです。

※見学日は、毎月第二木曜日の午前9時30分と10時20分で定員20名です。

 

「三菱重工神戸造船所」正門前集合で、敷地内はマイクロバスで「砲台」前まで移動しました。

 

「三菱重工神戸造船所」正門前 ↓

 

事前の説明では、写真撮影は内部のみとは書かれていたものの、外観の写真は撮れるものと思っていましたが、脇にある説明書きも一切ダメでした。というのも敷地内は、潜水艦製造や原子力、宇宙産業などの国家機密の塊の場所であるので申し訳ないが撮れないとのことでした。

 

その替り、内部の写真はしこたま撮ることができました。国宝「二条城」やお寺の仏像等の写真撮影禁止とは全く逆の対応です。

 

中心となるのは、「石堡塔(せきほとう)」と呼ばれる円筒形の筒でこの中に大砲が設置されていました。周囲は、五角形の「土塁」「石塁」を巡らす「台場」でしたが、現在は「土塁」「石塁」は失われています。

 

「石堡塔(せきほとう)」も古写真(周囲にが「土塁」が見られる、パンフレットから抜粋) ↓

 

1863年に当時、幕府講習所砲術師範役の「勝海舟」の設計に基づいて製造され「石堡塔」は1864年に完成していましたが「土塁」はまだ未完でその後完成したものの、結局、中に大砲が据えられることなく使命を終えたそうです。

 

しかしその「石堡塔」の造りは堅固で、地下の基礎構造は1000本以上の松杭を打込み、その上に暑さ45㎝の「銅木」を置き、更に厚さ24㎝の「盤木」を敷き詰めて、三段の基礎石、犬走石を積上げた上に円筒状に花崗岩の切石を積み上げました。

 

外壁は外国船に目立たないように黒ないし鼠色の漆喰で仕上げていました。現在でも、その一部が壁に貼りついているのが確認できました。

 

内部には靴を脱いで入り、社員の方の詳細な説明がありました。

 

内部は木造二階建てで、一階の半分は土間(土と石灰を混ぜたもの)で、残り半分は棚が並ぶ「火薬室」です。二階には上がれなかったですが、説明によると窓が1カ所と砲眼が11カ所設けられています。

 

1階と2階の平面図(パンフレットより抜粋) ↓

 

二階の床に大砲を据えるので、一階には50㎝前後のケヤキの柱と大きな梁、そして小さな梁が絶妙に組み合わされて頑丈に造られています。また二階には屋上の床をささえる為に当時珍しい鉄製の柱が使用されているそうです。

 

50cm前後の頑丈なケヤキの柱 ↓

頑丈な梁材が複雑に組み合わされている ↓

頑丈な梁材

周囲の柱 ↓

周囲の柱の礎石 ↓

1階火薬室の入口 ↓

「火薬室」内の砲弾棚 ↓

2階への階段 ↓

2階床(井戸水を汲み上げれるように穴が空く) ↓

2階修理後の写真(パンフレットより抜粋) ↓

 

柱と梁を固定した金具や、打ち付けられた金具の大きさ、頑丈さも驚くばかりでした。

 

頑丈な金具 ↓

 

大砲を継続して放射すると筒が加熱してくるので、大砲を冷やす為の水が必要となる為に一階中央に大きな「井戸」が掘られています。そして冷やすために使用される水が二階に溜まらないように、銅製の水管が1階へ繋がっているのも目にすることができます。

 

中央に掘られた「井戸」(海水だったようです) ↓

2階に溜まった水を1階へ流す「銅管」 ↓

 

中を見る限り腐食している箇所は殆ど見られないのは、2009~2014年に木造部分の全解体修理を施し、使用できる部材はそのまま使用し腐食した部分は修理する等をして再組立てを行ったそうです。

 

帰りには、詳細な内容等が記載されたパンフレットをいただき、外の写真が撮れなかったけれども、パンフには古写真とともに現在の写真も掲載されていたので満足できました。

 

「石堡塔」の現在の姿(パンフレットより抜粋) ↓

 

今回は、幕末の外国船の来襲に備え、特に「孝明天皇」が在住していた「京都」を護るべく、「大阪湾」には多くの台場と砲台設置が行われたことを改めて勉強する機会となりましたので、この後、「明石藩舞子台場跡」や「西宮砲台」へ行こうという気分向上のキッカケにもなる訪城でした。

 

※「大阪湾」には「和田岬・湊川崎」「明石藩舞子」「西宮・今津」「舞子」の対岸である淡路島の「徳島藩松帆台場」(ここは確か「ぶらタモリ」でも紹介されていたような)、そして「堺」に配置されていました。

 

 

 

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