「岸和田城」(大阪府岸和田市)訪城の後編です。
「五風荘」入口から見る天守
昨日のブログでは、模擬天守の最上階から俯瞰し西方向を望みました。
今度は南側に目を向けますと、内堀越しに緑豊かな木々の中に「五風荘」という建物が建ちます。この場所は、「二の曲輪」跡で当時は東側から「新御茶屋」「家老屋敷」「御薬園」が置かれていた場所です。
「二の曲輪」跡で「新御茶屋」「家老屋敷」「御薬園」が置かれていた場所
その後「寺田財閥」が買い取り、回遊式日本庭園にした所で、現在建物内は料亭として利用されていますが、庭園は自由に回遊鑑賞を楽しむことができます。
五風荘入口
五風荘の主屋
五風荘の池泉回遊式庭園
五風荘船津橋
次に東側ですが、こちらも「二の曲輪」跡で家老屋敷と御宮が置かれていた場所で、現在は、南大阪では名門進学校の府立「岸和田高校」の校舎が建ちます。こんな環境下で勉強ができるのを羨ましく思います。
東側の「二の曲輪」跡に岸和田高校が建つ
岸和田高校東側には城壁を思わせる土塀を建てている
また、御宮はお城の鎮守の神として続き、現在は「岸城(きしき)神社」と名を改め、有名な「岸和田だんじり祭」はこの神社の例祭でもあります。
御宮跡に建つ「岸城神社」
丁度この間には「東中門」があった場所になります。
折れ曲がりの辺りが「東中門」跡
最後に北側ですが、こちらもも「二の曲輪」跡となっていて「本丸」跡を「コ」の字型に囲んでいます。「向屋敷」「太鼓部屋」「軍料倉庫」等が置かれた場所で、現在は「岸和田高校」のグランドの他に、「岸和田市役所」の庁舎等があります。
北側の「二の曲輪」跡は現在岸和田高校グランド等
「市役所」北側の植え込み内に雑草に隠れて「岸和田城跡」碑が立ち、その辺りに「北口門」があったそうです。そして、そこから南側にかけて「こなから坂」があり「だんじり祭」の際には、宮入(岸城神社への)前の見せ場となる坂です。その坂の北側に石垣がありますが、それは当時のものなのか判りませんでした。
「岸和田城跡」碑
「北口門」跡付近と「こなから坂」
それでは、今まで見てきた「二の曲輪」を更に北・東・南を囲う「三の曲輪」、紀州街道沿いの「町曲輪」、「三の曲輪」の外側に位置する「外曲輪」を、今回訪れた所だけですが紹介して「岸和田城」巡りを終了したいと思います。
城下絵図(左が北側)
ゆかり地図マップ(上が北側)
まず、「町曲輪」内に取り込んでいた「紀州街道」沿いは、大坂と紀州を結ぶ街道で、南側の「伝場(てんま)口門」と北側の「内町門」を結び、現在でもその間には、一里塚跡や太鼓楼を門脇に備えた「円成寺」が建っていたり、旧家が多数軒を連ねているので、江戸時代の風情を味わうことができる所です。
「紀州街道跡」碑
「本町一里塚跡」碑
太鼓楼を門脇に備えた「円成寺」
紀州街道沿いの古い街並み
紀州街道沿いの古い街並み
紀州街道沿いの古い街並み
以前訪れた時には多くの観光客で賑わっていましたが、先日は、地元の方が時々通りすがるだけの閑散な状況でした。
北方面に進むと、道の折れ曲がりが見られ、そこが「内町門」跡と「北大手門」跡の桝形があった名残りです。「内町門」跡を通り過ぎたエリアが「外曲輪」跡になりますが、現在は住宅地や商業地となっています。
「内町門」跡の桝形(北方向)、右に「北大手門」跡がある
「内町門」跡の桝形(南方向)、左に「北大手門」跡がある
そして、今度は右に道が折れ曲がっている所が「堺口門」跡の桝形の名残りとなっています。
「堺口門」跡(北方向)の桝形
「堺口門」跡(南方向)の桝形
「外曲輪」から大坂へ向けて進んだところに現在は広い道(岸和田港塔原線)が東西に走りますが、そこは「堀」跡で、道路を渡り切った所に石の「欄干橋」が架かっていて大きな案内書が掲出されています。
欄干橋
広い道(岸和田港塔原線)を東へ向かうと「城見橋」の交差点があります。その周囲にも古い家が建ち並んでいて、交差点を南側へ進み道がどん突きになった左側に市立図書館がありますが、そこには立派な櫓台或いは櫓門の石垣と壁沿いの石垣が残ります。櫓門の名称は不明です。
塩見橋付近の古い家
塩見橋付近の古い長屋門
市立図書館前の櫓台
市立図書館前の石垣(矢穴も見える)
このように、岸和田城下には、お城の遺構の見所がまだまだ沢山残っているように思いますので、もう少しきめ細かく歩きたかったのですが、すでに25,000歩を歩き非常に疲労困憊となっていましたので、今回の探索はこれにて切り上げることにしました。
帰りは、南海電車「岸和田駅」から、特急「サザン」に乗って難波経由で帰宅をしました。因みに、特急「サザン」は「和歌山市駅」発で、前4両は自由席、後4両は指定席のロマンスシートになりグレードを相違させています。
南海電車特急「サザン」の自由席車両
「ポチ」をどうぞよろしくお願いいたします。
「フォロー」の方もどうかよろしくお願いいたします。
もしよろしければこちらにも「ポチ」をお願いいたします。