「高松城」をあとにしてJR「高松駅」へ、当日(2019年12月19日)最後は、高松城城主(藩主)の下屋敷(別邸)として約230年間使用され、その庭園は「回遊式大名庭園」として有名な「栗林公園」(香川県高松市栗林公園)に向かいます。

 

「栗林公園」最高スポット「飛来峰」から見下ろす偃月橋と南湖、掬水亭、紫雲山が背景

 

「栗林公園」について少し蘊蓄しておきますと、この庭園の起こりは16世紀後半に地元豪族によって築庭されたそうですが、1625年頃に「生駒家」によって現在の原形が造られたとか。その後入城した「松平頼重」に引き継がれ、松平家代々が手を加えながら1745年に5代城主「頼恭」の時に完成したそうです。

 

いざという時には、「高松城」の出城にでもなるような大きな敷地面積、守りの山を背景とした土地、豊富な水の確保ができる場所です。日本三大庭園と言われる「後楽園」「兼六園」「偕楽園」と、根本は同じ発想で築庭されたものだと思います。

 

「栗林公園」へは、バスや「琴平電鉄」でも行けますが、「青春18切符」を使用すべく、またJR「栗林公園北口」が再最寄駅でもあるのでJR使用にしました。

 

JR高徳線15時45分発の1両の普通気動車です。駅からは本当にすぐの所に「北門」があり「嶰ノ口御門(かいのくちごもん)」と言われ、江戸時代は正門になっていました。その右脇に並ぶ巨石群は、「大坂城」の石垣と同じ場所で採れた石だそうです。

 

「北門」の「嶰ノ口御門(かいのくちごもん)」(藩政時代は正門)

「嶰ノ口御門」脇に並ぶ大坂城石垣と同じ場所で採れた石

 

入場時に貰った「パンフレット」のコースに沿って歩きます。閉館時間17時まで、しかも17時近くになると日も陰るので、少し足早やの回遊です。

園内案内図

 

「芙蓉沼」「群鴨池」という大きな池の脇道を進んでいきます。特に「群鴨池」には、名前の通り沢山の鴨が池に浮かんでいましたが、「瞰鴨閣(かんおうかく)」という、群鴨池に集まる鴨を見渡す場所や、「鴨引き堀」と「小覗(このぞき)」が復元され鴨猟をする為の鴨場というものが良く解ります。

 「芙蓉沼」

「群鴨池」

、「瞰鴨閣(かんおうかく)」

「鴨引き堀」と復元「小覗(このぞき)」

 

六代将軍「徳川家宣」が徳川家の別邸として建築した「浜御殿」(東京都中央区浜離宮公園)は、鷹狩り施設も備えられていましたが、その中にも「鴨場」の盛土があった記憶があります。

 

バスや「琴電」で来園する際には「東門」を利用しますが、模擬の冠木門がお出迎えとなり、その内側には長屋門の「切手御門」があります。こちらが「栗林公園」のメインの入口になっているようです。

 

「切手御門」

 

巨大な唐破風を持つ純日本風建築の「商工奨励館」が、1899年に「香川県博物館」として建築された建物で、その後名前を代えて現在の名前になっているそうです。その前に植わる枝ぶりの良い松の木から東部分が当園のメインとなる庭園です。

 

東へ真っすぐに歩くと松の木を加工した「箱松」「屏風松」が並び、左手に「北湖」が見えてきます。「北湖」は、更に東側に横たわる「南湖」に次ぐ大きさの池で2つの島が浮かび、富士山の形をした「芙蓉峰」が築かれていますので、赤い「梅林橋」からの眺めは素晴らしいものがあります。

「箱松」

「屏風松」

「梅林橋」

「北湖」越しに富士山の形をした「芙蓉峰」をのぞむ

 

左手の獅子の顔に似た「ぼたん石と見返り獅子」を見ながら右手に折れた所には、明治時代初期に建築された石州流茶室「日暮亭」が、5部屋で構成されて両側に茶庭を持ちます。侘び・寂びを感じさせるような建造物です。

 

 「見返り獅子」の石

石州流茶室「日暮亭」

 

その北側には南北に長い「西湖」が水を湛え、石壁(赤壁)西湖に立て架かる岸壁の岩肌がゴツゴツしく逞しい場所です。夏には、城主(藩主)が涼みながらここで碁を楽しんだという「爛柯石屋(らんかせきおく)」があります。

 

石壁(赤壁)「西湖」に立て架かる岸壁

 

「西湖」沿いに、もう一つ茶亭が建ちます。「旧日暮亭」で、1700年前後の建築物で、「考槃亭」という茶室が「西湖」地殻に移築されたものです。この茶庭内には、「降り蹲踞(そんきょ)」という、かがんで手水する珍しい手水鉢が添えられていました。

 

「旧日暮亭」

「旧日暮亭」茶室脇にある「降り蹲踞(そんきょ)」手水鉢

 

当園最大の池「南湖」は回遊式庭園で、池に3つの島と岩組みが浮かび、「偃月橋」が南東隅に架かります。「南湖」畔に建つ「掬月亭(きくげつてい)」も、四方正面の数寄屋造りで庭園の中心的建物になっています。「掬月の間」から「南湖」を望む景観は見事なものがあるそうですが、中からの眺めは体験できませんでした。しかし、外からでも充分に堪能することができました。

 

「南湖」(広さ7900㎡の大きな池、回遊式庭園、池に3つの島と岩組、偃月端がある) 

「掬月亭」(きくげつてい、四方正面の数寄屋造りで庭園の中心的建物)

「掬月亭」

「掬月亭」

「掬月亭」

 

庭先にある「根上り五葉松」は、11代将軍「徳川家斉」から賜った盆栽の五葉松が成長したものらしく、その成長ぶりには驚かされます。

 

 「根上り五葉松」

 

文字制限がかかってしまいましたので、分割して投稿します。

 

下記バナーのクリックをお願いいたします。


お城巡りランキング
国内旅行ランキング