「譜代大名のお城シリーズ」は、小説や映画「超高速! 参勤交代」(土橋章宏 著)のモデルになった「湯長谷(ゆながや)藩」の居城「湯長谷陣屋」(福島県いわき市常磐)を紹介します。

 

「湯長谷藩館址」碑

 

「超高速! 参勤交代」では、四代藩主「内藤政醇(まさあつ)」が、幕府から難癖をつけられ5日以内に江戸まで参勤しなかったらお取り潰しにすると言われ、家老と共にそれに対応する諸対策を講じながら、無事決められた期日までに参勤交代を成し遂げたお話です。

 

「超高速! 参勤交代」(土橋章宏 著、講談社)

 

「湯長谷藩」は、内藤家「磐城平藩」の支藩としてできた1万石の藩で、1676年に「湯長谷陣屋」を築きました。

 

当初は、本家「内藤家」の名字を名乗ることを憚って「遠山家」に変更しますが、「磐城平城」の本家「内藤家」が延岡へ転封となったこともあり、元の名字「内藤家」に替えました。その後、加増があり1万5千石となり、譜代大名としては珍しく転封もなくこの地の領主として幕末・維新まで続きます。

 

「湯長谷陣屋」は、一部を除いて「堀」と「土塁」に囲われ、「御殿」を中心とした諸施設の建造物で構成されていました。

 

現在の陣屋跡は、ほぼ「磐崎中学校」のグランド゙となり、中学校の校舎部分やその北側に拡がる畑地や民家が建つエリアは、住所も「館」と呼ばれていて、「家中」が居住した武家屋敷の跡地です。

 

陣屋(藩館)跡の「磐崎中学校グランド」

陣屋(藩館)跡の「磐崎中学校とそのグランド」

陣屋(藩館)跡から家中屋敷があった「磐崎中学校」敷地

家中屋敷が並んでいたエリア

 

中学校のグランドには、大きな石板に「湯長谷藩館址」と記された碑が立ち、その裏には非常に見えにくくなっていますが、藩の沿革を記載しています。

 

湯長谷藩館址」碑の裏側

 

現在の「いわき市」となっている地には、江戸時代に三つの「城」と「陣屋」が存在していました。

一つはこの「湯長谷陣屋」であり、あと二つが「磐城平城」と「泉陣屋」です。それぞれが、譜代大名の領地に建つお城(陣屋含む)でしたが、近隣間の揉め事はどうだったのでしょうか。

 

次回ブログでは「泉陣屋」を訪れたいと思います。

 


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