夏恒例の「お城巡り一人旅」、早朝に「新城城・陣屋」を訪問後、JR飯田線で「長篠城駅」に到着しました。「新城城・陣屋」訪問でかいた大量の汗もだいぶおさまり、駅から徒歩で「長篠城」(愛知県新城市)を目指します。

 

「鳥居強右衛門」の逆さ磔で有名な「長篠の戦い」の現場となる「長篠城」

 

途中「搦手門」跡碑が、後世に置いたような数十個の石の塊の中に立ちます。更に歩を進めると右手に「倉屋敷」跡碑が見えた所を左に入ると、城郭建築風の「長篠城址史跡保存館」と「長篠城」の解説大看板があります。

 

搦手門跡

倉屋敷跡

 

「長篠城」は、徳川方の「奥平貞昌(後に信昌に)」が守ったお城で、東海地方へ勢力を拡大する「武田勝頼」が1万5千人の軍を率いて取り囲みました。片や「貞昌」側は5百人の兵で、連日の攻撃を受け落城寸前まで持ちこたえます。

 

「貞昌」は、「徳川家康」へ援軍要請をする為に「鳥居強右衛門(とりい すねえもん)」を使者として出すも、役割を果たし戻ってくるところを「武田軍」に捕えられました。助命の代わりに、「徳川方の援軍は来ない」と「長篠城」へ豊川越しに叫べと強要されるも、「援軍がまもなく駆けつけるのでご安心をー」と大声で伝えた為に、「強右衛門」は逆さ磔され槍で刺殺されます。

 

本丸跡のこの場所の豊川対岸で磔された

対岸の磔された場所(白い看板辺り、JR飯田線車内より)

 

そして、織田・徳川軍と武田軍との間で「設楽原決戦」が開始されますが、織田・徳川軍の勝利に結びつきます。

 

さて「長篠城」は、「豊川」と「宇連川」の合流する天「本丸」を真ん中に据え、北側には「帯郭」「巴城郭」「瓢郭」を、南側には「野牛郭」を、西側には「弾正郭」を置きます。然の要害である断崖絶壁の崖上に築かれています。その最南端には「櫓」を置き、そこを中心に扇型に拡がる中で6つの郭を持ちます。

 

長篠城縄張図

 

「保存館」が建つ敷地は「帯郭」跡で、左には「内堀」が曲線を描いて「本丸」跡の東側へ取巻きます。

 

帯郭跡と奥には堀が見える

本丸東側の内堀と土塁

本丸東側の土塁と堀(巴城郭跡より)

本丸東側の堀跡、左は本丸土塁

 

「帯郭」跡から「本丸」跡へ入る括(くび)れた場所には、「土橋」と「門」があったようで、右手に「史跡長篠城址」碑が立ちます。「本丸」跡は大きな広場になり、「本丸址」碑や、「鳥居強右衛門」の磔場所方向を示す説明板や、攻め寄せる「武田軍」の配置を示す説明板が立てられ、丁寧に説明されています。

 

本丸北側の土橋跡、奥が本丸跡

本丸北側の土橋跡(奥は保存館)

長篠城本丸跡碑

本丸跡

この先が豊川と宇連川との合流点 (手前は飯田線)

 

「本丸」跡の東側には背の高い「土塁」が連なり、上に登るとその裏側に掘られた立派な「堀」を見下ろすことができます。

 

土塁から本丸跡を見下ろす

左本丸跡、右内堀跡の間にある土塁

 

「本丸」跡の入口迄戻り、草に覆われた「巴城(はじょう)郭」跡と「厩」跡を通る細い道を進むとJR飯田線の踏切があります。そこから豊橋方向を眺めると右手にはカットされた「土塁」が大きく迫ります。この辺りには「物見櫓」があったようです。

 

巴城郭跡

本丸東側の土塁(巴城郭跡から)

JR飯田線で分断(右は本丸土塁上に建つ神社跡)

 

草むらとなった中に、井戸の遺構「殿井(とのい)」があり、その前には「野牛(やぎゅう)郭」が拡がりますがここも夏草に覆われていました。

 

野牛郭跡にある殿井 

野牛郭跡

 

更に、細い道を下って行ったところには、冒頭記載した川の合流点上に設けられた「櫓台」がこんもりと盛り上がっています。

 

櫓跡(豊川と宇連川の合流地点の最先端) 

 

少し川の流れの音に耳を傾けて休憩をとって「保存館」に戻りますが、開館の9時までには時間がありましたので、「家老屋敷」跡を確認して「弾正郭」に向かいます。少し石垣も残っているようでした。

 

家老屋敷跡

弾正郭跡

石垣が見える弾正郭跡

 

更に、西方向に「大手門」跡があるとのことで探しまくった挙句、ロードショップの駐車場の端にポツンと碑だけが立っていました。

 

大手門跡

 

国道151線を辿り「鳥居強右衛門」の磔の絵が大きく描かれた看板前を通り、「保存館」に向かいました。「保存館」内は、お城や戦いなどの説明書きがあり、今まで見てきた内容を復習することができました。

 

この中で、「奥平貞昌(信昌)」の正妻になった「亀姫」(家康と築山御前の長女)の屋敷だった門扉が保存されているのに興味がありました。また、「鳥居強右衛門」人形が可愛くなって販売されていました。

 

亀姫屋敷の門扉(桃牛寺からの寄贈品)

鳥居強衛門(とりいすねえもん)人形、保存館内

 

朝から、どこかで飲料水を購入しようと思いつつJR飯田線「長篠城駅」まで戻りましたが、駅は無人駅で自販機もなければ周辺には売店も見当たらずで、次の訪問城の最寄り駅「豊橋駅」まで1時間10分、我慢するしかありませんでした。

 

 

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