先のブログ「福山城」で記載したように、その遺構がある「鞆の浦」へ足を延ばしました。福山からはバスで30分の場所です。

 

「鞆の浦」バス停で降り、まずは「沼名前(ぬなくま)神社」を目指しました。「前」を「くま」と読むのだそうですが、読み方が非常に難しい!

 

この神社にある「能舞台」は、「伏見城」の遺構で秀吉愛用の能舞台だったとか。「福山城」初代藩主となった「水野勝成」が、当時「伏見城」に滞在していた「徳川秀忠」から下賜されたもので、重要文化財に指定されています。一時期、「福山城」にも移築されていたとも言われています。

沼名前(ぬなくま)神社 の能舞台(伏見城、福山城の遺構)

伏見城、福山城から移築された能舞台、現在は沼名前(ぬなくま)神社 の能舞台

 

「伏見城」から移築された城郭建造物は、「福山城」内に多数あったことを先のブログでもお話ししましたが、全国的にもあちらこちらで伝説も含めて散在しています。「伏見城」の遺構については、後日ブログで紹介したいと思います。

 

さて、「沼名前神社」へ訪れる途中には、「鞆の津ミュージアム」として古い蔵風建築物が活用されていたり、その南側には味のある重厚な建物が建ち並びます。

鞆の津ミュージアム

鞆の津ミュージアムに続く町家

 

次に、「福山城東の門」の移築先である「岡本保命酒店」を目指します。「鞆城」の城下町だったこともあり「かぎ道」が随所に残る細い道を歩みますと目指す建物があります。酒店の入口兼店舗として使用されている「長屋門」がそれです。「長屋門」は、少し改変されていて「番所」が左右に付いていたけれども、右側がなくなっているそうです。

 

福山城東の門(鞆の浦 岡本保命酒店に移築、番所が左右に付いていたが、右側がなくなっている) 

福山城東の門(長屋門、鞆の浦 岡本保命酒店に移築)

福山城東の門(長屋門、鞆の浦 岡本保命酒店に移築)

 

「鞆の浦」に多い酒店の「保命酒」とは、生薬を含み「瀬戸内の養命酒」といわれる薬味酒で、試飲させてもらったら「甘酒」のような味わいでした。ゲコの私でも大丈夫でした。

 

そこから、「鞆の浦」港に向かう道沿いに「太田家住宅」(重文)があります。ここは、1863年8月に京都で発生した政変で、「三条実美」ら七卿が京都を追われ長州に落ち延びる際に一時潜伏した「鞆七卿落遺跡」です。

 

太田家住宅(重文、鞆七卿落遺跡)

 

また、この南側には、鞆の浦のシンボル「常夜灯」や「坂本龍馬のいろは丸展示館」が並び、港とその「雁木」も見ることができます。ここは、昔から、航海によって京都に向かったり、京都から西に進む際には、瀬戸内海の「潮待ち」をする港となっていました。

 

常夜灯

常夜灯、龍馬いろは丸展示館 

常夜灯、雁木、龍馬いろは丸展示館 

 

北側には、前述の「太田家住宅」から両端に、昔ながらの建造物が並び現在は飲食店や売店となっています。

 

町家が並ぶ

澤村船具店

 

更に、北側の小高い山は「鞆城」の城跡で、本丸跡には「鞆の浦歴史民族資料館」が建ちます。

「鞆城」は、「福島正則」が築城したお城ですが完成に至らず転封させられましたので、その跡に入城した「水野勝成」は息子「勝俊」の為に三の丸に居館を築きました。その後は江戸時代通じて「町奉行所」が置かれたようです。石垣が修築・復元されて見ることができます。

 

鞆城本丸跡

鞆城本丸跡

鞆城の復元石垣

鞆城の復元石垣

鞆城の復元石垣

 

小高い本丸跡からのぞめる風景はなかなかのもので、左手奥には江戸時代「朝鮮通信使」の迎賓館として使用されていた「福禅寺」が見えますのでそちらに向かいます。

 

途中、「保命酒」酒店が並び、また「坂本龍馬」が潜伏していた部屋が残る「枡谷清右衛門」宅前を通って、「市営渡船乗り場」の前にあるのが「福禅寺」です。

鞆の津の商家(入江保命酒店)

鞆の津の商家(江戸末期)に飾られた時代ごとの雛人形 

枡屋清右衛門宅(龍馬宿舎跡) 

 

「福禅寺」は、前述したように「朝鮮通信使」の迎賓館として使用され、「客殿」の窓から眺める「鞆の浦」は素晴らしい風景です。私も暫くそこで佇んで眺めを堪能しました。

 

福禅寺(対潮楼、元禄期に建立された客殿で朝鮮通信使の迎賓館として使用) 

福禅寺(対潮楼) (墨書「日東第一景勝」誕生の舞台)

 

「福禅寺」の奥に繋がる「客殿」は江戸元禄期に建築され、その中に掲げられている「対潮楼」の題字は、通信使の正史だった「洪啓禧」が命名して、同道していた書家の「洪景海」が揮毫したものだそうです。

 

福禅寺(対潮楼の題字)

 

客殿の中には、通信使着用の衣服や、通信使の行列風情を人形で再現した展示物などで、当時の状況を見ることができます。

 

福禅寺(対潮楼の中の展示物、後ろに行列の風情がわかる人形が並ぶ)

 

訪問したい場所でもあった「鞆の浦」へ寄ることができて非常に満足して、福山駅までバスに揺られます。

いよいよ、最後の訪問地「備中高松城」へ向かいます。

 

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