春恒例の「お城巡り 二泊三日の一人旅」のしょっぱなは、「吉田郡山城」(広島県安芸高田市吉田町)です。

 

郡山城跡案内図

 

「吉田郡山城」は、国指定史跡「毛利氏城跡」で、「毛利元就」の居城としてあまりにも有名で、戦国時代最大級の山城です。「日本城郭100名城」の一つに選定されていて、東の「上杉謙信」の「春日山城」とも肩を並べるほどです。

 

歴史と城主については、15世紀後半には「毛利家」のお城として存在していたようで、当初は「本城」と呼ばれる所だけがお城の中心でしたが、16世紀中ごろに郡山全山を「毛利元就」によって城郭化されました。

 

しかしその後、「元就」の長男「隆元」は早くして亡くなり、その嫡男「輝元」が「広島城」へ本拠を移し、更に関ケ原の戦い後の国替えに伴い廃城となりました。

 

縄張りは、山上部と山麓部で構成され、山上部は標高390m(比高190m)にある「本丸」を中心にして放射状に延びる6本の尾根に沿って約270か所の郭が築かれました。

 

本丸中心に放射状に延びる6本の尾根にある郭(壇)

 

山上部への登城道を山麓から辿っていきます。

 

スタートは、城郭建造物風の「安芸高田市歴史民俗博物館」で、毛利家や郡山城に関する資料などが展示されているようでしたが、今回は時間的な問題で見学せずに脇を通り、「毛利元就像」と「毛利公居館 御里屋敷跡」を左右に見ながら進みました。

 

毛利元就像

毛利公居館 御里屋敷跡

 

「酉谷地点石垣」跡が右手にあり、お城の郭群の一角で石垣の他に鍛冶炉や土器陶器片や鉄くぎ等の埋蔵があった場所です。

 

「酉谷地点石垣」跡

 

更に右手には「毛利隆元墓所」へ向かう脇道がありましたがそこへは入らず真っすぐに進むと、「薬研堀」跡のV字型がくっきりとわかる谷を見ることができます。

 

大通院谷遺跡脇の薬研堀跡

 

鬱蒼とした真っすぐに伸びる杉の木の中を歩いていくと、周辺の空気全体がピーンと張りつめた静寂した場所に到着しますが、そこは、「毛利元成と毛利家一族の墓所」となり、苔むす墓域によって一層神聖なるエリアとしています。

 

毛利一族の墓

 

「元就墓所」の前域と後域にはそれぞれ石灯籠が並び、九代広島藩主の「浅野重晟(しげあきら)」や七代広島藩主の「浅野吉長」、毛利家親族等が奉献したものだそうです。

 

毛利元就の墓所

 

墓所近くには、これまた有名な「百万一心」(文字を分解すると「一日一力一心」と読めることから、日を一にして、力を一にして、心を一にするという協同一致の精神を示したものとか)の碑を見ることができます。

 

百万一心碑(郡山城改修時、人柱の替わりに石を埋めさせた)

 

当時はお城を築く際に生きた人間を「人柱」として埋める習慣があったそうですが、「元就」は人柱に替わるものとして「百万一心」と彫った石を埋めさせたことから、工事が順調に進んだとのエピソードがあります。その後幕末に長州藩士が山中「姫の丸壇」辺りで)で実物を見つけたとの書物がありますが、現在は未発見のままとのことで、当碑は復元されたものです。

 

ここからは、山道をひたすら登っていき、途中には下界の「安芸高田市内」をのぞめる絶好のスポットがあります。

 

百万一心碑から本丸への道から安芸高田市内を見下ろす

堀切

 

春先にも拘わらず、汗をかきながら辿り着いた所が「御蔵屋敷」跡です。この場所は、「本丸」から放射状に延びる6本の尾根の内「勢溜(せだまり)の壇」と「釣井の壇」を繋ぐ郭で、「兵糧蔵」跡と言われています。江戸時代初期には、幕命によって崩された石垣がそのまま残るほかに土塁跡も見られます。

 

御蔵屋敷跡(江戸初期に崩されたが石垣が残る)

御蔵屋敷に残る石垣と向こう側には土塁

 

「本丸」に向かう前に、6本の尾根に延びる郭を訪ねていきます。「釣井の壇」は、直径2.5mの石垣井戸があり本丸に最も近い井戸です。

 

釣井の壇跡の井戸(石組みの井戸)

釣井の壇跡

 

更に右回りに歩くと「姫の丸壇」となりますが、「本丸」の北側の石垣の基礎となっています。その向こうには「釜屋の壇」があり、「本丸」の北側に延び「羽子の丸」に至ります。

 

姫の丸壇

 

更に右に回ると「厩の壇」で、「三之丸」の東側から東南方向へ延びていきます。「勢溜の壇」は、「御蔵屋敷」跡の下段を「堀切」で区画して独立させ、大小10段からなる大型の郭となっています。

 

厩の壇

勢溜(せだまり)の壇跡、東南方向へ延びる尾根を御蔵屋敷で堀切を設けて分断

勢溜(せだまり)の壇跡

 

いよいよ、「二之丸」「三之丸」「本丸」へ向かいますが、次回のブログで紹介していきます。

 

 

 

 

 

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