本日から、「織田信長に仕えて豊臣秀吉に引き立てられ、子孫が外様大名として幕末まで続いたお家が築いた近世城郭」を見ていきたいと思います。
この選別にあたっては、今までのシリーズで「織田信長に仕えた後に子孫が外様大名として続いたお家の近世城郭」でも引用した「江戸日本を創った藩祖総覧」(武光誠氏著、PHP新書)を参考にしています。
信長に従った後に、豊臣秀吉(羽柴秀吉の時も含め)に引き立てられた大名や、豊臣政権になってから引き立てられて大名となり、近世城郭を築き、そのまま幕末まで続いたお家とそのお城(陣屋含む)を下記に列挙します。
・黒田長政を祖とする黒田家のお城(福岡城)
福岡城 下之橋大手門櫓部分(左)と伝潮見櫓(右)
・浅野幸長を祖とする浅野家のお城(広島城)
広島城 外観復元天守
・山内一豊を祖とする山内家のお城(高知城)
高知城 天守と本丸御殿式台(いずれも重文)
・蜂須賀至鎮を祖とする蜂須賀家のお城(徳島城)
徳島城 木造復元 鷲の門(脇戸付薬医門、三木郭側より)
・生駒一正を祖とする生駒家のお城(矢島陣屋)
残念ながら、未訪問の為写真はありません。
・有馬豊氏を祖とする有馬家のお城(久留米城)
久留米城 太鼓櫓跡石垣と本丸大手の左側堀
・溝口秀勝を祖とする溝口家のお城(新発田城)
新発田城 木造復元三重櫓(特異な三匹鯱屋根、二の丸側から)
・亀井茲矩を祖とする亀井家のお城(津和野城)
津和野城 三段櫓跡石垣(平櫓が三段)
・織田長益を祖とする織田家のお城(柳本陣屋、芝村陣屋)
芝村陣屋の石垣(現 織田小学校敷地)
柳本陣屋 表向御殿玄関と左に大書院(現 橿原神宮文華殿、1844年築)
以上のお家は、豊臣秀吉逝去後は、徳川家康にうまく接近していき、徳川幕府の組織の中で「外様大名」ではありましたが、子孫代々お家を存続させて、政庁としての近世城郭(陣屋含む)を築き保持することで対面を施しました。
次回のブログからは、これらのお城について紹介していきたいと思います。
そして、この次のシリーズでは、「秀吉の一族・子飼いから大名の祖になって築いたお城」特集を企画しています。