ハイなジーンのための医学雑学脱線生理学

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HygieneとHighなGeneのための医学雑学・脱線生理学


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[傷痕目立たなくする塗り薬、好調 「夏は薄着で・・・」購入の9割女性]

(毎日新聞  2011年8月18日)


やけどやけがの痕を目立たなくする小林製薬の塗り薬「アットノン」が、
3月の発売から7月までの4カ月間で年間売り上げ目標の6億5,000万円を
突破した。

自転車で転倒してけがをした女性社員が開発のきっかけ。

「夏らしく薄着のファッションを楽しみたい」という女性の願いを
すくい取り、新市場の開拓に成功した。


傷痕が残るのは、傷の部位の血行が悪くなり、皮膚の細胞がコラーゲンを
過剰に作るのが原因という。
そこで、血行を良くして皮膚の新陳代謝を高める物質「ヘパリン」を主要
成分にした。
べたつかない透明なジェル状で、希望小売価格は15グラム1,365円
(消費税込み)。


2006年、ひざに軽傷を負った女性社員が同僚に「市販の軟こうだと痕が
残る」と不満をもらしたのが研究員の耳に入り、商品化の検討に入った。

2007年2月にホームページでアンケートを行うと、傷痕対策に「何も
しない」が64%と、「軟こうを塗る」(17%)、「ばんそうこうで隠す」
(10%)などを引き離した。
「何もしない人が大半なのは、傷痕対策の薬がないから。市場はある」と
判断し、開発に乗り出した。

購入客の約9割が女性。
塗って2~3週間後に傷痕がほとんど消えたとの声が寄せられているという。

【新宮達】


http://mainichi.jp/life/health/medical/news/20110818ddm008020146000c.html
























[ニプロ、「ヒトiPS由来」の心筋細胞を販売]

(NIKKEI NET いきいき健康 2009年6月1日)


ニプロは1日、ヒトの新型万能細胞(iPS細胞)からできる心筋
細胞を、製薬会社や研究機関向けに発売すると発表した。
ヒトのiPS細胞からつくる細胞の販売は国内では初めて。

ヒトからつくる細胞を新薬開発に使えば、より正確に副作用を見る
ことができ、臨床試験(治験)のスピード向上や効率化に
つながる。


販売するのはバイオベンチャーのリプロセル(東京・港)が作製
する細胞キットなど4製品。
販売価格は30万円(細胞の塊5つ)を想定している。
ニプロは2010年3月期に2,000万~5,000万円の売上高を見込む。


現在製薬会社や研究機関は新薬を開発する際に、まず候補となる
物質を動物などに投与して毒性や効果を確認する。
その後、実際に人を対象にした治験に移る。
この細胞を使って治験をすれば、人を対象とした治験をする前に、
心臓・心筋にどのような副作用があるかが判定しやすくなると
みられる。

http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2009060111623h1

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[ハイなジーンのための遺伝学 <iPS細胞>]

受精卵は分割増殖し、1個が2個に、2個が4個になります。

4分割または8分割になった時に1個を取り出して検査するのが
「着床前遺伝子診断」です。
検査に使った1個は戻しません。
つまり、3/4個でも、7/8個でも、6/8個でも、その後受精卵は
正常に発育します。

この段階ではどの細胞がどの組織に分化するのか決まっていない
ことをあらわしています。


さらに受精卵の分割が進むと、細胞の機能分化が始まります。

将来神経になる細胞が隣の細胞に言います。
「俺は神経系統の細胞になるから、お前は血管系の細胞になれよ」
「了解。じゃあお前は血管系になるスイッチを切れよ。」
「了解。」

こうして分化が進行します。


しかし、ヒトの100兆個の細胞は同じDNA・遺伝子を持って
います。
同じ遺伝子を持っているので、同じタンパク質をつくることが
可能であり、同じ細胞、同じ組織になる素質は持っています。

同じ遺伝子を持っているけれど、ほとんどのスイッチがオフに
なっています。
ですから、朝起きたら耳から新しい血管が伸びていることは
ありません。


オフになっているスイッチをオンに出来れば、皮膚の細胞から
神経細胞がつくれる可能性があり、それを実現したのが、
まさに時の人=近い将来のノーベル賞受賞者であろうあの先生
です。


ES細胞は受精卵に近い状態から新しい細胞をつくるので、
3ステップ分のスイッチをオンにすればよいとすると、iPS細胞は
30ステップ分のスイッチをオンにするようなイメージでしょうか。

(横山歯科医院)

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[「謎の食中毒」増殖中・・・短時間で発症・回復、年間100件超]

(読売新聞 2009年6月22日)


食後短時間で一過性の下痢や嘔吐の症状を呈し、原因物質が特定
できない食中毒がここ数年、首都圏や瀬戸内海沿岸、北陸地方
などで相次ぎ、地元の保健所が「再発防止策の取りようがない」と
対応に苦慮している。

関係自治体は「広範囲で発生している」として全国規模の調査を
国に要請。
厚生労働省が国立機関に研究分析を依頼し、事例収集を進めて
いる。

厚労省などによると、原因物質が特定できない食中毒には、
 (1)主症状が下痢や嘔吐
 (2)食後、発症まで平均4、5時間程度と短い
 (3)軽症で回復も早い
という共通点がある。

保健所などが残飯や吐しゃ物を検査しても原因となる細菌や毒素
などが検出されず、原因が特定されていない。
食中毒と断定されるには至らなかった有症苦情事案にも同様
ケースがあるという。

岡山県の倉敷市保健所が中心となり、昨夏、瀬戸内海沿岸
27府県市に、原因不明の食中毒や苦情事案についてアンケートを
したところ、回答した21自治体のうち20自治体が「あり」とした。
06年度29件、07年度87件、08年度は夏までで32件。
2年半の合計では広島県51件、兵庫県27件などが多かった。

さらに同保健所が今年初め、瀬戸内地区を除いた全国の都道府県や
政令市など97自治体に聞いた結果、回答した70自治体のうち
54自治体が「あり」とした。
集計すると、04年度27件、05年度40件、06年度71件、07年度
89件と増え、08年度は112件に。
地域別の最近3年間の合計では、東京都52件、千葉県41件、
福井県33件などが多かった。

調査を担当する同保健所の吉岡明彦参事は「患者数は1件につき
数人から数十人。年間数百人以上になるのでは」と指摘。
「既に知られている細菌は体内に入って増殖するまでの時間が
もう少し長い。未知の物質が原因の可能性がある」として調査を
継続する予定だ。

ここ2年間で約10件の同様事案が発生した石川県なども昨年末に
厚労省に原因の特定を要請。
今年2月の首都圏の自治体担当者会議でも話題に上ったという。

現在では主要な食中毒の原因物質も、過去にさかのぼると「原因
不明」とされた時代がある。
昨年の食中毒のうち患者数が最も多いノロウイルスも、遺伝子
検査が確立し、国が原因物質に追加したのは1997年のことだった。

厚労省から要請を受け、自治体への助言に取り組む国立医薬品食品
衛生研究所の小西良子・衛生微生物部長は「各地の事例が同一
現象とはまだ言えない。さらに事例を収集・解析する必要がある」
と話す。
厚労省は「近年まれにみる発見につながる可能性もあるが、まだ
情報不足」とする。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090622-00000641-yom-soci
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20090622-567-OYT1T00641.html

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[ハイなジーンのための免疫学 <IgA抗体=IgA免疫グロブリン>]

前回の復習部分もあります。

ヒトの身体は肉厚の土管にたとえることができます。
中央部の管が消化管です。
一方の穴が口と鼻であり、他方の穴が肛門です。

身体の奥深くに位置しているように感じる小腸も、土管の内壁で
あり、凖外部と言えます。


外敵・・・主に微生物(細菌やウイルス等)は、土管の外壁か
内壁から侵入を試みています。
外壁=皮膚は傷がない限りなかなか侵入できません。
これに対して内壁は侵入の可能性が高く、外敵にとっては狙い目
です。
内壁は外壁と異なり、ただ丈夫につくれば良い訳ではありません。
消化・吸収などの役目があるからです。


外壁や内壁の直下には、免疫部隊の中の第1部隊が主に配置されて
います。
陸軍です。
マクロファージなどの「貪食細胞」が外敵を食べることによって
排除しようと戦っています。


第1部隊をうまく突破した外敵は、血管を通って侵攻を続けます。

細胞は、外壁や内壁を構成する細胞も含めて「組織液」に取り
囲まれています。
ベネチアのようなイメージです。

微生物は、外壁や内壁直下の部隊をすり抜けると、組織液=運河を
通って海=血液へ侵攻します。

運河や海の免疫を担当するのが、海軍の第2部隊です。
第2部隊の主力はBリンパ球です。

Bリンパ球は空母です。
しかも、空母艦載機の製造工場を持っている空母です。

空母艦載機が「抗体」です。


抗体の攻撃をすり抜けた外敵は、住みやすそうな家(細胞)や
集落(組織)に上陸侵攻します。

集落に上陸した外的に対抗するのが、総司令本部(ヘルパーT
リンパ球)と特殊部隊(キラーTリンパ球=細胞侵害性Tリンパ球)
とからなる第3部隊です。


さて、「抗体」の話に戻ります。

Bリンパ球=空母は空母艦載機を積んで警戒任務に就いて
いますが、まだ敵を発見していない段階では、「IgM」と「IgD」と
いう哨戒機や偵察機を甲板上に出しています。
敵を発見すると抗体「IgM」は哨戒機から戦闘爆撃機に変身して、
攻撃を開始します。
最初に敵に攻撃加えるのが主に「IgM」です。

次に、空母は格納庫から生粋の戦闘爆撃機である「IgG」を甲板に
上げて発艦させます。
「IgG」は「IgM」に遅れて戦闘に加わりますが、主力戦闘機で
あり数も多いので、血液免疫=海軍の主役です。


新生児は「受動免疫」を持っています。
胎児は母親と胎盤=血液で繋がっていて、血液免疫の主役である
「IgG」抗体をもらいます。
「受動免疫」の主力は、この「IgG」抗体です。



抗体=空母艦載機の中で量的に多いのが「IgA抗体」です。
「IgA抗体」は主に消化管周囲を守備範囲としています。
消化管は面積が大きく、敵にとって侵入しやすい狙い目でもある
ため、必然的に「IgA抗体」も多く用意する必要があります。
口腔も「IgA抗体」で守られていて、唾液に多く含まれています。



「ワクチン」の多くは、この第2部隊である海軍を増強することで
効果を発揮します。

Bリンパ球=空母は、最初に敵を発見した時よりも2回目に遭遇
した時の方が強い攻撃が可能です。
Bリンパ球=空母は敵に遭遇すると、自分自身を分裂増殖する
ことが可能ですが、2回目の時にはより素早くより多く分裂増殖
できます。

それは、敵を覚えている「メモリーBリンパ球」が存在するから
です。

さらにBリンパ球=空母は、2回目の対戦の際には、より多くの
抗体=空母艦載機をより素早く製造できます。

ワクチンは弱毒化した、或いは無毒化した敵を注射などで体内に
入れることです。
ワクチンを認識したBリンパ球=空母が1回目の戦いに簡単に
勝利します。
そして敵を覚えている「メモリーBリンパ球」が存在するように
なります。

第2回戦は本当の感染ですが、「メモリーBリンパ球」のお陰で
より強力に戦えるので、有利に戦いを進め、勝利する確率が
高くなります。
つまり、症状が出ないか、軽症で済むようになります。



IDSC国立感染症研究所感染症情報センターのHPによりますと、

   「ポリオ(急性灰白髄炎)」とは、ポリオウイルスの中枢
   神経感染により生ずる四肢の急性弛緩性麻痺 を典型的な
   症状とする疾患であり、かつては小児に多発したところから
   「小児麻痺」ともよばれていた。

   ポリオに対する有効な治療法はない。

   ワクチン接種によってポリウイルスの感染を予防する事が
   最も重要である。
   ポリオワクチンには、経口生ポリオワクチン(OPV)と
   不活化ポリオワクチン(IPV-注射による接種)がある。

   OPVはポリオウイルスに対する血清中の中和抗体
   (IgG抗体)、腸管内の「分泌型IgA」とも上昇するため感染
   予防効果は効果は絶大である。
   しかし生ワクチンであるところより、ワクチン株による
   ポリオ様の麻痺が発生する可能性がきわめて稀ながらある。

   IPVは不活化ワクチンであるため麻痺症状が現れることは
   ない。
   しかし、ポリオウイルスに対する血清中の抗体は上昇する
   ものの腸管内での「分泌型IgA抗体」は上昇しないため、
   経口感染して腸管で増殖するポリオに対しての局所での
   免疫は不十分となりやすい。


「IgA抗体」も第2部隊=海軍所属のBリンパ球=空母が分泌するの
ですが、配属先が第1部隊のサポート=消化管直下ですので、
より敵と遭遇する機会が多い抗体です。

「IgA抗体」で敵を食い止められれば、血液免疫の「IgG抗体」の
出番はありません。


「よく噛む」ということは、唾液がより多く分泌され、唾液中に
含まれる「IgA抗体」も多く分泌されます。
また、噛むことによって腸の蠕動運動が誘発されるように、腸管の
「IgA抗体」も多く分泌されるようになると考えられています。


食後にトイレに行きたくなるのは、噛むことによって腸の蠕動
運動が促進されるためです。
子どもの中には、食べ始めたと同時にトイレに行きたがる児も
います。
行儀上では問題となりますが、生理的には仕方がないことでも
あります。

この生理現象を利用した治療法が書籍「謎解き口腔機能学」の中で
紹介されています。

   ある産婦人科病棟での話です。
   腰痛麻酔で帝王切開をした場合、麻酔が切れて腸が動き
   出さないと経口摂取できません。
   腸が動き出したサインはガスが出ることです。
   従来は平均47時間でした。
   食事の時間帯にガムを噛んでもらうようにしたところ、
   13時間短縮して平均34時間になったそうです。


「よく噛む」ということは、食中毒予防に有効だろうと考えられて
います。
居酒屋に入って、冷や奴に刺し身3点盛りではなくて、あたりめを
よく噛んで唾液を出し、腸を刺激するのが理想なのでしょう。
しかし、これからの夏、あまり現実的な提案ではありません。
居酒屋への道すがら、シュガーレスガムを噛みましょう・・・の
方がまだ現実的な提案でしょうか。

(横山歯科医院)

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[ハイなジーンのための免疫学 <免疫と体温>]

免疫系細胞は体温が高い方が活性化します。

これは、動物実験で証明されています。
感染していない場合、平熱より体温が高くなると死亡する個体数が
増加します。
しかし、感染させて実験すると、平熱より少し高い体温で、最も
低い死亡数になります。

インフルエンザや風邪の時に、特に小児の場合、むやみに解熱薬を
飲ませてはいけないと言われるのはこのためです。


冷蔵庫の普及が現代人の免疫力を弱めていて、世界一衛生的な国な
はずなのに食中毒がなくならないのは冷蔵庫のせいだと主張する
先生もいます。
冷蔵庫の主目的は、食品を腐らさずに保管するものです。
しかし、ギンギンに冷えたビールとジュースとアイスクリームと
氷しか入っていない冷蔵庫も少なくないと想像されます。

冷たい物中毒の日本人は消化管が冷えきっていて、「IgA抗体」が
働かず、敵の侵入を防げません。
深部体温が低いと、その他全ての免疫細胞の機能が低下します。

暑い夏、身体を冷やすのであれば外側から行うべきであって、
深部体温を下げるのは極力避けるべきでしょう。

江戸っ子が夏でも熱いお茶をすするのは免疫的に理にかなっていて
夏バテで体力が落ちている時ほど深部体温を下げてはいけません。

ましてや、秋以降のインフルエンザ第2陣では尚更です。

(横山歯科医院)

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