大好きなお姉ちゃんの膝に上って

手のひらからオヤツをむさぼる桃ちゃん

ウサギって抱っこが大嫌いなのに

こんな時だけ(笑)



うさぎうさぎうさぎうさぎうさぎうさぎうさぎうさぎ



祖母の話の続きを…



明治45年生まれの戦前世代の女

『おしん』世代かな



コミュ力のお化けの

この祖母、強かった



祖父が営んでいたタバコ屋兼雑貨屋の

『看板奥様』



18歳で祖父と結婚したから

看板娘でもいいのだけど…




よく笑いよく喋る、そしてお人好しでお節介


そんな祖母に会いにお客さんが絶えない

祖父の友人もよく来ていた

愛想の悪い祖父が

『お前、また来たんか、何しに来たんだ』と

悪態つくと

『俺はトクさん(祖父)に会いに来てんじゃない、

奥さんに会いに来てるんだ』

と返されていた



そんな祖母だけど




祖父の母親である姑との折り合いが

恐ろしく悪かった





空襲で家が焼けて

東京から九州の田舎の姑の所へ避難したら

近所の方々にこんなことを

異口同音に言われたそうだ


『奥さん、なんでこんなところに来たんだ、

あの姑と上手くいく人なんかいないぞ。

あのおツナばあさんはとんでもない人だそ』





祖父は祖母とは再婚だ

前の奥さんは姑にイビリ出されたらしい

そして私の母はなんと祖父の連れ子

祖母とは血縁は無いのだ


それでも継子であることは大人になるまで

秘密にするつもりだった祖母

厳しくもとても愛情込めて育てられた

祖母はなかなか実子に恵まれなかったから

母は長い間ひとりっ子だった




ご近所さんの言う通り

早速嫁イビリが始まった

何かにつけて

『余所者、どこの馬の骨かわからん女』と

罵られた




でも祖母は1歩も負けてなかった

ぜーーんぶ言い返したらしい


余所者!! には

"そうですよ、こんな田舎初めて来ましたわ"


何処の馬の骨かわからん女 には

"私の生家は由緒のある旅館ですけど?

馬の骨はどちら?"





姑おツナばあさんは

イビリの矛先を孫である母に向けてきた

おツナさんは次男が置いて出ていった

孫息子を育てていた。

もう大学生で下宿をしていて家にはいなかったが。

その息子と母を結婚させようとしたのだ


母は当時女学校の三年生

まだ東京にいた頃、今で言う中学受験で

母は割といい女学校に通っていた

だから田舎に引っ越すと何故か

地域トップの女学校に編入できていた

今より "東京帰り" の特別感が

大きかった時代だ



『あの○○女学校に通う東京から来た才媛』と

憧れの目で見られていた母

(本当はのほほ〜んとした普通の人、

そんなに賢くは無い🤪)




おツナさんは憎い嫁の娘を蹴落とせば

嫁がギャフンと言うだろうとと魂胆だ

(おツナさんと母は血縁なのに…)

顔を見れば母に女学校なんか辞めて

家事をしろ、嫁にいけ、

女が勉強なんぞするなと言った



ほんとおバカだよ

おツナさんにとって祖母は

『息子の連れ子を実子のようにちゃんと

育ててくれている後妻』なのに




明るく働き者で愛想の良い祖母は

近所の人をあっという間に

全員味方につけていて勝ち目は無いから

とんでもない手を使ってきた




なんと孫娘に

『アンタの性悪母さんはアンタとは他人なのよ

アンタはお父さんの連れ子、だから私とアンタは

身内だけどあの性悪嫁とアンタは赤の他人、だから

私の言うことを聞け』




祖母が最新の注意を払っていた事を

思春期真っ只中の母にバラしたのだ。





ドラマだったらそこで孫娘は

ショックを受けて云々…

なんだけど現実は



母は

のほほ〜ん、ボケ〜っとしている割に気が強い




言い返しはしないけど

『何言ってんのこのクソババア

うすうす知ってたわ、

何があってもお母さんはお母さんだよ

他人はアンタじゃバーカ』

って心の中で罵ったんだって





それを母は祖母に淡々と

『おばあちゃんがこう言ってた』って報告




祖母は激怒




あっという間にご近所さんのツテで

市内に家を借りる手続きをした


そして次に姑に

『余所者、出ていけ、その可愛くない小娘も』

と言われた時に

『ああ、出て行きますよこんな家

あなたとなんかこれ以上一緒にいられません』

とタンカを切って

さっさと大八車に荷物を乗せてその場で

『さあ咲子、いくわよ』と家を出た。

大八車は近所の男衆がダッシュで引いてくれたらしい



ほぇ〜、お母さんスゲぇって

のほほ〜んとついて行った母が耳にした

祖母である姑の叫び声

『その荷物の紐私のじゃー、返せー』


出ていく2人は

『そんなん知るか、なぁ?』

と言ってたとの事





長くなりましたが

人間関係って大事ですね。

新居を手配してくれたご近所さん

大八車を引いてダッシュしてくれたご近所さん


短い期間にこれだけの人望を得た

祖母は賢い人だった

学歴はないけど逞しい生活力だ



人はひとりでは生きていけない

でも周囲の人が助けてくれたら

独り立ちすることはできるんだよ

(結局ダメダメ旦那の祖父は自分の母親を捨てて

ノコノコと着いてきた(笑)

祖母も愛する旦那は許したみたい)