リオシラスには世直しの手伝いをしてほしいと言われているけど、別にそれは強制されている訳でも無いし。
もう少しこの辺りをふらふら見て回ろうかな。
地図を広げてみるとこのサイリサイアムから更に東に行くとかなり大きな湖があるみたい。
折角だしそっちまで足を延ばしてみようか。
わたしにもこの世界に来た理由、目的はあるけど、それは何をどうしたら解決できると言う物でもない。
龍姫の力を刀から引き出すにはこの世界で龍姫と語らいお互いの理解を深めることが必要だ。
龍姫はそれを”旅”と称したけど、実際にはそんなことをする必要も無く、のんびりと日々語らうだけでも目的は達成できるはずだ。
それが何時までかかるのかは分からないけど。
まぁつまりわざわざ自分から危険な事や面倒な事に首を突っ込む必要は無いってこと。
それなら折角珍しい世界に来たんだ。のんびりと観光させてもらった方が楽しいに決まってる。
そんなわけでその大きな湖を見にトラをてくてくと歩かせる。
それにしてもやっぱり何かに乗って移動できるって言うのは楽ね。
アカヴィリでは自転車があるけど、シロディールではそう言った足代わりになるものが無い。
行商をやってる身でもあるし、やっぱりこう言う動物がいると便利かもしれないわね。
シロディールに戻ったらわたしも馬か何か買おうかなぁ…。
そんなことを考えながら湖の畔にある漁村に辿り着いたんだけど…何か物騒な空気が満ちている。
「おい待て…見かけない顔だな」
村に入るなり衛兵に呼び止められる。
何でも今この村では誘拐事件が頻発しているらしい。
老若男女問わず行方不明者が多数いると言う。
このアンカリアと言う世界、どこに行っても事件に事欠かないらしい。
(そんなことはないぞよ?そなたが事件に引き寄せられているだけではないのか?)
「そんなことない…そんなことないと思うんだけど…」
わたしの語気が少しずつ弱くなる。
思い当る節が無いわけでもない…シロディールでは犯罪系のギルドに目を付けられるし、アカヴィリに戻れば特務隊エクスに編入されるし。
(どうもそなたは難儀な星の下に生まれたようじゃな)
確かにわたしは「最も祝福され、同時に最も呪われている」と言われる大蛇座の生まれだ。
そう言う意味では正にそう言う星の下に生まれたと言えるのかもしれない。
ただ呪われてる実感はあるけど、祝福された覚えは全くないのが納得いかないけど。
まったく呪術師が呪われてるなんて医者の不養生も良いところだわ。
…それはともかく誘拐事件らしい。
衛兵からの事情聴取は割と簡単に終わりわたしは解放されたわけだけど…どうしたものかしらね?
遊びに来たんだけどとても楽しめるような雰囲気では無い。
まだ日は高いけど早々に宿を取って一泊したら首都に戻ろうかしら?
これからの事を考えていると龍姫がまたあのマジカの波動を感じ取ったと言う。
あのサイリサイアムの下水で出会った凶悪犯にして死霊術師っぽいあの女。
あの時は逃げられてしまったんだけど、何の縁かこの近くにいるらしい。
となれば誘拐事件もあの女が関係してるかもしれない。
(何度も済まぬが…また頼めるかの?)
龍姫はどうにもあの同族の女が気になるらしい。
マジカの残滓を追いながら話を聞くに、どうも龍姫達の種族は世界の調和を守ることが役目らしい。
見た目の通り天使の様な存在だと言う。
それがあんな犯罪行為を働いているとなれば捨て置けない。
同族の外道は自分の手で粛清しないといけない。
と言うことらしい。
そして漁村近くにある洞窟に辿り着く。この奥に居るみたいね。
わたしは何時もの様にBFGを掲げて洞窟の暗がりに踏み込む。
「おや、また我が姉妹ではないか」
そこではあの時の女が数人の子供に向けて何か術を掛けているところだった。
止めろと言って聞く様な相手でもないだろう。
ならば手っ取り早く黙らせるには…。
わたしは手にしていたBFGを女に向ける。
「おっと、中々に良い判断だ。でもこれでも撃てるかな?」
そう言うと子供達が女を庇うように前に立つ。さっき掛けていたのは催眠術だったか。
く…これでは流石に撃てない。
そうこうしている間にまた女は瞬間転移で逃げてしまう。
そして残されたのは催眠が解けた子供数人。
話を聞くとやはりあの漁村の子らしい。
取り敢えず子供達を連れて村に戻る。
村の人達に感謝されつつ一泊し、観光気分も白けた翌日、首都への帰路に着く。
しかしなんだろう…あの女。一体何がしたいのか今一つ良く分からない。
首都では殺人、漁村では誘拐。そしてどうも死霊術的な魔法を使うみたいだし。
はぁ…嫌だなぁ。何か面倒臭いのとヘンな因縁が出来つつある気がする。
またどこかで何かやってるところに出くわすんだろうなぁ…。
わたしはげんなりしながらトラの背に揺られサイリサイアムへ続く道を進む。
もう少しこの辺りをふらふら見て回ろうかな。
地図を広げてみるとこのサイリサイアムから更に東に行くとかなり大きな湖があるみたい。
折角だしそっちまで足を延ばしてみようか。
わたしにもこの世界に来た理由、目的はあるけど、それは何をどうしたら解決できると言う物でもない。
龍姫の力を刀から引き出すにはこの世界で龍姫と語らいお互いの理解を深めることが必要だ。
龍姫はそれを”旅”と称したけど、実際にはそんなことをする必要も無く、のんびりと日々語らうだけでも目的は達成できるはずだ。
それが何時までかかるのかは分からないけど。
まぁつまりわざわざ自分から危険な事や面倒な事に首を突っ込む必要は無いってこと。
それなら折角珍しい世界に来たんだ。のんびりと観光させてもらった方が楽しいに決まってる。
そんなわけでその大きな湖を見にトラをてくてくと歩かせる。
それにしてもやっぱり何かに乗って移動できるって言うのは楽ね。
アカヴィリでは自転車があるけど、シロディールではそう言った足代わりになるものが無い。
行商をやってる身でもあるし、やっぱりこう言う動物がいると便利かもしれないわね。
シロディールに戻ったらわたしも馬か何か買おうかなぁ…。
そんなことを考えながら湖の畔にある漁村に辿り着いたんだけど…何か物騒な空気が満ちている。

「おい待て…見かけない顔だな」
村に入るなり衛兵に呼び止められる。
何でも今この村では誘拐事件が頻発しているらしい。
老若男女問わず行方不明者が多数いると言う。
このアンカリアと言う世界、どこに行っても事件に事欠かないらしい。
(そんなことはないぞよ?そなたが事件に引き寄せられているだけではないのか?)
「そんなことない…そんなことないと思うんだけど…」
わたしの語気が少しずつ弱くなる。
思い当る節が無いわけでもない…シロディールでは犯罪系のギルドに目を付けられるし、アカヴィリに戻れば特務隊エクスに編入されるし。
(どうもそなたは難儀な星の下に生まれたようじゃな)
確かにわたしは「最も祝福され、同時に最も呪われている」と言われる大蛇座の生まれだ。
そう言う意味では正にそう言う星の下に生まれたと言えるのかもしれない。
ただ呪われてる実感はあるけど、祝福された覚えは全くないのが納得いかないけど。
まったく呪術師が呪われてるなんて医者の不養生も良いところだわ。
…それはともかく誘拐事件らしい。
衛兵からの事情聴取は割と簡単に終わりわたしは解放されたわけだけど…どうしたものかしらね?
遊びに来たんだけどとても楽しめるような雰囲気では無い。
まだ日は高いけど早々に宿を取って一泊したら首都に戻ろうかしら?
これからの事を考えていると龍姫がまたあのマジカの波動を感じ取ったと言う。
あのサイリサイアムの下水で出会った凶悪犯にして死霊術師っぽいあの女。
あの時は逃げられてしまったんだけど、何の縁かこの近くにいるらしい。
となれば誘拐事件もあの女が関係してるかもしれない。
(何度も済まぬが…また頼めるかの?)
龍姫はどうにもあの同族の女が気になるらしい。
マジカの残滓を追いながら話を聞くに、どうも龍姫達の種族は世界の調和を守ることが役目らしい。
見た目の通り天使の様な存在だと言う。
それがあんな犯罪行為を働いているとなれば捨て置けない。
同族の外道は自分の手で粛清しないといけない。
と言うことらしい。
そして漁村近くにある洞窟に辿り着く。この奥に居るみたいね。
わたしは何時もの様にBFGを掲げて洞窟の暗がりに踏み込む。
「おや、また我が姉妹ではないか」
そこではあの時の女が数人の子供に向けて何か術を掛けているところだった。
止めろと言って聞く様な相手でもないだろう。
ならば手っ取り早く黙らせるには…。
わたしは手にしていたBFGを女に向ける。
「おっと、中々に良い判断だ。でもこれでも撃てるかな?」
そう言うと子供達が女を庇うように前に立つ。さっき掛けていたのは催眠術だったか。
く…これでは流石に撃てない。
そうこうしている間にまた女は瞬間転移で逃げてしまう。
そして残されたのは催眠が解けた子供数人。
話を聞くとやはりあの漁村の子らしい。
取り敢えず子供達を連れて村に戻る。
村の人達に感謝されつつ一泊し、観光気分も白けた翌日、首都への帰路に着く。
しかしなんだろう…あの女。一体何がしたいのか今一つ良く分からない。
首都では殺人、漁村では誘拐。そしてどうも死霊術的な魔法を使うみたいだし。
はぁ…嫌だなぁ。何か面倒臭いのとヘンな因縁が出来つつある気がする。
またどこかで何かやってるところに出くわすんだろうなぁ…。
わたしはげんなりしながらトラの背に揺られサイリサイアムへ続く道を進む。