クリスマスパーティも終わって翌日。
何時もの日常が戻ってくる。
学校に行って放課後はアビスの探索。

…これが日常と言うのも凄まじい話ね。
まぁそれはともかく。春花、穂波と一緒にお喋りしながら登校してわたしは高等部の教室に向かう。
その時だった。

「皆に褒められて、ちやほやされて…満足ですか?」
遭遇天羽ヴェルン 
いきなりの物言い。
言葉の主は…天羽ヴェルン!
「ふふ、まぁね…」
何かいきなり因縁つけられてかちんと来たので、わざと嫌味に聞こえる様に返事する。
最近は学校にも来てないって話だったけど…一体何かしら?
恐らくわたし、と言うかわたし達に何か用があって態々出てきたはずだ。

「貴女達は何も、何も知らないんですね。組織の事も」
「一体何なの?」
「…調べたことがあるんですか?…弱者を犠牲に…力を!」
またこれだ。
この天羽ヴェルンと言う男。人の話は一向に聞かず、自分の言いたいことだけひたすら言い続ける癖がある。

「本当は貴女達に…助けて欲しい」
「助ける?」
今度は助けろときたか。もう話に脈絡が無さすぎて何が言いたいのか、どうしたいのかが読めない。
「もし…真実を知って、それを知ったうえで…それでも”彼”と戦い続けると言うのなら…僕も…僕の戦いを続けますよ、最後まで」

それだけ言うと天羽はふらりと姿を消した。
そして入れ替わりにしずなが出てくる。
恐らくどこかで海斗と共にモニターしていたのだろう。
「今の天羽の話…うぅん。何でもない…」
そう言うとしずなは端末で校内にひっそりと張られていた厳戒態勢を解く。
そして小声でわたしに
「例の任務を出しておくから、後でお願い」
それだけ言うとしずなも去って行った。

そして放課後。
しずなは簡単なマテリアルの収集にかこつけてわたし達を呼び出す。
一応わたし達も指定されたマテリアルをしずなの端末に転送するが、本当の話はここからだ。
「君達は知ってる?千代田大本営って場所」
そう前置いてしずなは話を始める。
御門水道を経由して千代田坑道に入った先にあると言う昔の司令所に来て欲しいと言う。
何だかややこしい場所みたいね。

わたし達は探索を兼ねてまずは御門水道に。
「ブラッドサンプルの反応、あります」
ふむ、ここにもあるのか。
じゃぁ探しがてらその千代田大本営に向かうとしますか。