ブルーマを発ち何時ものルートでコロールの方を回ってブラヴィルを目指す…はずだったんだけど。
「アンタ、凄い霊魂の匂いがするな。余程召喚魔法を使ってるんだな」
コロールの支部で召喚術について感心される。
「今以上に召喚術を使いこなしたかったらあいつに会ってみると良いよ」
そう言って召喚術の達人が居ると言う場所を教えてもらった。
別に今更人に教わらなくてもと思うけど、何か面白い話が聞けるかもしれない。
ちょっと寄り道してみようかな、と思いその場所まで行ってみたんだけど…これがいけなかった。
確かにそこに召喚術の達人は居た。その達人にわたしの腕前を認めさせることも出来た。
でも…。
そこはモラグ・バルの祠だった。
「我が望みは苦悶と死だ」
モラグ・バルはわたしにある男の魂を踏みにじるよう命令してくる。
その男の名はメラス・ベティラス。
「こいつは善良で名誉を重んじる吐き気のする奴だ。お前はこの呪われたメイスで奴に撲殺されて来い。もしお前がその命を投げ出せるなら、その小さき命を救ってやる」
とんでもない事を言い出す。
そのメラスにこのメイスを持たせて、それでわたしは殴り殺されないといけないなんて冗談じゃない。
モラグ・バルはそれだけの覚悟があるなら助けてくれると言うけど…相手が相手だ。おいそれと信用できるわけがない。
だが、このモラグ・バル。デイドラ王の中でも札付きの悪党で有名だ。
逆らったりしようものなら間違いなく呪い殺されるだろう。
つまり進むも死、退くも死。どうやっても死ぬしかない…。
はぁ……何でこうなるかな。
わたしは祠の南にある小さな村までやってきた。
ここにそのメラスがいるはずなんだけど…。
住人に聞いてみると
「気の毒な人さ。この近辺で起こるトラブルに嫌な顔もせず取り組んでくれる良い人なんだけどさ。最近奥さんを亡くされてね。それっきりすっかり塞ぎこんじまってる」
何でもちょっとした戦役で家を離れてる間に奥さんが熱病にやられてしまったそうで。
その奥さんの死に目に会えなかったことを悔いて喪に服し、毎日墓参りを欠かさずしているんだと言う。
「済まない。今は妻の喪に服している。誰にも会いたくないんだ」
メラスを訪ねては見たものの、ただ静かに黙祷を続ける。
腕の良い戦士だと聞いていたけど、まるで覇気が感じられない。
試しに怒りの精霊を呼び出してメラスに憑依させてみたんだけど…それでも彼の心を曲げることは出来なかった。
どうしよう?
何とかしても死ぬ可能性が高い。
何とかできなくても恐らく死ぬ。
わたしはまだ死にたくない。
どうすれば良い?
………
わたしはモラグ・バルから預かった呪いのメイスを手に取ると…目の前にある奥さんの墓標に殴りかかった。
「貴様!何をしている!?」
驚いたメラスはわたしからメイスを奪い取り…
「怒りに任せて武器を取らないと誓った身だが…貴様は最も神聖なこの場所で私の名誉に泥を塗った!」
そのメイスでわたしを殴り殺そうとする。
咄嗟に反撃すべく身体が動こうとするけど…堪えないといけない。
メイスで頭を肩を腕を滅多打ちにされる。
痛い!
逃げるわけにもいかずその場でうずくまると背中に鈍痛が走る。
怖い!本当に死んじゃう!
痛みで意識が霞む。恐怖で心が冷える。
「使命を果たしたようだな。これでまた一人、魂を汚し台無しにしてやったぞ」
その瞬間だった。
モラグ・バルの思念が届き、痛みが途絶える。
回りを見渡すと何時の間にか祠に戻ってきていたらしい。
「そしてお前は褒美を手に出来る。割の良い話だろう?」
そう言うと今度は別のメイスを渡される。
わたしにはとても使いこなせそうも無いメイスだけど、強力な呪詛がかかっているのは確かね。あんな思いをした割に合うかと言われると素直に賛同できないけど。
「アンタ、凄い霊魂の匂いがするな。余程召喚魔法を使ってるんだな」
コロールの支部で召喚術について感心される。
「今以上に召喚術を使いこなしたかったらあいつに会ってみると良いよ」
そう言って召喚術の達人が居ると言う場所を教えてもらった。
別に今更人に教わらなくてもと思うけど、何か面白い話が聞けるかもしれない。
ちょっと寄り道してみようかな、と思いその場所まで行ってみたんだけど…これがいけなかった。
確かにそこに召喚術の達人は居た。その達人にわたしの腕前を認めさせることも出来た。
でも…。
そこはモラグ・バルの祠だった。

「我が望みは苦悶と死だ」
モラグ・バルはわたしにある男の魂を踏みにじるよう命令してくる。
その男の名はメラス・ベティラス。
「こいつは善良で名誉を重んじる吐き気のする奴だ。お前はこの呪われたメイスで奴に撲殺されて来い。もしお前がその命を投げ出せるなら、その小さき命を救ってやる」
とんでもない事を言い出す。
そのメラスにこのメイスを持たせて、それでわたしは殴り殺されないといけないなんて冗談じゃない。
モラグ・バルはそれだけの覚悟があるなら助けてくれると言うけど…相手が相手だ。おいそれと信用できるわけがない。
だが、このモラグ・バル。デイドラ王の中でも札付きの悪党で有名だ。
逆らったりしようものなら間違いなく呪い殺されるだろう。
つまり進むも死、退くも死。どうやっても死ぬしかない…。
はぁ……何でこうなるかな。
わたしは祠の南にある小さな村までやってきた。
ここにそのメラスがいるはずなんだけど…。
住人に聞いてみると
「気の毒な人さ。この近辺で起こるトラブルに嫌な顔もせず取り組んでくれる良い人なんだけどさ。最近奥さんを亡くされてね。それっきりすっかり塞ぎこんじまってる」
何でもちょっとした戦役で家を離れてる間に奥さんが熱病にやられてしまったそうで。
その奥さんの死に目に会えなかったことを悔いて喪に服し、毎日墓参りを欠かさずしているんだと言う。
「済まない。今は妻の喪に服している。誰にも会いたくないんだ」
メラスを訪ねては見たものの、ただ静かに黙祷を続ける。
腕の良い戦士だと聞いていたけど、まるで覇気が感じられない。
試しに怒りの精霊を呼び出してメラスに憑依させてみたんだけど…それでも彼の心を曲げることは出来なかった。
どうしよう?
何とかしても死ぬ可能性が高い。
何とかできなくても恐らく死ぬ。
わたしはまだ死にたくない。
どうすれば良い?
………
わたしはモラグ・バルから預かった呪いのメイスを手に取ると…目の前にある奥さんの墓標に殴りかかった。
「貴様!何をしている!?」
驚いたメラスはわたしからメイスを奪い取り…
「怒りに任せて武器を取らないと誓った身だが…貴様は最も神聖なこの場所で私の名誉に泥を塗った!」
そのメイスでわたしを殴り殺そうとする。
咄嗟に反撃すべく身体が動こうとするけど…堪えないといけない。
メイスで頭を肩を腕を滅多打ちにされる。
痛い!
逃げるわけにもいかずその場でうずくまると背中に鈍痛が走る。
怖い!本当に死んじゃう!
痛みで意識が霞む。恐怖で心が冷える。
「使命を果たしたようだな。これでまた一人、魂を汚し台無しにしてやったぞ」
その瞬間だった。
モラグ・バルの思念が届き、痛みが途絶える。
回りを見渡すと何時の間にか祠に戻ってきていたらしい。
「そしてお前は褒美を手に出来る。割の良い話だろう?」
そう言うと今度は別のメイスを渡される。
わたしにはとても使いこなせそうも無いメイスだけど、強力な呪詛がかかっているのは確かね。あんな思いをした割に合うかと言われると素直に賛同できないけど。