アンヴィルでの推薦状を取り付けスキングラードまで戻ってきたところで嫌な客を迎えることになった。
闇の一党からの伝令だ。
「少し風変わりな依頼があるんだよ」
ヴィンセンテも困惑顔で依頼について説明を始める。
何と今回の仕事は殺してはいけないらしい。
依頼人を死んだように見せかけるのが今回の仕事だ。
基本的に闇の一党は偽装殺人は請け負わない方針らしいんだけど、今回は特別だそうで。
なんで特別なのか理由を聞くと…。
「シシスは血を求めていて、必ず血を代償として払わないといけないんだけど…今回モティエールは自分の母親を血の代償として差し出したんだ」
なにそれ最悪。
何でそこまで死んだふりをしたいのか知らないけど、お母さんを身代わりにしてまで生き延びたいのか。
そしてヴィンセンテから二つの品を受け取る。
一つは毒の塗られたナイフ。
もう一つはその毒の解毒薬。
ナイフの毒はランガワインと呼ばれる即効性のある毒で、一度打ち込まれると仮死状態になってしまう。
それを後日解毒薬で中和してモティエールを逃がせと言う。
「ルシエンが言っていたのは君か」
コロールのモティエールを訪ねると待っていましたとばかりに喜色満面でわたしを迎える。
何でも闇金に手を出したは良いが、その借金を踏み倒してしまいヤクザ者から命を狙われていると言う。
そこで死んだふりをして姿をくらまそうと言うのが彼の筋書きだ。
…そんなことのためにお母さんを売ったの?後で呪い殺してやろうかしら?
「ともかく殺し屋が来たら一芝居するから、奴らより先に俺をその毒でやってくれ。そして奴らを殺すことなく逃げるんだ。良いね?」
殺し屋の連中には生きて帰って闇金の元締めに事の次第を報告させないといけないと言う。
わたしはその後霊廟で彼の遺体に解毒薬を打ち込み蘇生する、と。
そこまで打ち合わせたときに扉が乱暴に叩き割られる。
「さぁてぇ…お前の命を貰いに来たぜぇ?…って何だそいつは?」
殺し屋が舌なめずりをしながら家に押し入ってきてモティエールに脅しをかけたところでわたしに気付いたようだ。
「あぁぁ!なんてこった!借金取りだけじゃなく闇の一党まで!!」
大根役者ここに極まれりと言った出来の悪い芝居で自らの不幸を嘆くモティエール。
「わはは!随分とやんちゃしてるみたいだな?おいそこのお前。こいつはオレの獲物だ。手ぇ出すなよ?」
芝居に付き合うのも馬鹿馬鹿しい。
わたしは毒の仕込まれたナイフでモティエールを撫でる様に斬る。
そのまま倒れ伏すモティエール。
それを死んだと思い込んだ殺し屋が怒ってわたしに襲い掛かる!
これを殺しちゃいけないのか…。
わたしは身を翻すとコロールの街中に転がり出てそのまま街の外まで逃げる。
流石にそこまでは追ってこないようで、漸く一息吐く。
でもこれで終わりじゃない。
コロールから離れて一晩過ごし、翌日。
霊廟に彼を迎えに行く。
…しかし本当に凄いわね。仮死状態って言うけど呼吸すらしてない。
ここまで精巧な毒はわたしでも作れないわ。
一しきり感心すると解毒薬を投与する。
これまでぴくりとも動かなかったモティエールがうめき声を出す。
「大丈夫?」
「うぅ…ちょっと体が強張るけど…何とか動けるよ」
そこまで言うとモティエールの表情が歪む。
ん?何か副作用でも出たか?
「まずいな…ここには家の一族が葬られてるんだけど…今回のことでご先祖が怒ってるみたいだ…うわ!?マーガレット叔母さん!勘弁!」
霊廟の中には憤怒に燃える彼の一族が起き上がっていた。
まぁそれだけの事はしてると思う。わたしは見捨てて逃げようかと思ったんだけど、わたしも共犯者と思ってるらしく区別なく襲い掛かってくる。
結局わたしはモティエールと一緒になって地下霊廟から逃げ出し、そのまま高跳びの準備をしていたと言うグレイメア亭、つまり何時もの安宿に転がり込む。
「ふぅ…助かった。これでシロディールを脱出できそうだ。ありがとう」
全くこう言う奴に限って生き延びるから困るわね。
闇の一党からの伝令だ。
「少し風変わりな依頼があるんだよ」
ヴィンセンテも困惑顔で依頼について説明を始める。
何と今回の仕事は殺してはいけないらしい。
依頼人を死んだように見せかけるのが今回の仕事だ。
基本的に闇の一党は偽装殺人は請け負わない方針らしいんだけど、今回は特別だそうで。
なんで特別なのか理由を聞くと…。
「シシスは血を求めていて、必ず血を代償として払わないといけないんだけど…今回モティエールは自分の母親を血の代償として差し出したんだ」
なにそれ最悪。
何でそこまで死んだふりをしたいのか知らないけど、お母さんを身代わりにしてまで生き延びたいのか。
そしてヴィンセンテから二つの品を受け取る。
一つは毒の塗られたナイフ。
もう一つはその毒の解毒薬。
ナイフの毒はランガワインと呼ばれる即効性のある毒で、一度打ち込まれると仮死状態になってしまう。
それを後日解毒薬で中和してモティエールを逃がせと言う。
「ルシエンが言っていたのは君か」
コロールのモティエールを訪ねると待っていましたとばかりに喜色満面でわたしを迎える。
何でも闇金に手を出したは良いが、その借金を踏み倒してしまいヤクザ者から命を狙われていると言う。
そこで死んだふりをして姿をくらまそうと言うのが彼の筋書きだ。
…そんなことのためにお母さんを売ったの?後で呪い殺してやろうかしら?
「ともかく殺し屋が来たら一芝居するから、奴らより先に俺をその毒でやってくれ。そして奴らを殺すことなく逃げるんだ。良いね?」
殺し屋の連中には生きて帰って闇金の元締めに事の次第を報告させないといけないと言う。
わたしはその後霊廟で彼の遺体に解毒薬を打ち込み蘇生する、と。
そこまで打ち合わせたときに扉が乱暴に叩き割られる。
「さぁてぇ…お前の命を貰いに来たぜぇ?…って何だそいつは?」
殺し屋が舌なめずりをしながら家に押し入ってきてモティエールに脅しをかけたところでわたしに気付いたようだ。
「あぁぁ!なんてこった!借金取りだけじゃなく闇の一党まで!!」
大根役者ここに極まれりと言った出来の悪い芝居で自らの不幸を嘆くモティエール。
「わはは!随分とやんちゃしてるみたいだな?おいそこのお前。こいつはオレの獲物だ。手ぇ出すなよ?」
芝居に付き合うのも馬鹿馬鹿しい。
わたしは毒の仕込まれたナイフでモティエールを撫でる様に斬る。
そのまま倒れ伏すモティエール。
それを死んだと思い込んだ殺し屋が怒ってわたしに襲い掛かる!
これを殺しちゃいけないのか…。
わたしは身を翻すとコロールの街中に転がり出てそのまま街の外まで逃げる。
流石にそこまでは追ってこないようで、漸く一息吐く。
でもこれで終わりじゃない。
コロールから離れて一晩過ごし、翌日。
霊廟に彼を迎えに行く。
…しかし本当に凄いわね。仮死状態って言うけど呼吸すらしてない。

ここまで精巧な毒はわたしでも作れないわ。
一しきり感心すると解毒薬を投与する。
これまでぴくりとも動かなかったモティエールがうめき声を出す。
「大丈夫?」
「うぅ…ちょっと体が強張るけど…何とか動けるよ」
そこまで言うとモティエールの表情が歪む。
ん?何か副作用でも出たか?
「まずいな…ここには家の一族が葬られてるんだけど…今回のことでご先祖が怒ってるみたいだ…うわ!?マーガレット叔母さん!勘弁!」
霊廟の中には憤怒に燃える彼の一族が起き上がっていた。
まぁそれだけの事はしてると思う。わたしは見捨てて逃げようかと思ったんだけど、わたしも共犯者と思ってるらしく区別なく襲い掛かってくる。
結局わたしはモティエールと一緒になって地下霊廟から逃げ出し、そのまま高跳びの準備をしていたと言うグレイメア亭、つまり何時もの安宿に転がり込む。
「ふぅ…助かった。これでシロディールを脱出できそうだ。ありがとう」
全くこう言う奴に限って生き延びるから困るわね。