ようやく街道に戻り、アンヴィルへの旅を再開する。
その道すがらにはクヴァッチ。
…今はどんな感じなのかしら?
あの襲撃事件からもうかなりの日が経つ。
様子見がてら立ち寄ってみたんだけど…相変わらず難民キャンプは人で溢れていた。
まだまだ復興は遠いみたいね。
キャンプを離れてクヴァッチの周囲をぐるっと一回りしてみる。
被災したのは街だけなので、その周辺は特に何もなく…と思ったら廃屋になった農家があった。
廃屋と言ってもまだ建物はそんなに傷んでいない。
ちょっと掃除すればすぐに住める状態だ。
でも畑は手入れがされていないようで荒れ放題。
クヴァッチが襲われた時に驚いて逃げてそれっきり、って感じかしらね?
そう思いながら農家に入ってみると書置きが残されていた。
別にわたしに宛てたものではないだろうけど、何となく読んでみると…。
どうやらここの主人は何か土着の信仰を受け継いでいるらしく、クヴァッチの被災はそれに関係があると勘違いしているようね。
一体何を信仰しているのかは分からないけど、”沈みし者”と言う存在がクヴァッチを焼き払ったと思っている様だ。
そしてその怒りを鎮めるべく供物を捧げに行くと書かれていた。
でもそれにしては随分と長い旅ね。
余程遠くまで行ってるのかしら?
書置きを読み進めると、どうも向かった先はこの農家の敷地内にある洞窟らしい。
と言うことは洞窟で何かあったのかもしれない。
わたしは別に頼まれたわけでもないんだけど、その洞窟を見てみることにした。
洞窟に住み着いてるのは野生動物とまぁ一般的な怪物の類。
霊的なものや、デイドラに関するような連中は見当たらない。
となると一種の自然崇拝な感じの信仰ってことか。
洞窟そのものも自然な洞窟で、これと言って仕掛けがあるわけでもない。
そんな折、地面に落ちている紙を見付けた。
拾ってみるとどうも農家の人が書き残した手記のようだった。
内容は”沈みし者”へと向かう道中の危険を試練と捉えつつも、自分の信仰心が届いていないことへの不満が綴られていた。
それでも世界の為に、人類の為にと意を決して更に奥へと進んでいったみたい。
この洞窟がどこまで続くのか知らないけど、わたしも更に奥へと進んでいく。
結局洞窟の行き止まり、恐らく最深部だろう。
そこまで行きつくとそこには一人の男が倒れ伏しているのを見付けることになった。
男はすでに事切れていて、傍らには供物と思われる包みと…手帳が落ちていた。
わたしは亡骸に手を合わせると手帳に目を通した。
どうもここに辿り着くまでに怪物と出くわし、深手を負ってしまったらしい。
”沈みし者”の怒りを鎮められなかった自分を悔やみ、人類の行く末を案じたまま彼は天に召されたのだ。
…何と言う結末か。
今回の一件にその”沈みし者”は関わっていないと言うのに。
これじゃまるで無駄死にだわ。
そう思った瞬間、背後に大きな気配が!
わたしが振り向くとそこには嵐の精霊がその大きな拳を振り下ろす、正にその時だった!
「くっ!」
咄嗟に身を投げ出しその一撃は避けられたけど、叩きつけられた拳から衝撃波のように紫電が迸りわたしの身体を捉える。
かなりの衝撃に意識が朦朧とする…どうする?
洞窟の帰り道を塞ぐように立ちはだかる嵐の精霊。
しかし一体どこから?ここまで来る途中にこんなのはいなかったはずなのに。
もしやこれが”沈みし者”?
これに農家のおじさんもやられたのか?
だとしたら…あのおじさんの信仰はまるで意味のない物だったことになる。
「ふぅ、えらい目にあったわね」
洞窟を出るとまだ日は高く、その眩しさに目を細める。
洞窟の中に吹き荒れた嵐は去った。
この信仰を受け継いでる人もいないとは思うけど、もうこの先犠牲者が出ることはないだろう。
その道すがらにはクヴァッチ。
…今はどんな感じなのかしら?
あの襲撃事件からもうかなりの日が経つ。
様子見がてら立ち寄ってみたんだけど…相変わらず難民キャンプは人で溢れていた。

まだまだ復興は遠いみたいね。
キャンプを離れてクヴァッチの周囲をぐるっと一回りしてみる。
被災したのは街だけなので、その周辺は特に何もなく…と思ったら廃屋になった農家があった。
廃屋と言ってもまだ建物はそんなに傷んでいない。
ちょっと掃除すればすぐに住める状態だ。
でも畑は手入れがされていないようで荒れ放題。
クヴァッチが襲われた時に驚いて逃げてそれっきり、って感じかしらね?
そう思いながら農家に入ってみると書置きが残されていた。
別にわたしに宛てたものではないだろうけど、何となく読んでみると…。
どうやらここの主人は何か土着の信仰を受け継いでいるらしく、クヴァッチの被災はそれに関係があると勘違いしているようね。
一体何を信仰しているのかは分からないけど、”沈みし者”と言う存在がクヴァッチを焼き払ったと思っている様だ。
そしてその怒りを鎮めるべく供物を捧げに行くと書かれていた。
でもそれにしては随分と長い旅ね。
余程遠くまで行ってるのかしら?
書置きを読み進めると、どうも向かった先はこの農家の敷地内にある洞窟らしい。
と言うことは洞窟で何かあったのかもしれない。
わたしは別に頼まれたわけでもないんだけど、その洞窟を見てみることにした。
洞窟に住み着いてるのは野生動物とまぁ一般的な怪物の類。
霊的なものや、デイドラに関するような連中は見当たらない。
となると一種の自然崇拝な感じの信仰ってことか。
洞窟そのものも自然な洞窟で、これと言って仕掛けがあるわけでもない。
そんな折、地面に落ちている紙を見付けた。
拾ってみるとどうも農家の人が書き残した手記のようだった。
内容は”沈みし者”へと向かう道中の危険を試練と捉えつつも、自分の信仰心が届いていないことへの不満が綴られていた。
それでも世界の為に、人類の為にと意を決して更に奥へと進んでいったみたい。
この洞窟がどこまで続くのか知らないけど、わたしも更に奥へと進んでいく。
結局洞窟の行き止まり、恐らく最深部だろう。
そこまで行きつくとそこには一人の男が倒れ伏しているのを見付けることになった。
男はすでに事切れていて、傍らには供物と思われる包みと…手帳が落ちていた。
わたしは亡骸に手を合わせると手帳に目を通した。
どうもここに辿り着くまでに怪物と出くわし、深手を負ってしまったらしい。
”沈みし者”の怒りを鎮められなかった自分を悔やみ、人類の行く末を案じたまま彼は天に召されたのだ。
…何と言う結末か。
今回の一件にその”沈みし者”は関わっていないと言うのに。
これじゃまるで無駄死にだわ。
そう思った瞬間、背後に大きな気配が!
わたしが振り向くとそこには嵐の精霊がその大きな拳を振り下ろす、正にその時だった!
「くっ!」
咄嗟に身を投げ出しその一撃は避けられたけど、叩きつけられた拳から衝撃波のように紫電が迸りわたしの身体を捉える。
かなりの衝撃に意識が朦朧とする…どうする?
洞窟の帰り道を塞ぐように立ちはだかる嵐の精霊。
しかし一体どこから?ここまで来る途中にこんなのはいなかったはずなのに。
もしやこれが”沈みし者”?
これに農家のおじさんもやられたのか?
だとしたら…あのおじさんの信仰はまるで意味のない物だったことになる。
「ふぅ、えらい目にあったわね」
洞窟を出るとまだ日は高く、その眩しさに目を細める。
洞窟の中に吹き荒れた嵐は去った。
この信仰を受け継いでる人もいないとは思うけど、もうこの先犠牲者が出ることはないだろう。