スキングラードで推薦状を書いてもらったのでここからは普段いかないアンヴィル方面に足を延ばす。
この黄金街道沿いには亜麻がこれでもかと群生しているので、その種を摘みながらのんびりと旅をする。
亜麻の種と言うのは錬金術師にとっては非常に重要な素材で、主にマジカの回復薬の材料として使われるんだけど、魔法の霊薬としても万能に使える。
危険から身を守る霊薬や、物に振りかけると軽くなる軽量化の霊薬、それだけでなく毒としても使える。
本当に無駄がない素材だ。
そんな話はともかくわたしは一路西へと旅路を行く。
はずだったんだけど…気付いたら結構山の中まで来てしまっていた。
「えっと、どこらへんかしら?」
随分と街道から外れてしまっていたようで、周りを見ても野原と木々が見えるばかり。
まいったわね。亜麻に釣られて遭難とか末代までの恥になってしまう。
とその時、一軒の農家が見えた。あそこで道を聞こう、そう思って訪ねたんだけど…。
「アンタ弓を持ってるところ見ると狩人だろ?ちょっと助けてくれないか?」
わたしは薬師だと言っても農家のおじさんは聞いてくれず…
「最近熊が多くて困ってるんだ。この前なんかうちの柵をぶち壊して羊を何頭かやられちまったし」
とにかく熊を追っ払ってくれの一点張り。
「もし熊をどうにかしてくれたら道を教えてもいいぞ?」
とまで脅迫してくる始末。
…はぁ、何でこうなるかなぁ。
わたしは結局熊狩りに行く羽目になってしまった。
農場の回りをぐるりと一周回って様子を見てみる。
…うん、確かにそこかしこに熊がいる。
しかも群れを成してるようでここら辺一帯を縄張りにしてるみたいだ。
大体の分布も分かったし、始めるとしますか。
やらないと終わらないし。
と言うことでこっそりと木陰から矢を射かける。
ここまでは特に問題は無かった…んだけど、矢が熊に刺さった瞬間わたしは後悔することになる。
矢を受けて暴れた一頭に反応してあちこちから仲間の熊が集まってくる…。
そしてわたしは何頭もの熊に追い掛け回されながら残り少なくなった毒矢で応戦する。
こんなに大勢に囲まれたらたまらない。わたしは冷や汗と共に大地を踏み鳴らすと生霊を呼び出す。
こんな時は呪術師ではなく、普通の召喚士になっておけば良かったと悔やまれる。
この手の動物は幽霊や生霊を呼び起こしても大して気にしてくれないのよね。
人間相手だとかなり怖がって怯んでくれたりするんだけど…。
動物を相手にするときはデイドロスとかドレモラみたいな迫力のある実体を持った奴を召喚したくなる。
そんな時だった…。
命がけで熊と戦っている最中にわたしに思念を飛ばしてくる奴がいる。
「亡者は穢れに満ち摂理に反したもの…」
わたしが生霊を使役していることに抗議するように語りかけてくるんだけど、こっちはそれどころじゃない。
「うっさいわね!ちょっと黙ってて!」
わたしが声の主も確認せず苛立ちながら返事する。
「何と言う無礼な口振り…!」
語りかけてきた奴が怒気を孕んだ思念をぶつけてくる。
「話は後で聞くから!今手一杯なの!見ればわかるでしょ!?」
「ぐぬぬ…」
わたしも怒鳴り返しながら毒矢を次々と放つ。
結局かなりの数の熊を仕留め、農場に戻る。
「おぉぉ!すげぇよアンタ!あの熊をこんなにやってくれたのか!ほんとすげえよ!」
農家のおじさんはわたしを称賛する。
そして街道までの道を教えてもらい…
「これだけじゃ流石に割があわんだろ?この本持っていきなよ。貴重な古文書らしいんだが、うちに有ってもしょうがないしな」
そう言って一冊の本をくれる。
ふむ?これは結構値打ち物みたいね。あの苦労の対価にはまだちょっと足りない気もするけどまぁ良いか。
そう思って街道に戻ろうとした時だった。
「貴様…よもや忘れたわけではあるまいな?」
…あぁそう言えば何か…思念が届いてたような…?
思念…?
わたしは再び冷や汗を流すことになる。
まずい…非常にマズイ。
さっきデイドラの王に怒鳴り返した様な気がする…。
どうなるわたし?
この黄金街道沿いには亜麻がこれでもかと群生しているので、その種を摘みながらのんびりと旅をする。
亜麻の種と言うのは錬金術師にとっては非常に重要な素材で、主にマジカの回復薬の材料として使われるんだけど、魔法の霊薬としても万能に使える。
危険から身を守る霊薬や、物に振りかけると軽くなる軽量化の霊薬、それだけでなく毒としても使える。
本当に無駄がない素材だ。
そんな話はともかくわたしは一路西へと旅路を行く。
はずだったんだけど…気付いたら結構山の中まで来てしまっていた。
「えっと、どこらへんかしら?」
随分と街道から外れてしまっていたようで、周りを見ても野原と木々が見えるばかり。
まいったわね。亜麻に釣られて遭難とか末代までの恥になってしまう。
とその時、一軒の農家が見えた。あそこで道を聞こう、そう思って訪ねたんだけど…。
「アンタ弓を持ってるところ見ると狩人だろ?ちょっと助けてくれないか?」
わたしは薬師だと言っても農家のおじさんは聞いてくれず…
「最近熊が多くて困ってるんだ。この前なんかうちの柵をぶち壊して羊を何頭かやられちまったし」
とにかく熊を追っ払ってくれの一点張り。
「もし熊をどうにかしてくれたら道を教えてもいいぞ?」
とまで脅迫してくる始末。
…はぁ、何でこうなるかなぁ。
わたしは結局熊狩りに行く羽目になってしまった。
農場の回りをぐるりと一周回って様子を見てみる。
…うん、確かにそこかしこに熊がいる。
しかも群れを成してるようでここら辺一帯を縄張りにしてるみたいだ。
大体の分布も分かったし、始めるとしますか。
やらないと終わらないし。
と言うことでこっそりと木陰から矢を射かける。
ここまでは特に問題は無かった…んだけど、矢が熊に刺さった瞬間わたしは後悔することになる。
矢を受けて暴れた一頭に反応してあちこちから仲間の熊が集まってくる…。
そしてわたしは何頭もの熊に追い掛け回されながら残り少なくなった毒矢で応戦する。
こんなに大勢に囲まれたらたまらない。わたしは冷や汗と共に大地を踏み鳴らすと生霊を呼び出す。
こんな時は呪術師ではなく、普通の召喚士になっておけば良かったと悔やまれる。
この手の動物は幽霊や生霊を呼び起こしても大して気にしてくれないのよね。
人間相手だとかなり怖がって怯んでくれたりするんだけど…。
動物を相手にするときはデイドロスとかドレモラみたいな迫力のある実体を持った奴を召喚したくなる。
そんな時だった…。
命がけで熊と戦っている最中にわたしに思念を飛ばしてくる奴がいる。
「亡者は穢れに満ち摂理に反したもの…」
わたしが生霊を使役していることに抗議するように語りかけてくるんだけど、こっちはそれどころじゃない。
「うっさいわね!ちょっと黙ってて!」
わたしが声の主も確認せず苛立ちながら返事する。
「何と言う無礼な口振り…!」
語りかけてきた奴が怒気を孕んだ思念をぶつけてくる。
「話は後で聞くから!今手一杯なの!見ればわかるでしょ!?」
「ぐぬぬ…」
わたしも怒鳴り返しながら毒矢を次々と放つ。
結局かなりの数の熊を仕留め、農場に戻る。

「おぉぉ!すげぇよアンタ!あの熊をこんなにやってくれたのか!ほんとすげえよ!」
農家のおじさんはわたしを称賛する。
そして街道までの道を教えてもらい…
「これだけじゃ流石に割があわんだろ?この本持っていきなよ。貴重な古文書らしいんだが、うちに有ってもしょうがないしな」
そう言って一冊の本をくれる。
ふむ?これは結構値打ち物みたいね。あの苦労の対価にはまだちょっと足りない気もするけどまぁ良いか。
そう思って街道に戻ろうとした時だった。
「貴様…よもや忘れたわけではあるまいな?」
…あぁそう言えば何か…思念が届いてたような…?
思念…?
わたしは再び冷や汗を流すことになる。
まずい…非常にマズイ。
さっきデイドラの王に怒鳴り返した様な気がする…。
どうなるわたし?