マゾーガは自称ではない本物の騎士になれるとあって大喜びでその話を受けてしまった。
伯爵とマゾーガの視線がわたしに注がれる。
正直騎士とか興味は無いんだけど…何だか断り辛い空気が充満している。
結局わたしもその盗賊狩りに参加することになってしまった。
「でもその盗賊団はどこにいるんですか?」
「そなたの報告を聞くにマゾーガは少々後ろ暗い過去を持つようだな。ひょっとしたら何か知ってるかもしれんぞ?」
まさかそんな…と思うけど、確かに当てがないので駄目もとでマゾーガに相談してみると…
「あぁ、ブルーゴなら知ってるぞ」
…本当に知ってるとはね。
マゾーガが教えてくれるに、黒弓団はテリープと呼ばれるアイレイドの遺跡を根城にしていて、そこで分け前の分配とかをやってるんだそうな。
ちなみにマゾーガ本人もその黒弓団で「仕事」をしていたことがあるらしい。
…こんなのを騎士に取り立てて良いのか?レヤウィン伯爵。
「では早速行くとしよう。奴を倒して我ら二人、騎士になるのだ!」
レヤウィンにほど近い林の中にその遺跡はあった。
時刻は日付が変わった頃。マゾーガの話では今頃丁度分け前の取り分を決めている頃のはずだ。
わたしはそっと遺跡に近付こうとしたんだけど…マゾーガは剣を抜くや大声を上げて遺跡に突撃する。
ちょっと!やめてよ!
わたしの不意を打つ何時もの作戦は身内によって崩壊を余儀なくされた。
埋伏の毒とはこのことを言うのかしら?
…いや違うわね。マゾーガは別に黒弓団の間者ってわけでも無いだろうし。
結局討ち入りみたいに遺跡に踏み込み乱戦になる。
まぁ黒弓団からしたらいきなり強襲された格好になるので浮足立っていた。
期せずして不意打ちの効果は得られたみたいね。
そのまま勢いで押切り、何とか黒弓団を壊滅させられた。
「これで私は騎士になれるのか?」
「伯爵が約束を破るようなこともないだろうから成れるんじゃない?」
余程嬉しいのかマゾーガは破顔しっぱなしだ。
わたし達はレヤウィンに戻り、翌朝になってそのことを伯爵に報告する。
「やってくれたか!」
かくしてわたし達はその場で騎士の叙勲を受ける。
「今与えた騎士の称号に伴う物を授ける。白馬山荘とレヤウィン紋の刻まれたこの盾だ」
そう言うと一本の鍵と一枚の盾を受け取る。
白馬山荘と言うのはレヤウィン郊外にある白馬騎士団の詰所だと言う。
…図らずして家、のようなものを手に入れてしまったわね。
でもマゾーガと共同生活ってことになるみたい。
別にマゾーガは悪い人じゃないんだけど、やっぱり一人で落ち着ける家が欲しいわね。
そして盾だけど…騎士なら正々堂々と真向から剣で戦え、ってことなのかしら?
魔法耐性を備えた盾になっていて、意匠も凝っている。
立場としては流浪の騎士ってことで正規軍ではないはずだけど、かなり優遇されてるみたいね。
伯爵とマゾーガの視線がわたしに注がれる。
正直騎士とか興味は無いんだけど…何だか断り辛い空気が充満している。
結局わたしもその盗賊狩りに参加することになってしまった。
「でもその盗賊団はどこにいるんですか?」
「そなたの報告を聞くにマゾーガは少々後ろ暗い過去を持つようだな。ひょっとしたら何か知ってるかもしれんぞ?」
まさかそんな…と思うけど、確かに当てがないので駄目もとでマゾーガに相談してみると…
「あぁ、ブルーゴなら知ってるぞ」
…本当に知ってるとはね。
マゾーガが教えてくれるに、黒弓団はテリープと呼ばれるアイレイドの遺跡を根城にしていて、そこで分け前の分配とかをやってるんだそうな。
ちなみにマゾーガ本人もその黒弓団で「仕事」をしていたことがあるらしい。
…こんなのを騎士に取り立てて良いのか?レヤウィン伯爵。
「では早速行くとしよう。奴を倒して我ら二人、騎士になるのだ!」
レヤウィンにほど近い林の中にその遺跡はあった。
時刻は日付が変わった頃。マゾーガの話では今頃丁度分け前の取り分を決めている頃のはずだ。
わたしはそっと遺跡に近付こうとしたんだけど…マゾーガは剣を抜くや大声を上げて遺跡に突撃する。
ちょっと!やめてよ!
わたしの不意を打つ何時もの作戦は身内によって崩壊を余儀なくされた。
埋伏の毒とはこのことを言うのかしら?
…いや違うわね。マゾーガは別に黒弓団の間者ってわけでも無いだろうし。
結局討ち入りみたいに遺跡に踏み込み乱戦になる。
まぁ黒弓団からしたらいきなり強襲された格好になるので浮足立っていた。
期せずして不意打ちの効果は得られたみたいね。
そのまま勢いで押切り、何とか黒弓団を壊滅させられた。
「これで私は騎士になれるのか?」
「伯爵が約束を破るようなこともないだろうから成れるんじゃない?」
余程嬉しいのかマゾーガは破顔しっぱなしだ。
わたし達はレヤウィンに戻り、翌朝になってそのことを伯爵に報告する。
「やってくれたか!」
かくしてわたし達はその場で騎士の叙勲を受ける。
「今与えた騎士の称号に伴う物を授ける。白馬山荘とレヤウィン紋の刻まれたこの盾だ」
そう言うと一本の鍵と一枚の盾を受け取る。
白馬山荘と言うのはレヤウィン郊外にある白馬騎士団の詰所だと言う。
…図らずして家、のようなものを手に入れてしまったわね。
でもマゾーガと共同生活ってことになるみたい。
別にマゾーガは悪い人じゃないんだけど、やっぱり一人で落ち着ける家が欲しいわね。
そして盾だけど…騎士なら正々堂々と真向から剣で戦え、ってことなのかしら?
魔法耐性を備えた盾になっていて、意匠も凝っている。

立場としては流浪の騎士ってことで正規軍ではないはずだけど、かなり優遇されてるみたいね。