「あ゛ー……飲み過ぎたかも」
翌日昼頃になって宿を発ったわたし。
昨夜調子に乗って飲み過ぎたわね…でもタダ酒を無碍にするなんてわたしには出来ない。振る舞われた以上は飲む以外無いのだ。
先日に続き昨夜も飲み過ぎたけど、だからと言って健康を害することは無い。
わたしはお酒の後に必ず自作の霊薬を一つ飲むようにしてるのだ。
この薬は自信作!内臓へのアルコール負担を軽減する効能がある。
そのお蔭で翌日に気分が悪いとかそう言うのは無くなるんだけど、酔いそのものをどうにかするものじゃないので、この様に爆睡の末、寝坊してしまうことが稀に良くある。
まぁ薬売りなんて自営業の上、店を構えてるわけでも無いからそこまで深刻になることもない。
それはともかくシェイディンハルだ。
と勇んで馬を進めたはずなんだけど、道程は険しく…途中の遺跡に陣取ってる山賊に追い掛け回されたり、野草を摘んだりで一向に進まない。
結局今日も日が傾き始め、見えてきた宿場にご厄介になることにした。
この宿は何時も繁盛していて、食堂なんかはかなり込み合っている。
「部屋を一つ借りたいんだけど?」
「あぁ、空きがあるよ」
ここまでは何時も通り。でも今日は一味違う話の流れになった。
何でも最近宿のちょっと北にある洞穴に胡散臭い連中が入り浸ってるらしい。しかもあろうことかそれが死霊術師の一団のようで、夜になると近所を死体が歩き回っているんだとか。
「お蔭で商売あがったりだよ」
宿の女将さんが嘆息する。
「ところでアンタ賞金に興味は無いかい?」
このままでは客足が遠のくと見た女将さんはその死霊術師に賞金を懸けたと言うのだ。
って言う事は今宿にいる連中は賞金目当てなのか。
「あいつらはとんだ玉無しだよ、まったく。揃いも揃ってゾンビ怖いとか、スケルトンを叩き割るのは家訓に反するとか言って酒飲んでばかりさ」
てっきり武装してるから賞金稼ぎかと思ったんだけど、どうも違うらしい。
どうしようかなぁ…ただの山賊とかなら「わたし薬売りですから、そう言うの無理です」って即断るところだけど…。
死霊術師かぁ…同業者とまでは言わないけど、わたしにとっては従弟の友達くらいの間柄になるか。
あまり魔法で迷惑かける連中を放置しておくのは良くないんだけど、あの手の連中の事も分からないでもない。
どこ行っても迫害されるからね。特にシロディールでは禁呪指定までされてるし。
正直気が乗らないので、賞金首のことは適当にはぐらかして部屋に入る。
その晩の事。
「う゛ぅぁぁぁー…あ゛ぁぁぁああ゛あぁぁぁ!…」
…うるさい。
ゾンビが近くをうろついてるのか、非常にうるさい。
確かにこれじゃ宿場の商売もあがったりだ。
安眠を妨害されたわたしは弓と毒を手に取ると宵闇に紛れるように宿を出た。
翌朝。
女将さんに連中がご神体として祭っていたモラグ・バルの神像と死霊術師の着ていたローブを何着かを見せる。
「アンタ…やってくれたのかい!?」
あれだけ渋っていたわたしには期待してなかっただろうから、意表を突かれたことだろう。
周りのへたれ武装集団もざわ…ざわ…とし始める。
「何だよあんな嬢ちゃんでもやれるような獲物だったのかよ…」
「ふ、拙者が相手をするまでも無い輩だったようだな」
口々に勝手なことを言っている。
わたしはそれを尻目に賞金を貰い、宿を出た。
あぁ眠い…でも何だかもう一泊って気分でもない。行くとしますか、シェイディンハル。まったく何日かかるのよ。
翌日昼頃になって宿を発ったわたし。
昨夜調子に乗って飲み過ぎたわね…でもタダ酒を無碍にするなんてわたしには出来ない。振る舞われた以上は飲む以外無いのだ。
先日に続き昨夜も飲み過ぎたけど、だからと言って健康を害することは無い。
わたしはお酒の後に必ず自作の霊薬を一つ飲むようにしてるのだ。
この薬は自信作!内臓へのアルコール負担を軽減する効能がある。
そのお蔭で翌日に気分が悪いとかそう言うのは無くなるんだけど、酔いそのものをどうにかするものじゃないので、この様に爆睡の末、寝坊してしまうことが稀に良くある。
まぁ薬売りなんて自営業の上、店を構えてるわけでも無いからそこまで深刻になることもない。
それはともかくシェイディンハルだ。
と勇んで馬を進めたはずなんだけど、道程は険しく…途中の遺跡に陣取ってる山賊に追い掛け回されたり、野草を摘んだりで一向に進まない。
結局今日も日が傾き始め、見えてきた宿場にご厄介になることにした。
この宿は何時も繁盛していて、食堂なんかはかなり込み合っている。
「部屋を一つ借りたいんだけど?」
「あぁ、空きがあるよ」
ここまでは何時も通り。でも今日は一味違う話の流れになった。
何でも最近宿のちょっと北にある洞穴に胡散臭い連中が入り浸ってるらしい。しかもあろうことかそれが死霊術師の一団のようで、夜になると近所を死体が歩き回っているんだとか。
「お蔭で商売あがったりだよ」
宿の女将さんが嘆息する。
「ところでアンタ賞金に興味は無いかい?」
このままでは客足が遠のくと見た女将さんはその死霊術師に賞金を懸けたと言うのだ。
って言う事は今宿にいる連中は賞金目当てなのか。
「あいつらはとんだ玉無しだよ、まったく。揃いも揃ってゾンビ怖いとか、スケルトンを叩き割るのは家訓に反するとか言って酒飲んでばかりさ」
てっきり武装してるから賞金稼ぎかと思ったんだけど、どうも違うらしい。
どうしようかなぁ…ただの山賊とかなら「わたし薬売りですから、そう言うの無理です」って即断るところだけど…。
死霊術師かぁ…同業者とまでは言わないけど、わたしにとっては従弟の友達くらいの間柄になるか。
あまり魔法で迷惑かける連中を放置しておくのは良くないんだけど、あの手の連中の事も分からないでもない。
どこ行っても迫害されるからね。特にシロディールでは禁呪指定までされてるし。
正直気が乗らないので、賞金首のことは適当にはぐらかして部屋に入る。
その晩の事。
「う゛ぅぁぁぁー…あ゛ぁぁぁああ゛あぁぁぁ!…」
…うるさい。
ゾンビが近くをうろついてるのか、非常にうるさい。
確かにこれじゃ宿場の商売もあがったりだ。
安眠を妨害されたわたしは弓と毒を手に取ると宵闇に紛れるように宿を出た。
翌朝。
女将さんに連中がご神体として祭っていたモラグ・バルの神像と死霊術師の着ていたローブを何着かを見せる。
「アンタ…やってくれたのかい!?」
あれだけ渋っていたわたしには期待してなかっただろうから、意表を突かれたことだろう。
周りのへたれ武装集団もざわ…ざわ…とし始める。
「何だよあんな嬢ちゃんでもやれるような獲物だったのかよ…」
「ふ、拙者が相手をするまでも無い輩だったようだな」
口々に勝手なことを言っている。
わたしはそれを尻目に賞金を貰い、宿を出た。
あぁ眠い…でも何だかもう一泊って気分でもない。行くとしますか、シェイディンハル。まったく何日かかるのよ。