ノーザングッズ商店のシードさんから商売のコツを教わっているんだけど、気持ちは上の空。
ダルを助けたお礼として上手い商売の仕方を教えて貰えると言うまたとない機会なんだけど、盗賊ギルドの事で身が入らない。
どうしたものかしらねぇ。
盗賊ギルドと言っても別に何がどうと言うことも無く、皆がそれぞれ勝手に盗めって言うだけなんだけど…。
盗みも何もしないで幽霊会員みたいにしてればその内フェードアウトできたりしないかしら?
一通りのコツを教わって外に出れば今日もそろそろ夕暮れ時。
…うん、まずは飲もう。飲んだからって何かを忘れることは無いけどちょっとは気分転換になるかもしれない。
そう思って安宿の方に向かう。
お酒の質そのものは高級宿の方が良いものが飲めるんだけど、安宿の方が賑やかに飲める。気晴らしにはもってこいだ。
わたしはスリリーワインの415年物とおつまみにハムやチーズを注文する。
…やっぱり高級宿にするべきだったかも。
わたしは基本度数の強いのが好みなんだけど、こう言う安宿じゃその手のヤツは中々置いてない。
一番の好物はウィスキーだけど、シロディールじゃ流通すらしていないので、普段はもっぱらシロディールブランデーを飲んでいる。
ただブランデーは食事しながら飲んでも美味しくないのが玉にキズなのよね。
まぁそんなお酒談義はともかく今日は飲もう。
…と思ってたんだけど、グラスを傾けるわたしに酔客が絡んでくる。
「おれぁシェイディンハルなんざ、いってねーっつの!まったくどいつもこいつも!しつけーっつの!」
何事かと思って聞いてると、どうもこの酔客、最近コロールで噂のレイナルドか。
何でもここコロールでは万年酔いどれ男として有名な彼がシェイディンハルに行くと素面になると言う。
まぁ本人はこのようにシェイディンハルには行ったことが無いと言い張っている。
…まさか酔った拍子にシェイディンハルまで行ってしまって、向こうに着いた頃に丁度酔いが醒める、なんてことは…流石に無理があるか。
いくら何でも遠すぎるし。
「よし!!そこのアンタ!きにいった!シェイディンハルまでいっておれのにせものにがつんといってやってくれ!」
わたしはただ胡散臭そうにレイナルドを見ていただけなんだけど、何故か気に入られてしまった。
しかもちょっとした額のお金をわたしのテーブルに叩きつけるように置く。
「ちょっと!?いきなり困るんだけど…」
わたしの抗議もどこ吹く風、彼はふらふらと千鳥足で宿を出て帰ってしまった…。
どうしよう、お金とか置いて行かれても困るんだけど。
額も額だしネコババするにはちょっと気が引ける。
わたしは諦めると溜息を吐きながらワインを煽る。
まぁいいか。どうせわたしは街から街へと薬を行商してる身だし。
シェイディンハルに寄った時にでもそれっぽいのが居たらその時考えよう。
何時もならこれから帝都へと向かうはずだったんだけど、こんなこともあってシェイディンハルに向かうことにした。
ちなみにわたしの行商ルートはレヤウィンから始まり、シェイディンハル、ブルーマ、コロール、帝都、スキングラード、ブラヴィル、そしてレヤウィンに帰るってコース。
スキングラードから先のクヴァッチとアンヴィルはルートに含まれていない。
何でかって?スキングラードから先は一本道で、行くのは良いんだけど、帰り道に商売する相手がいないからね。
わたしは行商のルートは円形でぐるぐる順番に回れるのが良いと思ってる。
アンヴィルまで行って帰りにもう一回クヴァッチに寄ったところで、そんなにすぐ薬を買ってくれる人も中々いないだろうし。
それに何より今はあの状況だ。薬の需要はあるかもしれないけど、まともな商売にはならないだろうな。
わたし自身が裕福で余裕があれば顔を売る為に敢えて格安とか無料お試しセットみたいな感じで薬を配って未来の商売相手を開拓しても良いんだけどね。
わたしも遊びや慈善事業で薬を売り歩いてるわけじゃないし、そんなことやってたらわたしが先に干上がっちゃう。
…あとそう言えばレヤウィンに始まりレヤウィンに終わるみたいなことを言ったけど、別にそこに家がある訳じゃないよ。
ただ単にあの辺りにはブラックウッドの深い森があるから、帰ってきたような気分になるってだけ。
最近は何だか皇帝暗殺やらお世継ぎ救出だのと随分と揉め事も多くて商売どころじゃなかったし、何より色々あり過ぎてくたびれた。
今ブルーマにはちょっと近寄りたくないから、シェイディンハルを回ってそのまま一旦レヤウィンに帰ろうかなぁって思ったわけ。
よし、そうしよう。決まり!
わたしはそう結論を出すと明日の出発に備え英気を養う為に更なるワインを注文した。
ダルを助けたお礼として上手い商売の仕方を教えて貰えると言うまたとない機会なんだけど、盗賊ギルドの事で身が入らない。
どうしたものかしらねぇ。
盗賊ギルドと言っても別に何がどうと言うことも無く、皆がそれぞれ勝手に盗めって言うだけなんだけど…。
盗みも何もしないで幽霊会員みたいにしてればその内フェードアウトできたりしないかしら?
一通りのコツを教わって外に出れば今日もそろそろ夕暮れ時。
…うん、まずは飲もう。飲んだからって何かを忘れることは無いけどちょっとは気分転換になるかもしれない。
そう思って安宿の方に向かう。
お酒の質そのものは高級宿の方が良いものが飲めるんだけど、安宿の方が賑やかに飲める。気晴らしにはもってこいだ。
わたしはスリリーワインの415年物とおつまみにハムやチーズを注文する。
…やっぱり高級宿にするべきだったかも。
わたしは基本度数の強いのが好みなんだけど、こう言う安宿じゃその手のヤツは中々置いてない。
一番の好物はウィスキーだけど、シロディールじゃ流通すらしていないので、普段はもっぱらシロディールブランデーを飲んでいる。
ただブランデーは食事しながら飲んでも美味しくないのが玉にキズなのよね。
まぁそんなお酒談義はともかく今日は飲もう。
…と思ってたんだけど、グラスを傾けるわたしに酔客が絡んでくる。
「おれぁシェイディンハルなんざ、いってねーっつの!まったくどいつもこいつも!しつけーっつの!」
何事かと思って聞いてると、どうもこの酔客、最近コロールで噂のレイナルドか。
何でもここコロールでは万年酔いどれ男として有名な彼がシェイディンハルに行くと素面になると言う。
まぁ本人はこのようにシェイディンハルには行ったことが無いと言い張っている。
…まさか酔った拍子にシェイディンハルまで行ってしまって、向こうに着いた頃に丁度酔いが醒める、なんてことは…流石に無理があるか。
いくら何でも遠すぎるし。
「よし!!そこのアンタ!きにいった!シェイディンハルまでいっておれのにせものにがつんといってやってくれ!」
わたしはただ胡散臭そうにレイナルドを見ていただけなんだけど、何故か気に入られてしまった。
しかもちょっとした額のお金をわたしのテーブルに叩きつけるように置く。
「ちょっと!?いきなり困るんだけど…」
わたしの抗議もどこ吹く風、彼はふらふらと千鳥足で宿を出て帰ってしまった…。
どうしよう、お金とか置いて行かれても困るんだけど。
額も額だしネコババするにはちょっと気が引ける。
わたしは諦めると溜息を吐きながらワインを煽る。
まぁいいか。どうせわたしは街から街へと薬を行商してる身だし。
シェイディンハルに寄った時にでもそれっぽいのが居たらその時考えよう。
何時もならこれから帝都へと向かうはずだったんだけど、こんなこともあってシェイディンハルに向かうことにした。
ちなみにわたしの行商ルートはレヤウィンから始まり、シェイディンハル、ブルーマ、コロール、帝都、スキングラード、ブラヴィル、そしてレヤウィンに帰るってコース。
スキングラードから先のクヴァッチとアンヴィルはルートに含まれていない。
何でかって?スキングラードから先は一本道で、行くのは良いんだけど、帰り道に商売する相手がいないからね。
わたしは行商のルートは円形でぐるぐる順番に回れるのが良いと思ってる。
アンヴィルまで行って帰りにもう一回クヴァッチに寄ったところで、そんなにすぐ薬を買ってくれる人も中々いないだろうし。
それに何より今はあの状況だ。薬の需要はあるかもしれないけど、まともな商売にはならないだろうな。
わたし自身が裕福で余裕があれば顔を売る為に敢えて格安とか無料お試しセットみたいな感じで薬を配って未来の商売相手を開拓しても良いんだけどね。
わたしも遊びや慈善事業で薬を売り歩いてるわけじゃないし、そんなことやってたらわたしが先に干上がっちゃう。
…あとそう言えばレヤウィンに始まりレヤウィンに終わるみたいなことを言ったけど、別にそこに家がある訳じゃないよ。
ただ単にあの辺りにはブラックウッドの深い森があるから、帰ってきたような気分になるってだけ。
最近は何だか皇帝暗殺やらお世継ぎ救出だのと随分と揉め事も多くて商売どころじゃなかったし、何より色々あり過ぎてくたびれた。
今ブルーマにはちょっと近寄りたくないから、シェイディンハルを回ってそのまま一旦レヤウィンに帰ろうかなぁって思ったわけ。
よし、そうしよう。決まり!
わたしはそう結論を出すと明日の出発に備え英気を養う為に更なるワインを注文した。