俺の少年時代は俺の現在の嘘だった -3ページ目

俺の少年時代は俺の現在の嘘だった

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幼稚園の頃の一時期、朝早く幼稚園に行くことに執着していました。

目的は噂の真実を確かめることです。

その噂の内容とは、 

『朝早くに行くとオウムが挨拶してくれる』

というものでした。




私の幼稚園では白くて大きなオウムを飼っていました。

(こんな感じだったかなあ↓)




階段横のくすんだプラスチックケースの中でいつもじっとしているような実につまらないオウムで、園児がいくら『おはよう』『こんにちは』『さようなら』を教えても、覚える気がないのか覚えられないのか終始無言を貫いていました。

そのくせ時折思い出したように甲高い声を上げて女子園児を怖がらせるようなとんでもないやつでした。



そんなオウムが挨拶をしてくれるということが本当ならばとても貴重なことです。


ならば挨拶されてみようじゃないか、ということで母親を毎朝毎朝急かして朝早くプラスチックケースの前で

『おはよう!おはよう!お・は・よ・う!』

と繰り返していたわけでございます。



努力の甲斐なくオウムは返事をする素振りも見せないどころか、わざとらしくそっぽを向き続けていました。





ある日、オウムが死にました。



突然の朝礼で戸惑う中、園長からオウムの死を告げられました。

みると前の方には箱に入ったオウムの遺骸があります。

泣き出す人もいました。

園長は、みんなでオウムを見送ろう。と言いました。


記憶が確かではありませんが、一人ひとりオウムの箱の前に来て、花を手向けたようです。箱の中のオウムは花に包まれていました。白い体を黄色など色とりどりの花の中に埋もれさせているオウムの遺骸は何だか綺麗でした。



その箱の前でじっとオウムを見ていると横にいた先生が

「オウムね、この前、『おはよう』って言ってたよ」

と言いました。嘘だ、と思いました。





それからしばらくした後です。

公園で遊んでいると死んだ雀を見つけました。

カラスにでも襲われたのか顔の半分がえぐれて土の上にだらしなく横たわっていました。


特に深くも考えず、近くに穴を掘って雀を埋めました。


なぜか、たくさんの花に包まれたオウムを思い出しました。