指先に、秋が舞い降りた。
毎年のことだけど、湿度が下がるとすぐに指先がカサカサになるので、「ああ、秋が来たなぁ…」と感じるのである。
昨日は天気が悪くて気温が上がらなかったのだが、今日はいい天気かつ気温が低かった。風もちょっと強めだったから、窓を開けていると寒いくらい。だって、数日前と同じような服をつい着てしまったから。急に気温が変化すると、服選びを失敗する。家にいるんだから、着替えればいいのにね。なぜか、意地になって(?)、朝着た格好で過ごそうとする。
自分でもよく分からないこだわりだw
* * * * *
のんびりとHDL-コレステロールについてブログの下書きをしている間に、なにやらHDL-コレステロールを巡る不思議な話が始まったようだ。
どのような終着点に辿り着くのか、まったく想像がつかない。
「HDL-コレステロールが高い」というのは、どの程度のことを指すのだろう?
次の記事が更新されるのを楽しみに待ちながら、わたしも下書きを終えたので記事を投稿してみよう。
* * * * *
LDL-コレステロールに比べると、一般的にはHDL-コレステロールの注目度は低い。HDL-コレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれ、数値が高い方がいいとされる。ただ、低い人に対する効果的な生活習慣や治療薬はない。適度な運動やω3脂肪酸の摂取などが勧められるけれど、それで劇的に改善することは稀だ。また、基準値40 mg/dL未満の人はそれほど多くないと思われる。
一方、LDL-コレステロールは「悪玉コレステロール」と呼ばれ、基準値140 mg/dLを超える人は多い。治療薬としてスタチンがあり、効果的に下げることができるので、HDL-コレステロールよりもLDL-コレステロールばかりが注目されるのだろう。
わたし自身のこれまでの検査結果はどんな感じかというと。
酷い糖尿病で入院したときから直近の糖尿病内科受診までをグラフにしてみた。
緑がHDL-コレステロール、黄色がLDL-コレステロール。
赤の期間が糖質制限をしていたとき。
直近の青い期間は、糖質制限を解除していたとき。
糖尿病患者のLDL-コレステロール基準値は120 mg/dLとされるので、赤の点線を引いている。
こうして見ると、HDL-コレステロールもLDL-コレステロールも、検査ごとに大きく変動していることがよく分かる。1回の検査結果に一喜一憂するのでなく、長期的なトレンドを見る必要があるのだろう。
なんとなーくだが、季節性があるように思う。夏は低め、冬は高めのような。
実際、コレステロール値の季節変動は知られていて、たとえばLDL-コレステロールだとこんな文献があった(PDF)。
季節変動の原因は、寒さで交感神経が作用することや、日照時間の影響が考えられているらしい。ただ、2型糖尿病患者の場合は「冬は忘年会・新年会などで暴飲暴食が増えること、寒さで運動量が減ること」と、患者の生活習慣が原因だと説明されることが多いと思う。
酷いよなぁ… クリスマスだろうが正月だろうが、普段とほぼ同じ物を食べ、ほぼ同じように過ごしているのに。
2020年に一度だけ、LDL-コレステロールが140 mg/dLを超えたことがある。
このときは驚いた。ヤバい、とうとう更年期でLDL-コレステロールが上昇するお年頃になったのか、医師からスタチンを勧められることになるのか、と身構えた。
実は、ちょうどこの検査の直前に甲状腺摘出手術を受けていた。チラーヂンSを服用し始めたばかりで、最初は適切な用量が分からないため、少量の服用から開始していた。
甲状腺摘出手術を受けたことを糖尿病内科の担当医に伝えた上で、それがLDL-コレステロールに影響する可能性があるか質問したところ、「ああ、それはあるかもな」と言われたのだった。
手術したのは糖尿病内科で通っている病院とは違うので、わたしからきちんと報告しなければ、糖尿病内科の担当医は知らないままだ。また、そのこととLDL-コレステロールの影響を質問しなければ、医師もこの二つを結びつけて考えてはいないようだった。
実際、次の甲状腺専門病院での検査でFT3が低くTSHが高いことが確認され、チラーヂンSの用量が増えた。そして、LDL-コレステロールの数値が落ち着いた。つまり、甲状腺ホルモン不足によるLDL-コレステロール上昇だった可能性が高いのだ。
こちらから言わなければ、わたしの生活習慣や加齢のせいにされていたのかもしれないな… そして、わたし自身に知識がなければ、自分のせいだと思い込んでいただろうな…
と、話が逸れた。今回はLDL-コレステロールではなく、HDL-コレステロールの話。
一般的には、糖質制限をするとHDL-コレステロールもLDL-コレステロールも上昇するとされる。
でも、わたしの場合は、もともと酷い体の状態でLDL-コレステロールがやや高い状態だったからか、糖質制限を始めてからはLDL-コレステロールが低下した。一方、HDL-コレステロールは、平均すると、糖質制限前より増加しているようだ。
そして、栄養指導を受けて糖質制限を解除した期間は、HDL-コレステロールもLDL-コレステロールも下がったように見える。
糖質制限前のHDL-コレステロール平均 73.7 mg/dL
糖質制限中の平均 89.5 mg/dL
糖質制限解除中の平均 81 mg/dL
ここ2年ほどのイメージから糖質制限中は100 mg/dL近くなっていると思っていたけど、平均するとこんなもんか。
糖質制限を解除して下がったように見えるのはたまたまだろうか? これからまた糖質制限に戻したときに明らかになるだろう。
通常の血液検査では、HDL-コレステロールとLDL-コレステロールの数値しか調べてもらえない。一応は、HDL-コレステロールは十分高いし、LDL-コレステロールはたまに120 mg/dLを超えるものの、継続して超えることはない状態なので、医師からは特に問題ないと評価されている。
以前、循環器内科でもう少し詳しく調べてもらう機会があった。
その時(2021年5月に採血、朝食後3時間ほど)の結果を再掲すると、
総コレステロール 203 mg/dL (0 - 219.0)
HDL-コレステロール 99 mg/dL (≧40)
LDL-コレステロール 102 mg/dL (0 - 139.9)
中性脂肪 61 mg/dL (0 - 149.9)
遊離コレステロール 51 mg/dL (30 - 60)
Lp(a) 28 mg/dL (≦30)
RLP-コレステロール 2.1 mg/dL (≦7.5)
Apo A-I 197 mg/dL (126 - 165) H
Apo A-II 23.7 mg/dL (24.6 - 33.3) L
Apo B 75 mg/dL (66 - 101)
(LPLと脂肪酸分画の結果は省略)
循環器内科の医師が「悪い結果といい結果」と言いながら蛍光マーカーをつけたのが、Lp(a)とApo A-Iだった。
Apo A-IはHDL粒子を構成するタンパク質で、これが多いのはいいことらしい。
この検査ではRLP-コレステロールも十分低いことも分かった。
ただ、この検査は更年期症状(起床時血糖値の乱高下)が始まる前に受けたので、今はまた違った結果になるかもしれない。
循環器内科の医師は、Apo A-Iが多くHDL-コレステロールが高いのでいいことだ、と評価したのだが…
そんな単純な話でいいのだろうか?
なぜなら、日本人のHDL-コレステロールは、年々なぞの上昇を続けているらしいからだ。
続く。