リブレを使うと、平均グルコース値から自動的にHbA1cを推定してくれる。

これは、ADAG研究から導き出された計算式、

 

推定HbA1c (%) = (平均血糖値 + 46.7) / 28.7

 

これを利用してHbA1cを推定しているのだが、どうもわたしには合わないので困っていた。リブレが推定するHbA1cは、実測値よりも低すぎるのだ。

 

そこで、平均グルコース値と実測HbA1c値をプロットして、得られた回帰式を「わたしのための推定HbA1c計算式」とした。

 

ここまでは、過去記事に書いたことだ。

 

 

わたし専用計算式は、

 

推定HbA1c (%) = (補正平均グルコース値 + 10.088) / 20.18

 

わたしはリブレとSMBGを併用しているので、リブレとSMBGとの差を補正した平均グルコース値を計算に用いている。

その結果、推定HbA1cと実測HbA1cはかなり近くなり、次回の検査でどれくらいのHbA1cになりそうかの目安が分かりやすくなった。

 

(グラフ再掲)

 

計算式を求めるために使用したデータは、8週間ごとに受けている血液検査17回分だった。

その後、4回検査を受け、まずまずの精度でHbA1cを推定することができていた。

 

ところが。

前々回、前回の検査では、自式で算出した推定HbA1cと実測HbA1cに大きな乖離が見られた。推定値の方が高く、実測値の方がかなり低かったのだ。

 

前々回の結果に関して考えられることと言えば、ウルソの服用が始まったこと。もしかして、ウルソが赤血球の寿命に影響するということはあるのだろうか?

 

前回の結果に関しては、ちょうど糖質制限から制限解除して糖質摂取量を増やした時期だった。急激に平均グルコース値が上昇したのだが、それがHbA1cに反映されるまではタイムラグがあるので、それが影響した可能性があった。

 

17回目以降のデータを追加してグラフにすると、こんな感じ。

 

 

 

実測HbA1cが緑、自式で推定したHbA1cが黄である。

参考として、青でBergenstalらが報告した式(GMI (%) = 3.31 + 0.02392 x 平均血糖値)で推定したHbA1cも示した。

赤い破線は、トルリシティからジャヌビアに変更になったことを示している(なにか関係するかな?と思って目印をつけてみただけ)。

 

18〜21回目の検査では、まずまずいい感じで推定できていた。

ところが、

22回目 推定7.3% 実測6.7%

23回目 推定7.7% 実測7.2%

こんな感じで、実測の方がかなり低かった。

 

うーん、自式が合わなくなってきたのかなぁ…?

次式を求めたときのデータ数が17回分と、少なかったのが原因かもしれない。

 

では、最新の検査データも含めて、改めて計算式を出してみよう。

それで、次回以降の実測HbA1cと合うかどうか、確認してみよう。

 

SMBGで補正した平均グルコース値と、実測HbA1cをプロットした。

そこから得られた回帰式は、

 

平均推定グルコース値 = 25.315 x HbA1c - 42.499

 

これを変形して、

 

推定HbA1c (%) = (補正平均グルコース値 + 42.499) / 25.315

 

これを「自式②」とする。

 

自式②で算出した推定HbA1cは、どれくらい実測HbA1cと近似しているだろうか?

 

 

以前の式に比べると、自式②の方が乖離が小さくなったように思う。

乖離が大きかった22回目、23回目だが、

22回目 推定7.3%→自式②推定7.1% 実測6.7%

23回目 推定7.7%→自式②推定7.4% 実測7.2%

 

やはり22回目は乖離が大きいが、それでも少しはマシになった。

これまでもたまに乖離が大きいときがあったので(8回目と15回目)、こういうときもあるのだと思うしかない。

23回目の0.2ポイント差は、誤差として許容範囲だ。

 

ということで、今後は自式②を使ってHbA1cを推定しようと思う。

まずは次回の実測値と比べてみて、あまりにも乖離が大きければまた考えよう。

 

リブレの推定HbA1cと、実測HbA1cがほぼ一致する人もいるみたいなのにね。

平均血糖値とHbA1cの関係は、ほんと、個人差が大きいんだろうなぁ。

大事なのは、平均血糖値の方だよね。

とは言え、臨床の現場ではまだまだHbA1cの方が重視されるんだろうし、そうするとHbA1cを7%未満にしないといけないわけで。

 

次回の検査では、糖質制限の影響がなくなって、糖質量を増やした結果が反映されたHbA1cになるはずだ。

前回が7.2%だったから、確実にそれよりは高くなっているはず。

 

栄養指導用の資料もほぼできあがったし。

あとは診察日を待つのみ。

さて、どうなることやら…