前回の続きである。

 

 

 

アボットにメールをして、「リブレのリーダーで電極を使用して測定した血糖値と、T社の血糖自己測定器Mで測定した血糖値を比較したところ、大きな乖離が見られたこと。電極での血糖値と乖離が少ないリブレセンサーの推定HbA1cが、常に血液検査での実測HbA1cよりかなり低いこと」を伝え、コントロール溶液で確認したい旨を申し出た。

すると、すぐにコントロール溶液が送られてきた。

 

 

 

コントロール溶液は、低濃度、中濃度、高濃度の3種類が入っていた。

添付書類によれば、それぞれの組成は以下の通り。

 

 

このコントロール溶液を測定した結果が、電極の添付文書に記載されている「専用コントロール溶液による期待値測定範囲」内にあれば、精度が保たれていると考えていいようだ。

範囲外であった場合は新しい電極で測定し直し、それでも外れている場合はアボットに連絡せよ、とのこと。

 

この「期待値測定範囲」は、電極のロットによって異なるのだろうか? 電極のホイル包装に記載されているロット番号と、添付文書のロット番号が一致していることを確認しておく必要があるらしい。

(ちなみに、手持ちの電極はどれも同じロットなので、ロットが違うと期待値測定範囲が異なるのかは、確認することができなかった)

 

 

 

ロット番号はどちらも45001と一致していることを確認。

では、いよいよコントロール液の測定だ。

溶液の入ったボトルを何度も上下逆さまにし、十分に転倒混和しておく。

リーダーに電極をセットし、そこにコントロール溶液を垂らす。

 

低濃度の溶液を測定すると、こんな結果が出た。

 

 

低濃度、中濃度、高濃度と1回ずつ測定。

一応、全て「期待値測定範囲」に収まってはいるが…

1回だけの測定では不安だ。何回か繰り返してみよう。

 

ということで、各濃度3回ずつ測定してみた。

その結果は、以下の通りだった。

 

 

電極の添付文書の記載によると、

専用コントロール溶液による期待値測定範囲

低濃度(Low)コントロール溶液: 31 - 61 mg/dL

中濃度(Mid)コントロール溶液: 68 - 124 mg/dL

高濃度(High)コントロール溶液: 216 - 366 mg/dL

実際の測定結果は、

 低濃度: 35 - 44 mg/dL

 中濃度: 79 - 93 mg/dL

 高濃度: 269 - 317 mg/dL

 

なので、全て範囲内に収まっていた。したがって、機器としては「精度に問題なし」ということになるんだろう。

 

それにしても、だ。

 

この「期待値測定範囲」って、広すぎない?

これって、どういうことなんだろう?

たとえば、低濃度溶液は血糖値として50 mg/dL相当に調製されていて、その溶液を測定して31 - 61 mg/dLの範囲内だったらOKということ?

 

ええっ? そんなの全然ダメじゃん? わたしの理解が間違ってるのかな?

 

ちなみに、アボットからのメールによると、コントロール溶液は

どの数値に調整されているか等は公開されていないためお答えすることはできかねますが、期待値範囲内であればそのままご利用いただける精度を保っていると判断され、範囲外になると測定器の不具合として対応をさせていただいております。

とのこと。

 

仮に、低濃度溶液が50 mg/dL相当だとすると、35 mg/dLという測定結果は±15 mg/dLの範囲のギリギリ。40 mg/dL相当なら優秀。

中濃度溶液が100 mg/dL相当だとすると、79 mg/dLという測定結果は±15 mg/dLの範囲から外れるのでISOの基準を満たしていない。90 mg/dL相当ならOK。

高濃度溶液は、どれくらいの濃度相当と考えるのが妥当なんだろう? 300 mg/dL? 280 mg/dLくらい?

 

電極の添付文書によると、

 

 

用いているコントロール溶液の種類が違うのか、「低・中濃度」「中・高濃度」という分類があって、単純に比較はできないようだ。

ただ、わたしが受け取ったコントロール溶液は、上記のうち「低濃度」「低・中濃度」「高濃度」に相当しているように見える。

その標準偏差と変動係数を見ると、わたしの測定結果よりもばらつきが少ない。

これは、何回も繰り返し測定して、結果が収束しているからだろうか。わたしももっと繰り返し測定していれば、もう少しばらつきがないように見えたのだろうか。しかし、電極の数に限りがあるから、そう何度も繰り返して測定できない。

 

それにしたって、100 mg/dL付近の測定で、あるときは93、あるときは79という測定結果が出るほどばらつくのであれば、毎日の起床時血糖値に一喜一憂するのはバカらしいよなー 前日の夜の食事が翌朝の血糖値に影響するか?と調べたくても、これだけ値がブレるなら、何を見ているか全く分からないね。

 

高血糖側ではさらにばらつきが大きくなるのは仕方がないが、それでも、317と268では受ける精神的ダメージは違うよなぁ。普段、ここまでの高血糖はないとしても、200と170くらいのばらつきは生じてそうだ。

 

そりゃ、1回1回の測定で一喜一憂するべきじゃないことはよーく理解しているけれども。それでも、200オーバーならゲゲッと思うし、170ならヤレヤレと思うのは仕方がないやん?

常に30 mg/dLほど低く出ていると仮定して、食後の血統値が150 mg/dLを超えたらゲゲッと思うよう、認識を改めないといけないのかな。

 

うわー、そりゃキビし〜!

 

続く。