しらねのぞるばさんのブログ記事、

食事の脂質と食後血糖値」に対する勝手なコラボ企画である。

 

一般的には、炭水化物を単体で摂取するよりも、

脂質やタンパク質と一緒に摂取した方が

食後の血糖値を上げにくいとされる。

だから、たとえばうどんやそばを食べるときには

天ぷらをつけた方が血糖値は上がりにくいのでオススメである、

なんてことがテレビの健康情報バラエティー番組で言われたりしている。

実際、健常人のタレントで検証してみると

たしかに天ぷらアリの方が血糖値は低く抑えられるので、

それなりに効果はあるのだろう。

 

しらねのぞるばさんの場合も、

脂質5gのパスタに比べて

脂質10gの卵かけごはんの方が血糖値は上がりにくく、

さらに驚くのは、

脂質31gのマクドのクォーターパウンダーでは

かなり低く抑えられているのだ。

糖質量はそれぞれほぼ同じ程度であるにも関わらず。

注)関西人は意地でもマクドと呼ぶので、

笑って許していただきたい。

 

脂質量が多いと血糖値は上がりにくいが、

その分下がりにくいとも言われる。

しかし、しらねのぞるばさんのデータを見る限りは

クォーターパンダーでもきちんと血糖値は下がっている。

脂質が多いからと言って、インスリン抵抗性が高くなっているわけではなさそうだ。

もちろん、インスリン量を測定しているわけではないから、

実はインスリンがドバドバ出て血糖値を下げている可能性も残されているが。

 

インスリンが大量に出るのが体に悪いのか、

血糖値が上がるのが体に悪いのか、わたしにはよく分からん。

単に血糖値を上げたくないということであれば、

脂ギッシュなものを食べればいいのかもしれない。

毎日、毎食は避けた方がいいかもしれないけれど、

たまにはわたしだってマクドのハンバーガーにかぶりつきたいではないか。

油まみれ糖質まみれのフライドポテトだって食べたいぞ!

 

しかし。

これはあくまでも一般的な話、しらねのぞるばさんのデータである。

自分の体は違った反応を示すかもしれない。

鵜呑みにするのはキケンである。

 

ということで。

炭水化物+脂質で食後の血糖値はどうなるのかを調べてみた。

食べたのはもち麦100%のバターライスである。

 

 

もち麦は、炊飯前で60g、炊飯後は150gほど。

糖質量は約38g、食物繊維量は7.9gで、いつもの2食分である。

これを、21gのバターで炒めバターライスとした。

中途半端なバターの使用量になったのは、

単に塊をドンと量りに乗せたらこの重さだったというだけである。

21gのバターには、脂質17g、飽和脂肪酸10.59gが含まれている。

美味しく食べたいので、塩を少々振った。

 

もち麦150gに対してバター21gは結構多く、

できるだけかき集めたがフライパンに油分はある程度残り、

さらに食べるときも食器に油分が残った。

したがって、実際に摂取したのは20gくらいかもしれないが、

その辺は誤差範囲とする。

 

測定条件は、今までと同じで以下の通り。

 

負荷試験は、朝に行った。

前日の夜から12時間の絶食状態にある。

摂取後のメトホルミンは服用していない。

 

食べるスピードは意識せず、食べたいように食べた。

その結果、およそ5分で食べ終えた。

さて、結果は?

 

 

90分までは「おっ、やっぱり上がらないのか!?」と

ちょっと期待したのだけれど、

そんなにうまい話にはならず、ピークの150分後には170 mg/dlまで上昇した。

 

なるほど、わたしの場合、

上がるスピードがゆっくりになるというのはありそうだ。

しかし、ピークの血糖値はそこそこ上がるようだ。

もちろん、1回しか実験していないので、

いつもこの結果になるとは言えないのだが。

 

180分以降の血糖値がどう変化するのか、

なかなか血糖値が下がらずダラダラと高い状態が続くのか、

それともあっさり下がっていくのか興味があったが、

都合によりここで測定終了となった。

 

では、過去の血糖値実験のデータと比較してみよう。

同じ量のもち麦を、

15分かけてゆっくり食べたとき

お茶漬けサラサラで食べたとき

玉子かけごはんで食べたとき

そして、今回のバターライスで食べたときでの比較である。

 

 

バターライス以外は120分後までしか調べていないので、

ここまでのデータでの比較となる。

 

何回見ても、玉子かけごはんは笑撃データだなw

 

それぞれグラフの形はかなり異なるが、

それでもバターライス以外はピークが60分後だった。

それが、バターライスではずっと後ろにずれた。

 

もしかしたら、健常人もしくは境界型であれば、

食事中の脂質によって糖質の吸収が遅れることで、

インスリンの分泌が十分に間に合うために

血糖値が低く抑えられるのかもしれない。

 

ところが、わたしの場合は血糖値の上昇を感知するセンサーがポンコツで、

せっかく脂質で糖質の吸収がゆっくりになったとしても

ギリギリまでインスリンが分泌されずに、

血糖値がかなり上がってきてから慌てて分泌されているのかもしれない。

この辺は血中インスリン量を測定してみないと分からない。

 

脂質が存在することによって何が起きているのだろうか?

ひとつはインクレチンの分泌だと思われる。

GLP-1の作用のひとつとして、胃内容物の排出遅延がある。

ただし、わたしはもともとGLP-1受容体作動薬を用いているので、

内因性のGLP-1が分泌されたとしても

その効果はそれほど目立たないと思うのだが、どうだろうか。

 

脂質により強く分泌されるのが

もうひとつのインクレチン、GIPである。

GIPもインスリンの分泌を促進してくれるのだけれど、

なんと2型糖尿病患者ではβ細胞のGIP受容体が作用しにくくなっているらしい。

そして、もともとGIPはα細胞に働いてグルカゴンを分泌させるのだが、

こちらの作用は残っている、もしくは亢進しているらしいのだ。

 

わたしの場合、脂質によってインクレチンが分泌され、

さらにインスリンの分泌が促進されるというのは

あまり期待できないのかもしれない。

健常人では、脂質の多い食事を摂取すれば、

インクレチンの効果によってインスリンが多く分泌され、

そのおかげで血糖値の上昇が抑えられるのかもしれない。

 

と思っていたのだけれど。

 

しらねのぞるばさんが紹介されている論文のデータを見ると、

マッシュポテトに脂質を混ぜた群は、

脂質なし群に比べてインスリン量がずっと低いのだな。

少ないインスリンで血糖値が低く抑えられるのなら、

めちゃくちゃいい話ではないか。

このシリーズ記事はまだ続くようなので、

どのように話が展開していくのか楽しみにしている。

 

さて。

こうなったら、やっぱりマクドのハンバーガーを食べてみるべき?

フライドポテトも食べたいけど、

そこはグッと我慢してハンバーガー単品でのテストだな。

しかし、今までと同じように朝にテストしようと思うと、

通常メニューではなく朝マックメニューになってしまうな。

食べたいのは通常メニューなのだが。

まあいいや、ちょっと考えてみようw