ボズ・スキャッグス@オーチャード。久々に見ましたが、いや~想像以上に素晴らしかった。以下ネタバレ注意ですが、初日セットリストがストリーミングで早くもプレイリストで聞けます!

 

【5/7 ボス・スキャッグス オーチャードホール公演のセットリストを、プレイリストで期間限定にて公開中!】

https://SonyMusicJapan.lnk.to/BozScaggsJapanTour2019

(Spotify/Apple Music/AWA/LINE MUSIC対応)

 

セットリストは、アンコールの最後の曲を皆さんなんだろって思った方多かったと思いますが、「Thanks To You」(2001年『Dig』収録)でした。熱い声援にこたえての予定になかった曲のようですが、最後はクールダウンして終わるって感じの素敵な雰囲気でしたね.

 

5/7 ボス・スキャッグス オーチャードホール公演セットリスト

1. Jojo(『ミドル・マン』)
2. It's Over(『シルク・ディグリーズ』)
3. Rock and Stick(『アウト・オヴ・ザ・ブルース』)
4. The Feeling Is Gone(『アウト・オヴ・ザ・ブルース』)
5. I've Just Got to Know(『アウト・オヴ・ザ・ブルース』)
6. Radiator 110(『アウト・オヴ・ザ・ブルース』)
7. Harbor Lights(『シルク・ディグリーズ』)
8. Georgia(『シルク・ディグリーズ』)
9. Breakdown Dead Ahead(『ミドル・マン』)
10. Look What You've Done to Me(『アーバン・カウボーイOST』)
11. Lowdown(『シルク・ディグリーズ』)
12. Lido Shuffle (『シルク・ディグリーズ』)
アンコール1
13. What Can I Say(『シルク・ディグリーズ』)
14. Loan Me a Dime(『ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン』)
15. We're All Alone(『シルク・ディグリーズ』)
16. You Never Can Tell(チャック・ベリーのカヴァー)
アンコール2
17. Thanks to You (『ディグ』)

 

新作『アウト・オヴ・ザ・ブルース』4曲の他、名曲だらけの全17曲、1時間40分くらいですかね。『シルク・ディグリーズ』からが一番多くて7曲。日本人大好きなのわかってるんでしょうね。「イッツ・オーヴァー」がうれしかった。そして、僕が聞き始めたきっかけの『ミドル・マン』からは2曲。1曲目が「ジョジョ」でスタートってのもびっくりしたけど、なんといっても「ブレイクダウン・デッド・アヘッド」ですかね。なんか久々に聞いた気がするんですが。映画『アーバン・カウボーイ』主題歌だった「燃えつきて」もうれしかったですね。しかし「Look What You've Done to Me」が「燃えつきて」・・・なんて素晴らしい邦題なんでしょ。

 

驚きはアンコール。『ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン』から「Loan Me a Dime」、カヴァーですがこれもブルージーでたまりませんでした。ピンク・フロイドの「クレイジー・ダイアモンド」を思い浮かべてしまったのは私だけ?そして、チャック・ベリーのカヴァー1曲と、ちょっとびっくりの予定外の大ラスは2001年の『ディグ』からの「Thanks To You」。観客の皆さんの鳴りやまぬ拍手と歓声を粋に感じて出てきてくれて、予定になかった曲のもよう。まさにThanks To Youって気持ちを込めてやってくれたんじゃないでしょうか。日本人的には最後に有名な曲でガツンと終わるのがうれしいのかもですが、海外では最後はクールダウンして静かな曲で終わるってのも意外に多くて。昨夜のBOZは、ライブの締めはちょっとこの曲でCOOL DOWNして帰ってねってな気分だったんでしょうね。.

 

下記ライヴレポートも届きましたので。

 

ボズ・スキャッグス2019ジャパン・ツアー東京初日公演レポートが到着。セットリストのプレイリストも公開!

 

 ザ・ヴォイス・オブAOR、ボズ・スキャッグスの4年ぶりとなるジャパン・ツアーから、5月7日の東京公演初日を観てきた。<Out Of The Blues Japan Tour>と銘打たれた今回は、5月5日の仙台に始まり、7日~9日までの東京(ソールドアウト!)、11日の大阪、13日の広島、14日の名古屋と、合計7本に及ぶホール・ツアーとなっている。ボズは1978年以降20回ほどの来日経験があるが、AOR全盛期の日本での人気具合はともかく、2000年代の一時期はジャズ、ブルースに特化したスタイルで3~400人規模のジャズクラブで演奏することもあった(もちろんファンは大喜び)。2008年に行ったTOTOとのジョイント・ツアー以降は再びホール公演が行われるようになり、さらに東京ではソールドアウトが続出していて、ボズの相変わらずの人気ぶりが窺える。

 

 渋谷にあるBunkamuraオーチャードホールに集まったお客さんたちの年齢層は、はっきり言ってかなり高い。70年代末から日本で爆発的に流行ったAORミュージックで青春を謳歌した人たちが、皆それぞれに40年という年輪を刻んでから再会したというイメージだろうか。特に女性ファンの来場が目立った。元々クラシック、オペラ専門だったオーチャードホールでポピュラー音楽のコンサートが開かれるようになってから久しいが、演者と観客と会場が絶妙にマッチしたこの完全アダルトな雰囲気の公演は、10年ほど前に行われたキャロル・キングのコンサートをほうふつとさせた。50代の自分が若造に見えたのは、久しぶりの感覚だ(誤解のないように言いますが会場には20代~と思しき若者たちもたくさん来ていましたよ。あくまでも比率の問題です)。

 

 若造で想い出すのが、1978年に行われたボズの初来日公演のこと。まだAORという言葉もブルーアイド・ソウルなんて言葉もほとんど聞かれなかった当時、全米TOP40オタクだった私は“最高にカッコイイ男”の象徴だったボズの来日情報を聞いていてもたってもいられず、チケットを購入すべく青山にある某イベンター本社前に徹夜で並んだ。当時は“良い席を確保するには徹夜で並ぶ”ことが流行っていて、結構大勢の人が寒空の下で翌朝のチケット販売開始を待っていた。たしか同じ日にELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)の初来日公演チケットも発売されたので、高校生だった私は両方のS席を買うほどお金を持っておらず泣く泣くボズのB席(2000円!)を購入した。徹夜して確保した武道館の2階席後方は見晴らしも良く(はい、やせ我慢してます)、オペラグラス越しに観たボズの歌う姿は一生忘れられない宝ものになった。この時も自分のまわりは年上の大人ばかりで、隣の席にいたカップルから「きみ高校生なの?渋いね~」と言われてしまい、嬉しいやら悲しいやら...妙な想い出が残った。

 

 その後も武道館や代々木体育館、東京ドームといった会場で行われたソロ・ライヴやイヴェントに足しげく通いながら、その都度感じたのは“毎回その時がベスト・ライヴ”だということ。時代が変わればメンバーもアレンジも変わるし、我々ファンもそれなりに年を重ねていき、勢いのある演奏を好む時もあれば、落ち着いた雰囲気に浸りたいと思う時もある。そんなファン心理とボズの音楽の志向性がシンクロするかのように、彼のライヴはいろいろな景色を見せてくれた。

 

 

 今回のツアーは、昨年リリースされた最新作『Out Of The Blues』を引っさげてのワールド・ツアーの一環であり、ブルーズィな側面とヒット曲で綴られたAORの側面とがバランスよく選曲されているので、新旧どのファンにも受け入れられるように配慮されているのがポイントとなっている。

 

 さらに注目すべきは世界遺産的ベーシスト、ウィリー・ウィークスが参加していること。ダニー・ハサウェイの名盤『ライヴ』(1972年)の演奏で一躍有名になった彼は、ジョージ・ハリスンやエリック・クラプトン、ドゥービー・ブラザーズ、矢沢永吉など世界中の名だたるアーティストのツアーやレコーディングに参加したことで知られ、ボズとはアルバム『Memphis』(2013年)のレコーディングからレギュラー・メンバー化している。71歳となる彼は、今回初めてボズの来日公演に参加してくれた。ずっしりと重たく安定感があり、トーンを絞った音質で決して前へと出てこないのにも関わらず、まぁ存在感のあること。惜しむらくはベース・ソロが聴けなかったことで、これは次回に期待したい。

 

 またウィリーとドラマーのテディ・キャンベルは黒人同士で、ブルーズィでソウルフルなグルーヴを叩き出し、息もぴったり。ボズはよくインタヴューで自分はソウル・ミュージックを奏でているんだと答えていたが、まさにそれを聴いているような素晴らしいリズム・セクションだった。テディ・キャンベルはコーラスにも参加していて、キーボードの(お馴染み)マイケル・ローガンとパーカッションのブランリィ・メヒアスと3人で複雑なコーラス・ワークを見事にこなしていた。ボズのライヴには女性コーラスがつきものだが、今回は野郎だけ(失礼!)で美しいハーモニーを聴かせてくれたのも収穫。もうひとりのキーボーディスト、エリック・クリスタルは2002年からボズのバンドに参加していて、サックス、キーボード(サンプリング・ブラスは最高!)、そしてピアニカなど、マルチな活躍を見せてくれた。

 

 AOR/フュージョンには欠かせないギタリストのマイク・ミラーの存在感も素晴らしかった。チック・コリア・バンドやジノ・ヴァネリ、イエロージャケッツ、カリズマ、ブランドXに至るまで、様々なバンドに参加して壮絶なギター・ワークを聴かせてくれたマイクだが、なぜかボズのアルバムのレコーディングには参加してこなかった。ボズとマイクのギターの贅沢な掛け合いが聴けるのはコンサートのみなので、フュージョン好きはぜひ会場に足を運ぶべし。昔からステージ上をのそのそと歩き回るのがクセだったマイクだが、歩きながら繰り出される超絶テクニックは必見だ。

 

 

 そしてもちろん74歳という年齢を微塵も感じさせないボズの歌声とギター・ソロに体中が熱くなった。コンサート冒頭では高音域を歌わずセーブしていたので、ひょっとして喉を痛めているのではと心配したが、エンジンがかかりだしてからは声がよく出るわ、よく歌うわと、明日声が出なくなるのではないかと逆に心配するほど歌いまくっていた。彼の武器であるファルセット・ヴォイスも健在。ギター・テクニックに関しては、年々うまくなっているのではないかと思えるほどに。彼のルーツであるブルースの曲ではボズ自身がソロを弾き、「Look What You've Done To Me」ではボズとマイク・ミラーの2人が赤いストラトを抱え、アンコールでは2人がギター・ソロ・バトルを聴かせるなど、ボズのギタリストとしての腕前も堪能することができた。

 

 セット・リストは非公開なのでここでは特筆すべき点のみ挙げてみると、まずはとにかくボズの代表曲のオン・パレードだったということ。新作からのブルース・タイムでは、照明もオレンジとブルーのみのジャズクラブ的な演出に留めてじっくりと音楽に浸らせてくれ、代表曲のヒット・パレードではカラフルでド派手な演出に。なによりも嬉しいことに彼の名を世界に知らしめた名盤中の名盤『シルク・ディグリーズ』からは歴代最多となる7曲が演奏されたのだから、周辺のおじさんAORファンたちは悶絶、絶叫しっぱなしで、さらに感極まって悲鳴をあげる女性がいてボズを失笑させるなど、会場は完全に興奮の坩堝状態に陥った。

 

 アンコールでは近年のライヴで定番となっているボズの公式デビュー作『Boz Scaggs』(1969年)からのブルース・ナンバー「Loan Me A Dime」や、チャック・ベリーのカヴァー曲「You Never Can Tell」が聴けたし、ダブル・アンコールでは予定にはなかった「Thanks To You」(『Dig』収録)が飛び出すなど、嬉しいプレゼントも。来日直前のインタヴューでボズはセット・リストを日替わりにすると発言していたが、少なくとも仙台と東京初日では3曲ほど変わっていたので、東京公演2日目以降がどのような選曲になっていくのか楽しみだ。

 

 今回はいつにも増してMCが短く、「The Feeling Is Gone」を歌う前に「私のヒーローのひとり、ボビー“ブルー”ブランドの曲です」とちょこっと説明した程度。休憩なしで正味1時間50分のコンサートはあまりにも濃厚で、ブルースとソウルの豪華なレパートリーに酔いしれた最高のライヴだった。ボズの日本公演は残りわずか、令和元年に絶対観ておくべきライヴであることは間違いないだろう。

 

文|片山 伸(Shin Katayama)

写真|MASANORI DOI: 土居政則

 

【昨夜のオーチャードホール公演のセットリストを、プレイリストで期間限定にて公開中!】

https://SonyMusicJapan.lnk.to/BozScaggsJapanTour2019

(Spotify/Apple Music/AWA/LINE MUSIC対応)

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【来日公演情報】

Out Of The Blues JAPAN TOUR 2019 

【仙台】    5/ 5(日・祝) 仙台サンプラザホール (終了)

【東京】    5/ 7(火) Bunkamuraオーチャードホール(終了)

       5/ 8(水) Bunkamuraオーチャードホール

       5/ 9(木) Bunkamuraオーチャードホール

【大阪】   5/11(土)  オリックス劇場

【広島】   5/13(月)  広島JMSアステールプラザ 大ホール

【名古屋】 5/14(火)  名古屋市公会堂      

 

<問>ウドー音楽事務所 03-3402-5999

 公演情報詳細はこちら

https://udo.jp/concert/BozScaggs  

 

最新リリース情報】

CBS在籍時に日本でリリースされた全シングル曲とミュージック・ビデオを網羅した最新・最強ベスト盤!

ボズ・スキャッグス|グレイテスト・ヒッツ :ジャパニーズ・シングル・コレクション

2枚組<CD+DVD> SICP31262~3

2019年4月24日(水)発売

特別価格¥3,000(税込)

■高品質Blu-S-pecCD2仕様(DISC1)

■全曲2019年DSDマスタリング(DISC1)

■ボズがCBS期に発表したミュージック・ビデオ全7曲を網羅 ※全て世界初公式DVD化(DISC2)

■カラー56Pブックレット

・日本盤全シングル・ジャケット(ドーナツ盤/一部8cmCD盤)を12cmCDジャケット・サイズで復刻再現して掲載

・歌詞・対訳・解説付

 

収録内容

DISC1 【CD:JAPANESE SINGLES】 <2019年DSDマスタリング>

01. 恋人同志(シングル邦題:二人だけの世界) from the album “Moments”

02. ダイナ・フロー  from the album “My Time”

03. ジョージア  from the album “Silk Degrees”

04. ロウダウン from the album “Silk Degrees”

05. リド・シャッフル from the album “Silk Degrees”

06. ハード・タイムス from the album “Down Two Then Left

07. ハリウッド from the album “Down Two Then Left

08. ウィ・アー・オール・アローン from the album “Silk Degrees”

09. トワイライト・ハイウェイ from the album “Middle Man” 

10. ブレイクダウン・デッド・アヘッド  from the album “Middle Man”

11. シモン(僕の心をもてあそぶ)(シングル邦題:夜のシモーヌ) from the album “Middle Man” 

12. 燃えつきて from “Urban Cowboy” Original Soundtrack  映画『アーバン・カウボーイ』挿入曲

13. ミス・サン from the album “Hits!”

14. スロー・ダンサー from the album “Slow Dancer” *

15. ジョジョ from the album “Middle Man” *

16. ハート・オブ・マイン from the album “Other Roads”

17. クール・ランニング from the album “Other Roads”

18. イッツ・オーヴァー(すべては終り)from the album “Silk Degrees”  BONUS TRACK 

19. フェイド・イントゥ・ライト  from the album “Fade Into Light” 映画『大統領のクリスマス・ツリー』メインテーマ  BONUS TRACK ※

 

*M14&M15:日本限定発売の4曲入り12インチ・シングル『BEST 4 YOU』より/♰M-18:日本未発売シングル/※M-19:日本限定発売のシングル

 

<配信>

・Apple Music <再生する>  https://itunes.apple.com/jp/album/greatest-hits-japanese-singles-collection/1460039488

・Spotify <再生する> https://open.spotify.com/album/60lqtCdwyV1bKAUlvpjc82?si=cHh7QA3BQVmVRyKHlgQOJQ 

 

DISC2 【DVD:MUSIC VIDEOS】<全て世界初公式DVD化>

01. ロウダウン from the album “Silk Degrees”

02. リド・シャッフル from the album “Silk Degrees”    

03. トワイライト・ハイウェイ from the album “Middle Man”

04. ブレイクダウン・デッド・アヘッド  from the album “Middle Man”

05. ジョジョ  from the album “Middle Man”

06. クール・ランニング from the album “Other Roads”

07. ハート・オブ・マイン from the album “Other Roads”

Approx: 34min.

 

名盤『シルク・ディグリーズ』の世界を凝縮した、ソニーミュージックグループ自社一貫生産の7インチ・アナログ盤が登場!

ボズ・スキャッグス|フロム・シルク・ディグリーズ

国内プレス7インチ・アナログ盤 SIKP 1000

2019年4月24日(水)発売

特別価格 ¥2,000(税込)

■33¹⁄₃ RPM ■歌詞・対訳・解説付

【完全生産限定盤】

 

収録内容

SIDE A

1 ロウダウン 2 ウィアー・オール・アローン

SIDE B

1 何て言えばいいんだろう【ライヴ】* 2 イッツ・オーヴァー(すべては終り)【ライヴ】*

*Recorded at the Greek Theatre , LA, August 15, 1976

 

【ボズ・スキャッグス プロフィール】

1944年、オハイオ州生まれ。ヨーロッパを放浪中の1965年に初のアルバム『BOZ』を録音。帰国後の1967年~68年にかけてスティーヴ・ミラー・バンドに加入し、2枚のアルバムに参加。その後、Atlanticと契約し、1969年に『BOZ SCAGGS』で本格的なソロ・デビューを果たす。1970年に再びカリフォルニアに移住して自身のバンドを組み、CBS/COLUMBIAとのディール獲得に成功、1971年にアルバム『モーメンツ』を発表。以降ソウル/フュージョンの要素を取り入れた、洗練された都会的(アダルト・オリエンテッド)なロックへシフトし、1976年に発表した『シルク・ディグリーズ』が全米だけで500万枚以上を売り上げた他、全世界で大ヒットを記録し、その地位を確固たるものに。同作からは、「ロウダウン」や「ウィアー・オール・アローン」といったAORクラシックスが生まれている。なお、このアルバムの録音に参加したデヴィッド・ペイチ(ペイチは曲作りにも参加)、ジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイトの3人がのちにTOTOを結成することになるのはAORファンには有名なエピソード。以降1977年の『ダウン・トゥー・ゼン・レフト』、1980年の『ミドル・マン』も大ヒット、<AORの帝王>として絶大な人気を獲得した。その後8年という長いインターバルを経て1988年に『アザー・ロード』を発表。1990年代に入るとボズはレーベルをVirginに移籍し、『アザー・ロード』の延長線上にある『サム・チェンジ』を94年にリリース。また、1996年には過去の代表曲のオーガニックなリメイク4曲を含むアルバム『フェイド・イントゥ・ライト』を発表。その表題曲は日本の映画『大統領のクリスマスツリー』のテーマにもなったバラードで、日本で大きな人気を呼んだ。2000年代は『But Beautiful』(2003年)、『Speak Low』(2008年)と、ジャズ・スタンダード集を2枚発表し、その合間に、キャリアの集大成的なライヴ盤『Greatest Hits Live』も発表している。そして2013年の『Memphis』、2015年の『A Fool To Care』、2018年の『Out Of The Blues』と立て続けにブルース・アルバムを3枚発表。今のところの最新作『Out Of The Blues』はビルボードのブルース・アルバム・チャートでNo.1を獲得し、グラミー賞でもベスト・コンテンポラリー・ブルース・アルバムにノミネートされた。