ディラン3日目無事終了!19時2分過ぎスタート、21時9分終演。全21曲、セットリストは昨日と一緒。ディランの声とピアノ、バンドの楽器一つ一つの音の粒がしっかりと綺麗に聞こえるのが凄い。ディランのピアノはお得意の執拗なまでの1フレーズ・リフレインが一層増えてきてる気がする。


今日も第一部の最後で、ボブが日本語で「アリガトゥ⤴」。そしてアンコール最後は今日はお辞儀せず!

明日明後日2日間の休みを挟んで土曜日は仙台です!


「こんな気がする」ディランを観て第三弾 ● 2016年4月6日

3日連続の満員となったディラン公演は、今日も儀開場時間を10分繰り上げての入場。ほぼ定時に会場が暗転すると歓声が高まりアコースティックギターの演奏が始まる。そしてメンバーがそれぞれに所定の位置につくころ、ボブ・ディランが登場。大きな歓声に包まれると、日増しに観客の熱気が高まっている気がする。

1.シングス・ハヴ・チェンジド 
センターでヴォーカル。荒れた声で突き放すように歌う。歌に集中を高めてる姿勢が伝わるが今夜の声はややザラついている。

2.シー・ビロングズ・トゥ・ミー 
ディランはセンター。丁寧に歌っているせいか声が良く伸びている。タイトな演奏をバックに気ままにも思えるような、ディランのハーモニカ演奏が印象的だ

3.ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング
ディランはピアノでヴォーカル。軽くいなすように歌うディラン。バンドメンバーが個々に楽しみながら演奏している様子が伝わって来て好感が持てる。

4.ホワットル・アイ・ドゥ 
センターでヴォーカル。素晴らしいスティールギターの演奏で始まる。気持ちの入ったディランの歌を見事なライティングが引き立てる。観客の反応も良い。

5.デューケイン・ホイッスル
ディランはピアノでヴォーカル。バンドメンバーを煽るようなヴォーカルは、声にハリと力強さがあって充実した出来となった。それに呼応するように観客が手拍子を取り始める。みるみるうちにまとまってゆく演奏のせいか、見事なエンディングとなった。

6.メランコリー・ムード
センターでヴォーカル。歌い始める前にウロウロ。スタンダードを歌う際に見せるやや落ち着かない感じは新曲に対する慣れのせいか。見ているほうはもっと慣れていないのだが。

7.
ペイ・イン・ブラッド
センターでヴォーカル。切れの良いディラン節が炸裂。軽く踊ったのは歌に入り込んでいるからだろう。決めのポーズで曲を終える。

8.アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
センターでヴォーカル。スティールギターの切ないメロディに乗って歌い始める。やるせない愛の歌を真っ直ぐに歌うディラン、そして決めのポーズ。何かが乗り移っているようだ。

9.ザット・オールド・ブラック・マジック
軽快なテンポに乗って楽しそうに歌うディランを観ていると古き良き時代のアメリカにタイムスリップしたような感覚に陥る。

10.ブルーにこんがらがって 
センターでヴォーカル。全く違う曲を歌い始めたかと勘違いする程、今日も崩して歌い始める。崩しながらもヴォーカルと演奏のコンビネーションが流石でこの歌の奥深さを再認識する。

今夜も日本語で「ありがとー」、そして休憩を告げてはける。

11.ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パットン)
ディランはセンター。バンドは確かな演奏ではあるが控えめであるため歌をさりげなく引き立てており、ディランが好むストーリーを展開してゆくという典型的なパターンの出来となった。

12.ホワイ・トライ・トゥ・チェンジ・ミー・ナウ 
センターでヴォーカル。スティールギターとゆったりとしたテンポによりディランの歌世界に気付いたら引きずり込まれているような出来である。ライティングも綺麗。

13.アーリー・ローマン・キングズ
ピアノ演奏でヴォーカル。メリハリの利いた演奏をバックに丁寧に歌う様は、絵画を精緻に描こうとしているかのようだ。その一方で余裕を感じさせるのは、表現を巧みにコントロールしている独特の術があるからだろう。

14.ザ・ナイト・ウィ・コールド・イット・ア・デイ
センターでヴォーカル。自信から生まれるのだろうか、慌てず焦らず悠然とした歌と演奏の魔力。カバーではないかのようだ。

15.スピリット・オン・ザ・ウォー ター 
ピアノ演奏とヴォーカル。軽快に軽やかに強弱を付けたヴォーカルが素晴らしい。バンドとのアンサンブルも見事。すべては歌のために奇跡的なまとまりを見せるバンド。チャーリーの控えめながら濃密なギタープレイに唸る。

16.スカーレット・タウン 
センターでヴォーカル。織物を幾重にも織り込んでゆくような演奏が、徐々に不気味なイメージを生み出していき多分に絵画的な歌となった。

17.オール・オア・ナッシング・アット・オール
センターでヴォーカル。重々しい歌の後にこの軽快さは編成の妙と言えよう。足でリズムを取りながら正しく歌う。

18.ロング・アンド・ウェイステッ ド・イヤーズ 
センターでヴォーカル。極めてシャープな演奏をバックに自由気ままなヴォーカル。演奏をコントロールするかのような歌いっぷりには惚れ惚れする。

19.枯葉
センターでヴォーカル。今夜、最初の歌い出しで一番拍手が起きたのはこの曲か。ディランと同時代に生きた人にはディランの枯葉も必然なのだろう。

ステージは暗転して後半を終了

20.風に吹かれて
ピアノ演奏とヴォーカル。なんと品があって豊かな作品に仕立て上げたのだろうか。すべてを悟ったかのような歌い方とそれを存分に引き出すバンドの演奏には心ひかれる。 

21.ラヴ・シック
センターでヴォーカル。スタンダードを多めに散りばめたライヴの最後を飾るに相応しい選曲。愛の歌に囚われた自らを評している、「ラヴ・シック」と。

演奏後、ディランは何度か軽くうなずきながら客席を見渡す。そして舞台袖へと消えていった。

三日目ともなるとリラックスしているのだろうか、初日にあったような全開で歌うようなシーンは見受けられなかった。観客の反応が今夜が一番良かったのはディランの今を楽しんで観る事が出来る客が多かったからであろう。

捕まえようとすれば逃げられジッとしていると離れていくばかり・・・そんなディラン体験をした人は今のディランをなんて思っているのだろうか。


<ボブ・ディラン2016年4月6日@オーチャード・ホール セットリスト>


Set 1:
1 Things Have Changed シングス・ハヴ・チェンジド 
   (『Wonder Boys"(OST)』 2001/『DYLAN THE BEST(2007)』他)
2 She Belongs to Me シー・ビロングズ・トゥ・ミー 
   (『ブリンギング・イット・ オール・バック・ホーム/Bringing It All Back Home』 1965) 
3 Beyond Here Lies Nothin'  ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング
   (『トゥゲザー・ スルー・ライフ/Together Through Life』2009) 
4 What'll I Do ホワットル・アイ・ドゥ 
   (『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
5 Duquesne Whistle デューケイン・ホイッスル
   (『テンペスト/Tempest』 2012) 
6 Melancholy Mood メランコリー・ムード
   (来日記念EP『メランコリー・ムード』2016)
7 Pay in Blood ペイ・イン・ブラッド
   (『テンペスト/Tempest』 2012) 
8 I'm a Fool to Want You アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
   (『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
9 That Old Black Magic  ザット・オールド・ブラック・マジック 
   (来日記念EP『メランコリー・ムード』2016)
10 Tangled Up in Blue  ブルーにこんがらがって 
   (『血の轍/Blood on the Tracks』1975)
Set 2:
11 High Water (For Charley Patton) ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パッ トン)
   (『ラヴ・アンド・セフト/Love and Theft』2001)
12 Why Try to Change Me Now ホワイ・トライ・トゥ・チェンジ・ミー・ナウ 
   (『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
13 Early Roman Kings アーリー・ローマン・キングズ
   (『テンペスト/Tempest』 2012) 
14 The Night We Called It a Day ザ・ナイト・ウィ・コールド・イット・ア・デイ
   (『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
15 Spirit on the Water スピリット・オン・ザ・ウォー ター 
   (『モダン・タイムス/Modern Times』2006) 
16 Scarlet Town スカーレット・タウン 
   (『テンペスト/Tempest』 2012) 
17 All or Nothing at All オール・オア・ナッシング・アット・オール
   (来日記念EP『メランコリー・ムード』2016)
18 Long and Wasted Years  ロング・アンド・ウェイステッ ド・イヤーズ 
   (『テンペスト/Tempest』 2012) 
19 Autumn Leaves 枯葉
   (『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
Encore:
20 Blowin' in the Wind 風に吹かれて 
   (『フリーホイーリン・ボ ブ・ディラン)
21 Love Sick ラヴ・シック
   (『タイム・アウト・オブ・ マインド/Time Out of Mind』 1997) 


●ボブ・ディラン来日公演スケジュール

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