$HIGH-HOPES管理人のひとりごと(洋楽ロック)

エアロスミスの11年ぶりの新作『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』遂に本日発売!発売を記念して、担当してた時代の裏話を少々。

僕がエアロを担当してたのは1999年のミレニアム・ライヴから、2001年『ジャスト・プッシュ・プレイ』、2002年『アルティメイト・エアロスミス・ヒッツ』、FIFAワールドカップ・コンサート、2004年『ホンキン・オン・ボウボゥ』の発売直前まで4年間くらいなのですが、本当にその間様々なことがあったんです

エアロスミス、大好きなバンドなんですけど、実際担当すると地獄絵図・・・。スーパースターだからしょうがない部分もあるんですが、一筋縄ではいかない。寿命が縮まるってのはこういうことなんだってのを何度も経験しました。ホント早死にしたらその10年分くらいはエアロ(あとマライア)のせいかも。俺の寿命を返せ~っていいたいくらい(笑)。まあもう時間もたってるし、11年ぶりの発売記念ってことで、ちょろっと当時の裏話でも・・・。今だからこそ笑い話にできるって感じですかね(笑い話にできる程度の話だけ書きますけど)。

一番の思い出でもあり、一番寿命が縮まったのは2001年『ジャスト・プッシュ・プレイ』の時。いやはやあれから11年もたっちゃってるのかと思うとびっくり!まるで昨日のことのように覚えておりますが・・・。

●今だから語れる地獄の裏話1~ああ涙のボストン、ぶっちぎられたフォトセッション。

『JPP』は2001年3月に発売になったのですが、その直前2月上旬にボストンでインターナショナル用取材が行われたのですが、日本からいろんな方々をお連れしてインタビューと日本用オフィシャル&SWITCHh表紙用のフォトセッションを行う予定でした。雪降ってました。とっても寒かったです。

インタビュー日程も2転3転、最終的には行く数日前にフィックスなんて感じで、音もまだ来てなくて、ボストンで試聴会すると。唯一あったのはJADEDの音だけ!?

インタビューはまあ無事にできたんですが、まあとにかく時間にうるさくて。ふつうは若干の押し引きあるものなので、ちょっとくらいは大丈夫なものなんですが、エアロの場合は取材部屋で向こうの外人スタッフが「ストップウォッチ」持って仁王立ち、ぎらぎらした目でこっちを凝視してるんです。、10分前、5分前、3分前、1分前とチェックが入り、そのたびに「わかってるよな」とギロっとにらむ。最後の質問にメンバーが答えてるじゃんって時も止めようとするんで、もういい加減にしろよって感じ。

でも痛快だったのは伊藤政則さんの取材の時。メンバーと政則さんはそれはもう30年来の付き合いなわけで、彼らもインタビューを楽しんでいるんです。時間が迫ってきて、外人がギロっとにらむ、そして、それを僕が「あと○分です」と紙に書いて伝える、しかしメンバーのトークが長い長い、全然終わる気配はない。僕もさすがにこれはこのままやるべきと思い外人あえて無視してたら、奴が政則さんに「時間だから終わってくれ」なんて言い出しやがった。そしたらスティーヴンがそいつに向かって「俺達はまだMASAと話してんだ、余計なことすんな!」と一喝!スティーヴの逆鱗に触れてしまったそいつはスゴスゴと退いてしまった。。。いやー痛快!日本の洋楽担当っていつも外人に振り回されて、理不尽なことばかりが多いんですけど(アーティストはいいんですけど周りの奴らがね・・・)、こういったことがあるとざまあみろって感じ。さすが政則さんとエアロの結びつきの強さというか信頼関係のたまものって感じではあるんですが、通常はなかなかそうもいかず。

インタビューDAYは無事終了。その翌日にフォトセッションをやる予定だったのですが・・・。当日の朝に「今日はやらん」といきなりのぶっちぎり!飛行機の予定もあるし、一緒に来ていただいてる方々のスケジュールもあるし。そこからチケットの変更の手配したりホテルの手配したりやってたのですが、果たしていつできるのかは明言されてない。今だから想像すると、いつも彼ら遅れてくるんです。取材のスタート時間が全くもって守れないので、2時間3時間押しでスタートするの当たり前。それで取材を全部こなせなくなってしまったのか?もしくはアメリカの別の媒体を優先しやがったか?

そこからが長かった。毎日毎日日程が決まるのをただ待つばかり。オフィシャルのカメラマンのウィリアム・ヘイムスさんと毎日毎日クラムチャウダーを食べるばかり・・・。たしか待つこと4日目の早朝いきなり電話が!「今日やる」と。「え~いきなり今日??なんで昨日言ってくれないのよ」。そこからは怒涛の一日。やるスタジオは決まってたのでウィリアムさんが速効セッティング。

しかし、来ないんですよ。。。彼ら。当然のごとく押せ押せで。ようやく来たらメイクにも結構時間かかっちゃって。案の定、外人スタッフから「時間短縮しろと」・・・。その理由も後ろに「アメリカのTV取材が入ってるから」。こっちは日本からボストンくんだりまでやってきて、その上ぶっちぎられて、4日も待たされて・・・「ふざけんな、なめんなよ」状態で交渉したものの、エアロにそんなの通用するわけもなく、あっさり敗れ去り。しょうがないので皆さんにこの時間でお願いしますと平謝り。しかし、その時怒らないで一生懸命やっていただいたウィリアムさんには本当に感謝しております。その時のウィリアムさんは凄かった。たぶん1時間もなかったと思われるフォトセッションで3か所に作ったバックドロップ、衣装も数回変えてもらいつつ、もう走り回って走り回って、あんなに走り回ってるウィリアムさん見たの初めてでした。「次はここで」「こういうポーズで」「ギター持ってこういう感じで」・・・バンドのメンバーとも仲良しで、何度も撮ってるのでよく理解してらっしゃるから成せる技だと思いますが、あんな短時間の間でもの凄いパターンの写真を撮っていただきました。そのおかげでガンガン素敵な表紙を獲得できたんです。

政則さんもウィリアムさんもそうなんですが、ここで勉強させてもらったのはやはり「人間関係」ってことですね。どんなに凄いバンドでもスーパースターでも、そのアーティストの信の理解者で、一度信用、信頼されれば、その絆は一生もんってことなんだなあと。

我々の仕事はマーケティングが全てだなんて言われがちなんですけど、僕はもっとも大事なのは「人間関係」なんだということを肝に銘じてます。特に今アメリカとかは、デジタルでどうのこうの、どこと組んでどうのこうの、PV初出しはペロッとオフィシャルサイトで公開とか、リークされるのが怖くて他国には情報渡さずプレスリリースを持って我々も初めて知るとか・・・。よく言ってくるのがどういう「パートナー」とどう組むのか?組んだらそこに最大限のメリットあげてチャンチャン。でも、日本人には合わないんですよ、そういうの。
なかなかわかってはもらえないんですけどね。でも、言い続けないといけない。。。

まあ、そんなこんなで『JPP』事前のボストン取材は終了。でも、今度は写真のアプルーヴをなかなかだしてくれない。もうさすがに雑誌の入稿間に合わないかもってところまで。彼らはPC画面では絶対確認したりしないんです。一度紙焼きにするか、コンタクトシートか、さらにやっかいなのはリタッチしておかないとふつうにNOだされちゃう。実際に彼らの「目」でみて○×つけるんです。なので全員の「○x」つかないとアプルーヴとはならない、それがエアロスミス・スタイル。一番厄介で面倒なのがスティーヴンとジョーの2ショット。どっちかはOKでもどっちかが見てないとか、イイ写真なんだけどどっちかがNGだとそのままお蔵入り・・・。もはや本気で時間がなくなって表紙が飛ぶかもなんて、海外に伝えても全く埒が明かない状況に陥って、しょうがないので2人が必ず一緒にいる時(たしかUSのインタビューが入ってた日)をねらって、写真のアプルーヴをゲットするためにもう一度ボストンへ行きましたよ。アメリカの取材が終わるのを待って待って、突撃。でも我々が行くの聞いてなかったみたいで、キョトン。もーたのんますよ!!!。わざわざ写真のためにやってきたということを説明して、ですからお願いしますから、いっぱいOK出してくださいとお願いしつつ。ようやく2人が○×つけて結構な点数OKになりました。ホッとしましたが、本当に表紙が飛ぶかもってくらい、ぎりぎりだったんです。なんでこんなことのためにもう一回ボストンまで行かなきゃならんのか?とも思いつつ、こんなことは氷山の一角くらいのことではあるんですが

大変なんですけどやっぱ素敵なバンドなんですよね。みなさんが笑顔で「よろしく」って感じで握手求められたりした日には、ん~もっと頑張らねばと思わされてしまうというか、不思議な魅力を持ったバンドです

またまた取り留めもない話でだーっと書いてしまい次までいきつかなかった。。。
本当の地獄はこれからなんですけどね
続きは「地獄のプロモ来日編」。続きはまた

是非皆さん新作聴いてください

●『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』“MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION !”
$HIGH-HOPES管理人のひとりごと(洋楽ロック)

【収録内容】
<DISC1>
01. ラヴ XXX…ジュリアン・レノンがバック・ヴォーカルで参加
02. オー・イェー(作詞・作曲:J.ペリー)
03. ビューティフル(作詞:S.タイラー・M.フレデリクセン 作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン・B.ウィットフォード・J.クレイマー・T.ハミルトン) …ミア・タイラー(スティーヴンの娘)がバック・ヴォーカルで参加
04. テル・ミー (作詞・作曲:T.ハミルトン)
05.アウト・ゴー・ザ・ライツ (作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・J.ペリー)
06.レジェンダリー・チャイルド 1stシングル(6/20発売)(作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・J.ペリー・J.ヴァランス)
07.ワット・クッド・ハヴ・ビーン・ラヴ~愛と呼べたもの 3rdシングル(10/17発売)(作詞・作曲:M.フレデリクセン・R.アーウィン・S.タイラー)
08.ストリート・ジーザス (作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・B.ウィットフォード・J.ペリー)
09.キャント・ストップ・ラヴィン・ユー(デュエット・ウィズ・キャリー・アンダーウッド)(作詞:S.タイラー・M.フレデリクセン 作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン・B.ウィットフォード・J.クレイマー・T.ハミルトン)
10.ラヴァー・アロット 2ndシングル(9/12発売)(作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン・J.ペリー・T.ハミルトン・B.ウィットフォード・Joey & Jesseクレイマー・M.モイア)
11.ウィー・オール・フォール・ダウン (作詞・作曲:D.ウォーレン)
12.フリーダム・ファイター (作詞・作曲:J.ペリー)…ジョニー・デップがバック・ヴォーカルで参加
13.クローサー (作詞:S.タイラー 作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン・J.クレイマー)
14.サムシング (作詞・作曲:J.ペリー)
15.アナザー・ラスト・グッドバイ (作詞:S.タイラー・D.チャイルド 作曲:S.タイラー・D.チャイルド・J.ペリー)
―日本盤ボーナス・トラック―
16.シェイキー・グラウンド (テンプテーションズのカヴァー)…リック・デュフェイ(G)が参加 
17.アイム・ノット・トーキン (ヤードバーズのカヴァー)

<DISC2>※「デラックス・エディション」(3枚組)のみ収録
01. アップ・オン・ザ・マウンテン (作詞・作曲:T.ハミルトン)…トム・ハミルトン初のソロ・ヴォーカル曲
02.オアシス・イン・ザ・ナイト(作詞・作曲:J.ペリー)
03.サニー・サイド・オブ・ラヴ(作詞・作曲:S.タイラー・M.フレデリクセン)

[DVD] ⇒Disc 3  “VIDEOS FROM ANOTHER DIMENSION !”
(2012年夏の全米ツアーより最新ライヴ映像4曲+最新インタビュー+ブラッドによるレコーディング中のスナップ・ショット) 
01.セイム・オールド・ソング・アンド・ダンス(ライヴ)
02.オー・イェー(ライヴ) …新曲
03.ラッツ・イン・ザ・セラー(ライヴ)
04.トレイン・ケプト・ア・ローリン(ライヴ)(8/6 L.Aのハリウッド・ボウル公演のアンコールでのジョニー・デップ飛び入り映像!)
・スティーヴン&ジョーのアルバムについてのインタビュー + メンバー個別Q&A
・ブラッド・ウィットフォード撮影によるレコーディング


11月7日発売 日本盤
●デラックス・エディション SICP 3737-9 \4,200(税込) 
初回生産限定盤 CD+CD+DVDの3枚組
★特殊サイズ紙ジャケ仕様(縦長・銀箔加工・8面紙ジャケ)★ポスター封入(スラッシュによるエアロのイラスト絵柄!) 
$HIGH-HOPES管理人のひとりごと(洋楽ロック)

●通常盤 SICP 3740 \2,520(税込)

●「ワット・クッド・ハヴ・ビーン・ラヴ~愛と呼べたもの」MV
http://www.youtube.com/watch?v=d7lCZ0rpH3o