人は口には出さなくとも、過去にとても辛い思いをして、簡単には癒えない心の傷のひとつやふたつあるかもしれない。
自分にだってある。
しかも、ひとつやふたつでなく、よっつくらい(笑)
今までずっと書こう書こうと思って、書かないできたけど、今日はそのうちの1つを語ることにする。
もう20年近く前、僕が今よりずっと若かった時のことだ。
まだ、大学受験予備校に移る前の、高校受験主体の集合塾に勤めていたのだが、、
自分で言うのも何だが、授業には結構自信があり、生徒たちからの人気もまんざらでもないと思っていた。
だから、もっとステップアップしたくなって、少し上位の塾に転職した。
その塾はちょっと変わった塾で、広告チラシを一切出さないで大量の生徒(1教室200名近く)を集めていた。
チラシを出さないで、どうやって生徒を集めるのかというと、塾生や保護者からの友人紹介であった。
小中学生が友達を連れてくるには、楽しい塾であることが重要である。
よって、その塾は" 自由であること " をかなり売りにしていて、お菓子を食べたり、授業中、ガムを食べたりすることも許されていた。
それが他塾と差別化して生徒を集める戦術の一つにもなっているようであった。
進学塾ではそんなことはご法度と思っていたので、最初は違和感があったが、、
転職したばかりの会社(塾)のルールには従わざるを得ない。
「馴染めば、違和感もそのうちなくなるだろう。」
そう考えていた。
自由な塾だけあって、生徒たちもかなり自由そうであった。
大学受験のための浪人生や高校生主体の予備校と違い、小中学生対象の塾は結構賑やかなところも多い。
転職して1、2ヶ月した頃だったろうか、
僕は自分が担当している中2数学のクラスの授業のため、教室に入った。
そこで、目にしたのは、ある体験生が塾生に、イジメをしている場面であった。
おそらくその体験生は学校でもその塾生と同じクラスで、イジメていたのであろう。
僕は当然ながら、そのイジメをしていた体験生を注意した。
塾の先生というだけでなく、大人としてもそれは当然の行為だと確信して。
その後、予想だにしなかったことが起こるとは夢にも思っていなかった。
(その2に続く)